1985年、雑誌Switchは縦28cm×21cmの判型で発行される。

85年Vol.4の特集は俳優ミッキー・ロークと、ニュージャーナリズムの旗手、トム・ウルフ。連載には、鈴木博文がビートルズのことを書いている。86年発行のVol.4の特集は、「ブルックリンライターを求めて」というタイトルで、ピート・ハミル、アーウィン・ショー等の短編が並ぶ。沢木幸太郎の「246」という日記の連載が始まっている。87年Vol.5では特集が「サム・シェパードと漂う男たち」と題して新しい俳優を紹介している。パラパラめくると。山本容子の版画が何点も載っている。写真家、橋口譲二の写真と文章で「見えない時代」もある。

影響大でした、私には。アメリカンカルチャー、そして新しく登場してきた文学、映画、音楽はこの雑誌から教えてもらいました。すべてが、かっこ良かった。スタイリッシュで、知的で、硬質感があって、ちょっとポップカルチャーの最先端知ってるもんね、という錯覚を持たせてくれました。逆に、ヨーロッパはダサく、陰気で、ぼそぼそ歯切れの悪いフランス語なんて聞くと吐きそうでした。第二外国語はフランス語でしたが、なるべくアメリカ英語風に発音していました。

やがて、Switchは縦29.5cm×23cmに大きなサイズに変型する。89年Vol.7の特集は「つれない女」と題してメリル・ストリープ。高橋源一郎の連載の「追憶の1989年」も始まっている。なんと、ポール・ボウルズの幻の短編「視線」も読めたんだ!

Vol.7号に至っては、小林薫の特集。沖縄で映画撮影中の小林を追っかけたノンフィクション。表紙も、もちろん小林薫。巻頭小説は池澤夏樹の「マリコ/マリキータ」。そうか、ここで最初に読んだんだ。

ただ、この辺りから私はこの雑誌から離れてゆく。何故だろう?

字が小さくて読みにくくなったという肉体的な事実はさておき、一言で言えば、ええかっこするのに飽きた、という事でしょうね。今、店には、30冊程でていいます。パラパラめくっていると、switch片手に、ジャズ喫茶にいりびたっていた滑稽極まりない姿が、四谷怪談のお岩さんみたいに、べったりと張り付いてきます。早く、買ってお岩さんを背中から離してください。

 

Tagged with: