いつ頃だったか、テレビをつけたら小林旭の映画「渡り鳥シリーズ」をやっていた。とんでもない映画ですよ!

舞台は一応日本ですが、なんと旭兄いは、馬にまたがり、白いギターをぶら下げて登場。しかも、町中に馬止めて、悪党がたむろする酒場(これが、西部劇そこのけの両開きドアで、長いカウンターまである)に入って、一曲歌ってから、殴り合い。おいおい、町中に馬なんて止めたら、道交法違反だろ。それに、歌ってる間に、なんで誰も殴りかからないの?まぁ、TV「桃太郎侍」で、主人公が『ひと〜つ」と長い台詞を言う間、誰も切り掛からないのと同じパターンですね。そして、ラスト、旭兄いは、テンガロンハット姿で、馬と共に去ってゆく。61年作「波濤を越える渡り鳥」では、なんとバンコクまで行ってします。ネクタイ&ワイシャツ姿にギターですよ。もう無茶苦茶。

小林信彦+大瀧詠一コンビによる「小林旭読本」(2002年キネマ旬報社3000円)で内館牧子さんが、「彼は『闇』を抱えている」というエッセイを書かれているが、どこに闇があんの?

しかし、後年「日本暴力列島 京阪神殺しの軍団」で、在日朝鮮人の武闘派やくざを演じた時は、成る程ね、と納得いたしました。日活退社後、東映で主にやくざの幹部を演じていて、それはそれで凄みがあって面白かったのだが、「渡り鳥シリーズ」みたいに、あっけにとられる展開、別に今、歌う事ねえだろうに、という所で、いや歌いますというストーリー無視の唐突さ等々、突っ込み所満載の「渡り鳥シリーズ」をきちんと?観てみたいですね。

こんなシュールな映画に、観客が詰めかけ笑い、楽しんでいた時代というのは、もう二度と戻ってこないだろうから。カラオケで彼のヒットナンバー「熱き心に」を歌う度に、そう思います。

店には、読本以外に、旭本人による自叙伝「さすらい」(新潮文庫200円)もございます。ミュージシャンとしては東京スカパラダイス・オーケストラと組んだライブCDが良いですね。もう往年の歌の歌詞も抱腹絶倒ですぞ!オーケストラとのアンサンブル無視して、一人突っ走る旭に、素敵なサウンドを作ってリスペクト表したスカパラの清々しい演奏を楽しめるCDでしたが、残念売れました。

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