一冊、丸ごとドキュメンタリーを扱うミニプレス「neoneo」が入ってきました。どの号も切り口が刺激的で、こんな特集で本が出来上がるのかと感心しました。

最新5号は「音楽ドキュメンタリー洋楽編100/亀井文夫戦争の記録」(1080円)の特集です。音楽評論家の萩原健太の「音楽映画はぼくらの教科書」だったというインタビューからして、洋楽ファンなら必見です。「真夏の夜のジャズ」から「ウッドストック」、「ラストワルツ」そして最近の傑作「バックコーラスの歌姫たち」まで網羅されています。

そして、もうひとつの特集は「敗戦70年 亀井文夫 戦争の記録」です。戦時中に陸軍省後援の元に「戦ふ兵隊」を監督しますが、検閲で厭戦的だと決めつけられ、没収された経歴の映画人です。その後も治安維持法容疑で投獄、戦後に製作した「日本の悲劇」で天皇の戦争を追求して、またもや上映禁止。しかしめげずに、反核映画「世界は恐怖する」、アメリカ軍の立川飛行場拡張計画に反対する地元住民と国との闘争を記録した「流血の記録・砂川」(蛇足ながら、アベちゃんとお友達が錦の御旗みたいに担いでいる砂川判決の元になった事件です)等を撮影して、最後は骨董屋の親父で、波乱の一生を閉じました。亀井作品を見ていなくても、反戦、反核、反差別を押し通した波乱万丈の人生は、読み応えがあります。

4号は「テレビドキュメンタリーの60年/ドキュメンタリー映画の父ロバート・フラハティ」(1080円)が特集です。1950年代〜2000年代までのTVドキュメンタリーの流れと質を追いかけていきます。「兼高かおる世界の旅」から「情熱大陸」まで、どう変遷していったかが理解できます。

「相手が逃げられないように土俵の上にあげておいて、作り手と撮られる側ががっぷり四つに組むこと」

田原総一郎が自分のドキュメンタリー方法論について言及していますが、その通りだと思います。

さて、もう一つの特集「ロバート・フラハティ」。自慢じゃないけど、アメリカで映像コミュニケーションを学んでいた時(遊んでいたとも解釈できますが)、大学の映画ミュージアムで連続上映会に参加しているのです!イヌイットの生活、文化を捉えた「極北のナヌーク」も見ています。殆ど忘れましたが、力強い映像だったことは覚えています。辺境を撮り続けた男の物語です。

今回、バックナンバーとして3号「ゼロ年代(プラスワン)とドキュメンタリー」(1028円)、2号「原発とドキュメンタリー」(1028円)も入荷しています。是非、一度手に取ってみてください。

●「neoneo」はリトルプレスコーナーではなくアート系書籍の平台にて展開しています

 

★レティシア書房 『一箱古本市』のお知らせ

8月11日(火)〜23日(日)店内にて開催いたします。(17日は定休日)

今年も賑やかに、27店舗参加していただきます。

初参加のお店もあります!乞うご期待!!