並んでいるのは女性の顔。何を思うのか、表情からは心を察することはできません。むしろこちらの中身を覗かれているような、不気味な美しさを湛えています。

本日より「中西敦浩作品展」が始まりました。中西さんは、2015年、2017年と石粉粘土で製作した人形で、モノクロの妖しい世界を見せてくださいました。今回は、初めて絵に取り組まれたのですが、パステルを筆でぼかして描かれてた繊細な女性たちが並んでいます。輪郭線を残すのが嫌で、下絵もなしでいきなり描かれたとか。そのせいか心の赴くまま一気に描いた女性たちは、ふわりと異世界から出てきて、白い画面に音もなくいつの間にか存在していたようです。

2017年に作られた石粉粘土の人形たちは、うめき、嘆き、身をよじる表情を見せながら、体は虚ろでこの世のものではありませんでした。2015年の作品も生と死の間で想いを秘めているかのようで、いずれもとても魅力的でした。パステル画は色を使われているのですが、手を伸ばしても触れることのできない妖しさを感じます。いくつかの作品にある緑色の植物の葉が、彼女の鼓動を静かに刻んでいるかのようです。

膨大な読書量で本に対する造詣が深い作家の奥に、もしかしたら作家自身も気づかないうちに作家の中にずっと棲んでいて、いつの日かこうして姿を現す日を待っていたのかもしれません。そんな彼女たちをぜひご覧くださいませ。(女房)

中西敦浩作品展は、10月29日(火)〜11月10日(日) 12:00〜20:00なお、11月4日(月)は定休日です。