数年前、女房と北海道で蝦夷フクロウのつがいを目の前で見た。古い巨木の天辺付近にでじっとしている二匹。回りにいる人間なんぞ歯牙にもかけない堂々たる存在。こんな素敵な場所に案内してくれたのは、ブログでもご紹介したヒッコリーウィンドのオーナー、安藤誠さん。一時間程、その木の下から見上げていましたが、飽きませんでした。その安藤さんが、10月26日(金)来店されて北国の自然やカナダのオーロラのお話とスライド上映会(午後8時スタート)は、ほぼ満員ですが、まだ間に合います。

さて、火曜日より始まった「北岡照子木版画遺作展+北岡広子銅版画展」で、印象深いフクロウの版画が三点並んでいますが、お気に入りは、下の作品です。獲物の兎を、まさに獲得する一瞬を捉えた緊張感溢れる一枚です。

星野道夫「未来への地図」(2005年朝日新聞社)には、口に獲物のネズミを加えて、子どもが待つ巣へ降り立つ、畏怖すべき存在としてのフクロウの写真が載っています。堂々として、ちょっと恐怖感さえ感じさせるフクロウ。照子さんの版画にも、それは地表すれすれを飛ぶフクロウの影に表現されています。追われる立場に立てば、これほど恐怖をイメージさせるものはないでしょう。逆に俯瞰ショットで、この影を見ると大地の生態系の頂点に君臨するものの大きさが感じれます。作者の思惑と別にして、ここには追われるものと追うものの緊張感を立ち位置を変化させることで、感じるこができる作品です。

鳥の写真の第一人者、嶋田忠「鳥のいる風景」(1986年平凡社)を開くと、森の哲学者風情の知的なフクロウの写真や、鋭い視線で、こちらの心の中を見抜いているようなコノハズクの写真があります。ギャラリー見学の後にでも、開いてみてください。

 

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