酒井駒子さんの絵本が10冊ほど揃ったので、ギャラリースペースに並べました。

小川未明原作「赤い蝋燭と人魚」(偕成社1150円)は、ご存知のように悲しいお話ですが、酒井さんの深い美しい色合いに魅かれて最後まで読んでしまいます。(そしてまた泣きそうになります。)

須賀敦子の文による「こうちゃん」(河出書房新社1250円)にこんな文章があります。

『こうちゃん、灰いろの空から降ってくる粉雪のような、音たてて炉にもえる明るい火のような、そんなすなおなことばを、もう わたしたちは わすれてしまったのでしょうか。』

そんな言葉に呼応するように、酒井さんの絵は深く静謐な画面をつくりあげていきます。けっして明るい絵本ではありませんが、大切にしたいことがいっぱい詰まっています。

「くまとやまねこ」(河出書房新社950円)は一番のお気に入りです。大切な友である小鳥を失った哀しみから立ち直れないクマは、じっと殻に閉じこもったまま、暗い心を抱いていました。ある日、山猫と出会い、小鳥の死と向き合いそして受け止めます。メデタシメデタシの終わり方のない絵本には、死を背負いながら生きていく切なさに満ちています。

 

絵本の他に、酒井さん装丁の本もあります。糸井重里「夜は、待っている」(糸井重里事務所1200円)小川洋子「最果てアーケード」(講談社1100円)川上弘美「七夜物語」(上下セット2100円朝日新聞社)。また、雑誌「Pooka+」の酒井駒子特集号(1000円)など。お見逃しなく。

 

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