東本願寺の近くに、仏教系書籍を主に発行する出版社「法藏館」があります。歴史は古く、慶長2年(1602年)創業の仏教書肆・丁子屋の流れを汲み、浄土真宗の仏教書を中心に、多くの仏教書全般を出版して今日に至っています。出版部門の横に書店を併設して、仏教書をメインにした書店も経営しています。東本願寺の向いにあるので、門徒さんが多いとの事でした。

一見、うちとは全く関係のなさそうな出版社なのですが、ミニプレスを買いに来られた営業の方とお話をしているうちに、当店ギャラリースペースを使って、面白い企画展が出来るかもしれないということになりました。同社が保管している、江戸時代の版木がたくさんあるとお聞きしたからです。

版木は、木版とも呼ばれていますが、印刷のために文字や絵画を(反対向きに)刻した板の事です。木版印刷や木版画制作に用いられてきました。仏教を国の宗教と定めた高麗では10~13世紀に木版印刷による経典の印刷が盛んに行われたそうです。その技術は日本にも伝わり、仏教教典、様々の学術書が、木版印刷の技術で印刷されて、多くの人々が読むことができるようになりました。江戸時代の浮世絵も、この技術なくしてはあれ程盛り上がることはありませんでした。

多くの読者に膨大な情報を伝えるという、出版の原点にあたるのが木版印刷だったのです。電子書籍やブログ、フェイスブック等新しいコミュニケーションツールが盛んな今こそ、その原点とも言える版木を知ることも良いのではないかと思い、法藏館本社にお伺いしました。実は、私が通っていた小学校はここのすぐ側にありました。お忙しいところ、西村社長と戸城編集長にお会いできて、打合せの後、同社の版木が保管されている蔵を見せてもらうことができました。蔵には多くの版木が眠っています(写真右上)。

私たちが日頃接している書物の、一番最初の形を知る事ができる展示にできればと思っています。2020年1月最初の展示になる予定です。ご期待下さい!

こんな可愛い象さんの版木(写真左)も見つけました。

 

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