手に乗る程の小さな羊毛から、こんな大きな作品に仕上げるまでに、何を思いながら手を動かしていくのだろう。
最初の縮絨から始まる遠い旅。想像してもわからない。
一つ一つ手の先から生まれていくものたち。
増殖し、ちぎれ、またくっつきながら、まだまだ先の見えないどこかへ向かって作られて行く。
ギャラリーの壁に貼り付いたフェルト作品を見ていると、勝田さんにとって、生きることと、作ることが同じなのだ、思いました。
2011年、出産を経験し、しばらくは製作をするのも難しいと思っていたらしいのですが、今年3月「羊パレット」の出展が縁で、お母さんになって初めての個展会場に、小さな本屋を選んでくれました。
初日「羊パレット」の主催者スピンハウスのポンタさんが来て下さり、「スゴックいいよ!!迷いがなくなった感じがする。」と勝田さんに話しておられました。
新しい出発になるかもしれない場に立ち会えて、幸せです。小さなギャラリースペースではありますが、ここで毎日作品を眺めていると、力をもらえるのです。明日につながる力とでもいえばいいでしょうか。