絵本作家の酒井駒子が陶芸家ルート・ブリュックのことをこう書いています。

「様々なピースの集合が一体になって、ひとつの世界になっている作品に惹かれました。陶板のひとつひとつが美しく、完結した世界を持っていて、いつまでも見ていたいような気持ちになります。そしてそれらが集合して『音』になって、心の奥の方へ響いてくるような気がしました。」

ルート・ブリュックは、1916年ストックホルムに生まれました。36年、美術工芸中央学校に入り、グラフィックアートを専攻。特に版画の制作に力を注ぎ、卒業後はデザインの世界で活躍していました。彼女の繊細な作風を、アラビア製陶所のアート・ディレクターのクルト・エクホルムが気に入り、42年、美術部門に所属し陶芸の世界に入り込んでいきます。小さな陶板から、大きな壁画まで多種多様な作品を生み出しました。

そんなルート・ブリュックを紹介する「はじめまして、ルート・ブリュック」(ブルーシープ/新刊2160円)を入荷しました。上記の酒井駒子の文章は、この本からの引用です。彼女が好きな、馬に乗った少年の透明感、或は母鳥が雛鳥に話しかけている作品が持っている愛情深さなど、初めて見る美しさに溢れています。

同書で志村ふくみは、

「北欧に流れている神話性を感じる。女性の情緒的なものを超えて、普遍的な世界に心が惹きつけられる。タイルの色は鉱物の持つ絶対的な存在の高さ。その色は、たぐいまれな品格を現している」と称賛しています。

私のお気に入りは、1950年の作品「蝶の研究者」。青い帽子を被り、ブルーのジャケットを着た研究者が、左手に持った蝶を、右手に持ったルーペで調べようとしている作品です。彼が、蝶と語りっている様子が印象的です。

来年「ルート・ブリュック展」が、全国を巡回することが決まりました。関西では兵庫県伊丹市立美術館で9月上旬から開催されます。実物の青と緑のコントラストをぜひ見なければ!と思っているところです。

 

★年内は12月30日(日)まで営業いたします。

 年始は1月8日(火)より通常営業いたします。

★イベントのお知らせ「宮沢賢治 愛のうた 百年の謎解き」

2019年1月18日(金)19時より、「新叛宮沢賢治 愛のうた」を出された澤口たまみさんとベーシスト石澤由男さんをお迎えしてトーク&ライブを行います。ご予約受付中(1500円)


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