大島尚子さんは、実家の屋根裏部屋の天窓に、月がちょうど入るのを楽しみに夜空を眺めていたと言います。

そのせいでしょうか、いつか見た空、月、木々、海、などの記憶の積み重ねが、ある日ふと顔を出して来る、そんな瞬間を小さな画面に焼き付けたような絵の数々です。

ここ数年、毎年精力的に個展やグループ展をされている大島さんの作品展が、初めてレティシア書房開催となりました。ペンで描いた硬質なフォルムに透明水彩絵具の、詩的で繊細な作品が、本屋の壁にフワリと浮かんだように並んでいます。

子どもの頃のボートに揺られていた感覚、大好きな猫のいる風景、生きてきた年月の分きっと知らず知らず重なったものを、物語にして今の自分が紡いでいく……..。小さな作品に動いている人が描かれているのも面白い。時間がピタッと止まっているのではなく、ずーっと続いてきた夢のできごとのような感じがします。

今回は、アクリルで描いたほっこり暖かなミニ額、ポストカードに加えて、団扇などもたくさん販売しています。中でも、ちいさな木のブロックの表面をカッターナイフで削った切り絵のようなオブジェ(写真左)は、何個か組み合わせたら、ストーリーが生まれるようでちょっと気にいっています。

新緑の美しい季節、それにしても随分暑くなってきましたが、ちょっとステキな絵本のような作品展にお越しいただければ、と思います。(女房)

大島尚子作品展  5月23日(火)〜6月4日(日) 月曜定休日 最終日は18時まで。

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