レティシア書房のご近所に出版社がやってきました。社名は「エディション・エフ」。その第一作、山川三多詩集「昼のビール」(1296円)を早速置くことにしました。

ナカライエイコさんの素敵な挿絵と共に、ありふれた言葉で、人生の一瞬を切り取っていきます。須賀敦子のエッセイ「トリエステの坂道」と同タイトルの乾いた風景を描いた詩を先ず読みました。

タイトルになっている「昼のビール」は一番最後に載っている「サラリーマン」という作品に登場してきます。私もかつては、サラリーマンならではのいらつきを何度も体験しました。その苦い気分を飲み下すような詩です。

「どうだ 昼のビール いずれにしても だよ サラリーマンは 一時しのぎの 仮の姿だ 通りすがりだって 事だからな 本音を 吐いて どうなる プライドなんてものは だ タマゴの殻だ せーんぶ はぎ取られても 大騒ぎするほどの ことじゃない」

何にしても、昼のビール程上手いものはありません。この詩集、すべてフランス語訳が掲載されています。音読する楽しさもありますよ。

さて、ご近所出版社さんが来られた翌日、今度は岡山から、「工藤あゆみアート」さんがご来店。現在ヨーロッパで活躍している工藤あゆみさんの作品の国内での販売、企画をされています。

“LE COSE IN-MISURABILI”という49枚のイラストをまとめた本を見せていただきました。美しい装幀の本のページをめくると、ふわりとした優雅な動きで、心和ませる動物のような、人のような主人公が登場します。音楽が聴こえてきそうな、でも静寂が支配しているような不思議な世界が広がります。

すべてのイラストには、その作品を象徴するような言葉が付いています。「僕が僕を見る視線の音頭を計る」、「世の中がまともに見える傾きを計る」、「憎しみをふりきるエネルギーを測る」等々です。そんな言葉から、どんな絵を想像されますか。一度ご覧下さい。絵本は二種類あります。大きい方が4800円、小さい方が1800円です。

また、大きさの違うポストカード(200円/150円)も同時販売です。なお、来年5月12日(木)から、当店での個展も決まりました。

こんな風にして、お近くから、ご遠方から本をお持ちいただけるのはありがたいことです。願わくば、一冊でも多く旅立って欲しいものです。