今年、正月一番に観た映画は、「猫が教えてくれたこと」(トルコ映画/京都シネマにて上映中)です。昨今の猫ブームのせいなのでしょうか、なんと満員で、立ち見の盛況ぶり。しかし、この映画、可愛らしい猫が登場するだけの映画ではありません。

トルコの古都イスタンブール。ここに住む猫たちは、街の中で日々の食料や安心な寝床を得ることできています。そして、心に傷を負った人にとっては生きがいとなったり、お店の人と適当に距離を取って仲良く付き合ったりと、様々なスタイルで生きています。

地面スレスレのカメラが、猫の目線で古都の姿を捉えていきます。7匹の猫と、それぞれに関わっている男たち、女たちのインタビューを交えながら、日常を追いかけます。猫と暮らす彼らは、そんなに裕福な生活を送ってはいませんが、どこにも暗さがないのです。いや、現実には大変なことが続出し、それぞれに苦しいのかもしれません。しかし、猫と共にいる時間だけは、穏やかに流れています。なんか日々の暮らしの小さな幸せを見つけ方が上手なのです。

猫でも犬でも、動物と暮す最大のメリットは何かと言えば、欲がなくなることではないでしょうか。おいしいものを食べたいとか、気持ちよく過ごしたいとかの欲求はありますが、分不相応な贅沢への欲は少なくなると思います。まぁ、一緒に生きてりゃ、いいかみたいになってくるのですね。もちろん、すべての飼い主がそうとは言えませんし、とんでもないお金をつぎ込んで、ペットを飾り立てている方もおられますが。

ところで、この映画に登場する人達は、ペットととして家の中に囲い込むことなく、共に、この街に生きる仲間として猫と暮らしています。「日々是好日」あるがままに、身の丈にあった日々を生きていければ、それは素晴らしいものだ、とこの街の猫たちは教えているのかもしれません。

 

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