入ってきた「暮しの手帖」バックナンバー等の雑誌の中に、レトロな冊子を見つけました。昭和33年開催の「第一回きもの乃祭典」のパンフレットです。日本の敗戦が、昭和20年8月。そこから、まだ10年ちょっとで、こんなに美しく、中身も面白いパンフレット作って、バラまいていたんですね。

各シーンごとの着物姿の女性の写真が掲載されているのは、今の着物ファッション誌と一緒です。「クリスマス」にぴったり!というので紹介されている着物では、その派手さにびっくりしました。すでに、戦後は終わっていたのかもしれません。

そして、多くの著名人が、この祭典に文章を寄せています。作家の小島政二郎は、「上布を素肌に着て、角帯をキリッと締めて、時計はもちろんのこと、できれば紙入れもなんにも持たず、家を出る時の楽しさなんていうものは、今日では味わえない夏の楽しさの第一だった。」と書いています。

他にも、森田たま、猪熊ふみ子(猪熊弦一郎夫人)等が魅力的な文章を寄せています。さらに「私の好きな”きもの”」コーナーでは、高峰秀子、尾上松緑、徳川夢声、藤間紫、そして小津映画で、お馴染みの大人の男を演じてきた菅原通済等が、一言を寄せています。さらにさらに、武原はん、花柳章太郎らが参加する座談会の様子まで網羅してこの祭典を盛り上げています。

最後にはずらり、デパートの宣伝で、三越、伊勢丹、高島屋、大丸等が並びます。中でも松阪屋のデザインは、モダンです。

昭和30年代の、豊かで明るい日本を垣間みるパンフレット。500円で販売しております。

 

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