この台詞、覚えていますか。60年代後半一世を風靡した「ザ・フォーク・クルセイダーズ」のヒット曲「戦争は知らない」の一節です。

作詞は寺山修司。当時、このフォークバンドはヒットを連発「悲しくてやりきれない」、「青年は荒野をめざす」。フォークルのメンバーだったはしだのりひこはその後シューベルツで「風」、「花嫁」とやはりフォークの名曲を送り出す。やはりメンバーだった北山修は加藤和彦と「あの素晴らしい愛をもう一度」を送り出す。どこか切なくて、哀しくて、美しい曲ばかろです。この時代の代表曲を集めた「Folk Village Vol 1」(2CD 1500円)には、高度成長に一気に突き進む日本への戸惑いと、置いてきぼりにされそうな若い人たちに寄り添う気持ちが感じられます。このCDの中には市川染五郎(今の染五郎じゃなく、お父さんの方)が歌う「野バラ咲く路」、広川あけみ「悲しき天使」などのレアーな曲も楽しめます。

日本ポップス史で、今もって語られる伝説のバンド「ジャックス」の早川義夫さんの書いた「たましいの場所」、一読をお薦めします。私が、ある日突然、会社から「明日から書店員やれ!」と言われ、もう右往左往していた時に、救ってくれた本が早川さんの「ぼくは本屋のおやじさん」という本でした。バンド解散後、小さな町の本屋を始めて20年後に書いたエッセー集。音楽のこと、本のこと、そして生きること等々、どこから読んでも気持ちのいい文章が楽しめます。(晶文社900円)

「本当のことは言葉にならないかも知れない。言葉にした途端、すり抜けていってしまうのだ。心に残るものは、形にならない。読み取らなきゃ、聴き取らなきゃ、つかめない」。ですね。