もう、一年ぐらい前になるのでしょうか。若い男性のお客様から「ヨレヨレ」ありますか?とのお問い合せがありました。なんだ「ヨレヨレ」って??

九州にある「宅老所よりあい」が出している雑誌であることが判明。早速取り寄せました。

宅老所が出しているだけあって、老人との日々のお付き合いが細々書かれていました。正直こんなん、売れんの?という私の杞憂に反して、どんどん売れていきます。それも、若い人からお年寄りまで関係なくにです。

老いるということを、こんな風に書けるのは、実際、日々老人とのドタバタに接しているからなのでしょうね。1号の表紙が宮崎駿、2号が忌野清志郎、3号がアホの坂田の衝撃的なイラストだったこともあり、手に取ったお客様が買われていきます。

その「ヨレヨレ」を作っている鹿子裕文さんが、単行本を出版されました。題して「へろへろ」(ナナロク社1620円)。

「ぶっとばせ貧老!未来はそんなに暗くない」

と帯に書かれたこの本は、お金もコネもない人達が、あーだ、こーだと試行錯誤しなから、居場所を手に入れて、お金を集めて特別養護老人ホームを立ち上げるまでを追っかけた痛快無比の記録です。介護や、老人問題をテーマにした本ではありません。無謀で、無計画でもやります!という新しいことを始める時のほとばしる無茶なエネルギーを描いた本と思ってください。

このホームは「僕たちは<老人ホームに入らないで済むための老人ホーム>を作る」という無茶苦茶な発想からスタートします。その発想を現実のものとして定着してゆく日々のドタバタは、これから新しいことを展開する人には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

第一章「へろへろ発動編」に「よりあい」の基本姿勢が書かれています

「一人の困ったお年寄りから始る。一人の困ったお年寄りから始る」

制度があるからでもなく、施設を作りたいからでもなく、夢を実現したいからでもない。

「目の前になんとかしないとどうにもならない人がいるからやるのだ。その必要に迫られたからやるのだ。それは理念ではない。行動のあり方だ。頭で考えるより前にとにかく身体を動かす。要するに『つべこべ言わずにちゃちゃっとやる!』のだ」

いやぁ〜「ちゃちゃっとやる!」という明太子パワーには感服しますね。

ちなみに、著者の鹿子さんは、元々はロック雑誌「ロッキンオン」の編集者。老人問題や福祉とは無縁の人です。だからこそ、「ヨレヨレ」も「ヘロヘロ」も新鮮で面白いのかもしれません。

ついに「ヨレヨレ」の第四号も発売されました。今日もお客様から「ヨレヨレ4号ありますか?」ときかれたところです。スミマセン。もう少しお待ちください!近日入荷します!!