昨晩、ベランダから中秋の名月を観ながら、お酒を飲んでいました。ゆったりとした気分が流れる時間でした。そんな気分置いて、ご紹介する本は、おぞましい3冊です。(嫌味ではありません)

H.R.ギーガー、あぁ〜、あの化け物をデザインしたアーティストかと思い出された方、そうです。映画「エイリアン」に登場する凶暴異星人を創り出した人物です。おぞましく、悪寒の走る凶悪な怪物と、彼らの住む湿気ムンムンの惑星を造形し、観客を恐怖のどん底に落としました。その後、映画はシリーズ化され、私も映画館で観て、DVD まで買った”愛すべき"シリーズです。

そのギーガーの作品を集めた画集を3点入荷しました。先ずは「ギーガーズエイリアン」(トレヴィル/古書4000円)です。これはタイトル通り、映画のために彼が創造したキャラクター、舞台背景を集めたものです。エイリアンが生まれる卵や、人間の顔に取り付いたエイリアンの子供など、目を背けたくなる造形物で一杯です。この映画でギーガーは、一躍世間に知られるようになり、国内で個展も開催されました。確か西武大津店の美術館に出かけた記憶があります。

ギーガーは長いキャリアを持っているシュールレアリズムの画家です。そんな彼の歴史を振り返ったのが「バイオメカニクス」(トレヴィル/古書4000円)。1964年、チューリッヒの美術学校に通っていた頃の作品から本書はスタートします。グロテスクさと、悪魔的幻想さを兼ねあわせた作風は若い時から突出しています。狂気と正気の境目まで行ってしまったかのような、凶暴な線が乱舞するスケッチなど、この作家を理解する上で重要な作品も多数収録されています。

そして3冊目「ネクロノミコン」(トレヴィル/古書3000円)。タイトルの「ネクロノミコン」とは怪奇作家ラヴクラフトの一連の作品に登場する架空の書物です。ラヴクラフトが創造したクトウルフシ神話の中で重要なアイテムとして登場し、クトゥルフ神話を書き継いだ他の作家たちも自作の中に登場させて、この書物の遍歴を追加しています。ギーガーは1977年に本作品集を発行し、収録作の一つ「ネクロノームIV」に描かれた異形の怪物が「エイリアン」の原型になっています。

グロテスクな作品のオンパレードですが、魅力的でもあります。人間の憎悪、狂気、妄想の極地に到達したからこその、無機質な美が確実にここにはあります。今でも、熱心なファンが多いギーガーですが、未見の方は、怖いもの見たさでページを開いてみてはいかがでしょう。なお、「ギーガーズエイリアン」以外の2冊は縦43cm横30cmの大型美術本なので、迫力十分です。

今晩の月には、ウサギではなくエイリアンが映っているかも…….。