きらめく野生の一瞬を切り取った、安藤誠写真展「Ordinary Miracle」本日より開幕です。

このブログでも何度も紹介していますが、安藤さんは北海道在住のネイチャーガイドで、カメラマン。レティシア書房では、毎年秋に一日だけ、講演会をしてもらっています。安藤さんのお話は、自然に対する畏敬と親愛があふれていて、講演を聴いたお客様の中から何人かは、必ずと言っていいほど北海道へ旅立たれます。

彼の写真「Kimn Kamui」(左)を初めて観た時、この熊の目線の物悲しさに心打たれました。

害獣として「俺たちは、何故殺されなければならないのか」 そんな台詞が聞こえてきそうでした。その後、何度か、この作品に接しているうちに、いやそれだけじゃないと思えるようになりました。今、この視線が伝えてくるのは、すべてを包み込む優しさです。あらゆる感情の爆発をす〜っと回避させるようなとでも言えばいいのでしょうか。いつも、そばにいて見守ってくれるような存在に思えます。

同じように、「Fox Dream」というキタキツネの眼差しを捉えた作品にも、やはり同じような優しさを感じることができます。この作品は、北海道の病院の待合室に飾られているそうです。患者を励まし、癒す効果があるのかもしれません。

一方、サクラマスの遡上の一瞬を捉えた「Never Give Up」は、生きる力すべてを振り絞って川を上がる姿が見事に表現されています。安藤さんはこう書いています。

「写真には、凛とした彼等の清楚な美しさ。己の使命を果たすべく遡上を続ける果敢さ。そんなエネルギーを切り取り、封じ込めたいと思った。」

タイトルに相応しい作品です。そんな力強い作品の一方で、素敵な夢を見ているに違いない子狐の横顔を捉えた「Dreaming Fox」や、新緑の北の大地で、あくびするエゾフクロウの微笑ましい姿を捉えた「Treasure Smile」など、フフフと笑えてきそうなユーモラスな作品や、幻想的な風景の中に佇むタンチョウを捉えた「Soft Silence」「Blue Crane River」などシンと冷えた情景の中の美しさを見つめた作品もあります。

お時間があれば、素敵な北国の仲間に会いに来て下さい。

「安藤誠写真展」は15日まで 

 CD付きミニ写真集も販売中です。

 

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