狩猟に関する本が少しずつ増えています。

以前にも一度ご紹介した、畠山千春の「狩猟女子の暮しづくり わたし、解体はじめました」(木楽舎1300円)が再入荷。初めての仕留めたイノシシを担いだ時から、顔つきが猟師に変身している写真が素敵な一冊です。

北海道で牧場を営みながら、日本人唯一の熊打ちハンター久保俊治の生活を綴った「羆撃ち」(小学館700円)は、ハンターの眼を通してみた北国の自然、そしてそこに関わる人間の姿が描かれています。後半では、彼の相棒だったアイヌ犬フチとの出会い、山での活躍 、そして悲しい別れが書かれていきますが、これはちょっと犬好きには辛いかも………。この本のなかで、人に慣れ、恐れなくなった熊が、魚がたまった堰に出没して、魚を獲物にするようになった遠因として、かつて写真家が、魚をくわえた熊の写真を撮りたいがために餌付けしたことにあるという指摘があります。人が熊を変えてしまったのかもしれません。

熊を撃つハンター、マタギの生活をドキュメントしたのが田中康弘著「マタギ 矛盾なき労働と食文化」(エイ出版社1400円)。仕留めた熊の解体の一部始終が写真に収めれています。その見事な解体の手さばきに惚れ惚れします。さばく前に、往生した熊に対してマタギたちが頭を垂れて、命を頂く祈りの場が撮影されていますが、獣と人間の厳かな一瞬がそこにあります。この本の著者には、熊を追い、猪を撃ち、鹿を解体する女性達を追いかけた「女猟師」というドキュメントがあります。こちらも、近日入荷予定です。

もう一点、安藤啓一・上田泰正「狩猟始めました 新しい自然派ハンターの世界へ」(ヤマケイ新書700円)も面白い本です。「食べることは、命をいただくことだ。この、命をいただく重さを良く知っているのが狩猟者」という思いから、狩猟を始めた二人の記録です。

仕留めた猪が、まだ完全に死んでいなくて、止めをささねばならない立場に追い込まれます。ナイフを抜いて、喉に刃を立てますが、思うようにならない。「どうすればいいんだ」自分が発砲した獲物は倒れ、苦しそうに息をしている。ナイフで止め刺しをしてみたが、事態は悪化したようにしか思えない。罪悪感が重くのしかかる

 

「どうにかしてくれ」

そんな言葉が出そうになった時、獲物は息を引き取ります。

狩猟の本を読むことは、私たちが、私たちだけで生きているのではないという深い真理を知るチャンスです。世界の見方が変わります。

 

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