猫の写真がいっぱいのミニプレス”MILL”1号と2号(各1296円)が入ってきました。とは言っても「うちの子、可愛い〜」みたいな作りではありません。海外で猫と暮らす人達のご家庭で、静かな日常の一瞬を捉えていきます。

先ずは、保護施設にレスキューされたチョコレート・ポイント・シャム猫のアルフィー君、作家と写真家のカップルのリビングで幸せな日々を送っています。猫が案内する、主人の自宅拝見という感じでページを捲ってみて下さい。本好きには気になるのが書架、インテリアに興味がある人には、壁に掛けられたアートも素敵です。2号では、NYアッパーイーストにある本屋のLogos Bookstoreの看板猫、タキシードキャットのブーブーが、来店するお客様を迎える写真も入っています。猫の持つ、人を和ませるウェイブ満載です。

猫の登場する本のコーナーも面白い。登場する猫の種類、名前、性別まで記載されています。私の好きな松屋仁之「優雅なのかどうか、わからない」に登場するキジトラのふみちゃんが載っていましたが、的確な解説で、この小説の良さを紹介しています。

「48歳で離婚し一人暮らしをすることになった主人公が新居に選んだのは井の頭公園に面した古い一軒家。大家からの条件の一つは、のら猫のふみの世話をすること。老猫と適度な距離を取りつつ、家も改装しながらようやく慣れてきた頃、昔の恋人に再び出会う。家の暖かさや人が集う安心感、そういったものに背をむけつつも、最後にこっそりと戻ってきて地下室でひっそりなくなっているふみの姿が、主人公の人生と淡く重なる。」

家と猫というテーマでは、保坂和志の「カンバセイション・ピース」(新潮文庫400円)という優れた作品もあります。

ベタベタの猫可愛がりの本ではなく、ちょいクールで、デザイン的にもスタイリッシュな仕上がりなのがオススメポイントです。

かつて我が家にいた猫の名前「レティシア」を店名にしている本屋としては、これは置かなければならんでしょう。

 

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