出版されていたのは知っていましたが、実物を初めて見ました。山口小夜子著「小夜子の魅力学」(文化出版局4000円)です。

山口小夜子。1949年生まれの国際的モデルです。71年プロとしてデビュー、72年に、パリコレコレションに日本人初として起用され、おかっぱ頭の切れ長の目はヨーロッパで大人気を呼びました。73年に資生堂専属モデルとして、多くのCMに登場しました。

若手モデルが、欧米のファッションショーにドンドン出られる時代と違い、この業界では後進国だった日本から、ヨーロッパのファッションビジネスに飛び込んでいった先駆者でした。現在ファッション先進国となった日本で、道を切り開いた一人といて記憶されるべき女性です。

その彼女が、モデルとしての生き方、ビューティケア、自分の人生のことを語ったのがこの本です。今なら、こんなモデルのおビューティ本なんて、どこにでもありますが、多分、これが最初ではなかったのでしょうか。ショーの舞台での動きを、世阿弥の「花伝書」の中に求めたりと内容も濃い一冊です。

彼女は後年、ダンスとパフォーマンスをクロスオーバーした舞台に情熱を注ぎました。もう、かなり前ですが、勅使河原宏演出の舞台に登場した彼女を観たことがあります。思っていたより大柄で、神秘的な表情、スラリと伸びた長い手足、そして吸い込まれるような瞳が魅力的でした。残念ながら2007年7月急性肺炎でこの世を去りました。

ファッションと言えば、金井美恵子が60年代の婦人雑誌「ミセス」を様々な角度から取り上げたエッセイ集「昔のミセス」(幻戯書房800円)も、素敵な文章と当時の雑誌「ミセス」の写真のセンスの良さがマッチした本として手に取っていただきたい一冊です。

 

 

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