7月3日(水)より、「ことばの生まれる景色」原画展が始まります。この本は、以前ブログでも紹介しましたが、東京の書店「title」店主、辻山良雄さんが書かれた本です。店主が選んだ作家作品世界をnakabanさんが、描いています。

nakabanさんは、1974年広島生まれの画家。絵本だけでなく、本の装丁、アニメーション制作など幅広い活動をされています。最近の装丁では、山尾省三の二冊「五月の風 山尾省三の詩とことば」(野草社2484円)、「火を焚きなさい」(野草社1944円)が、印象的でした。

絵本も素敵で、今回ご紹介するのは、「ぼくとたいようのふね」(BL出版/古書1100円)と「よるのむこう」(白泉社/新刊1728円)です。「旅する」ことをテーマにしているnakabanさんらしい作品です。

「ぼくとたいようのふね」は、少年が夜中、小さな船を持って川に行くところから物語は始まります。「みずにうつった つきのうえにふねをうかべた」少年は、「いってらっしゃい ちいさな ぼく」と言いながら船を送り出します。少年の分身が乗っているかのように、船は川を滑りだします。波を越え、未知の世界へと向かいます。朝を迎えると、小さかった船は、不思議なことに大きな客船となって、さらに航海を続けます。爽やかな風が吹き込んでくるような空と海の絵がいっぱいに広がります。

「よるのむこう」は、帯に「静かな夜、旅に出るような気持ちで、そっとめくってください。ページという車窓を、宝石のように深く美しいシーンが流れてゆく大切な時間に開きたい、大切な人に贈りたい絵本です」と書かれている通り、幻想的な絵本です。「てがとどきそうな あお まよなか れっしゃにゆられ あおいゆめをみていた まどのそとに ひかりが ひとつぶ ふたつぶ」と詩的な言葉が、旅へと連れ出してくれます。「銀河鉄道の夜」のような不思議な世界の入口。深い緑と、濃い青色が支配する絵の中に溶け込んで、次元を超えた旅に誘われます。

nakabanさんの「青色」は、引き込まれるような魅惑的な夜の深い色合いと、夜明けの海や緑の大地に爽快な風が吹き抜けいくような透明な色合いが、どちらも本当に素晴らしいです。

原画展までには、あと数冊入荷予定しています。お楽しみに!

 

●なお、7月1日(月)〜15日(土)誠光社で「nakabanの旅するブックシェルフ誠光社篇〜もうひとつの『ことばの生まれる景色』〜」が開催されます。nakabanさんの世界をお楽しみください。

 

♫トーク&ライブのお知らせ  

7月13日(土)18時30分より 『澤口たまみ(語り)石澤由男(ベース)ライブ』

今年1月、当店で行われた「宮沢賢治愛のうた」(澤口たまみ著)出版記念イベントのお二人のトーク&ライブが再決定。澤口たまみがさんが岩手のイントネーションで賢治作品を朗読。ベーシスト石澤由男が伴奏を添えます。     朗読作品は、岩手の自然を見つめ、野原や林からおはなしを貰ってきたという「鹿おどりのはじまり」他を予定。

●18時受付開始  18時30分より (2000円)ご予約ください。

                     075−212−1772(レティシア書房)