昨年夏に大阪の書店「本は人生のおやつです」の坂上さんから、「本のヌード展」への参加のお誘いがありました。ちょっと刺激的なタイトルですが、これは、本のカバーを取ったり箱をひっくり返したりすると、違う装幀や、作り手の工夫があったりする本を集めた企画でした。この企画がさらに大きくなり、多くの本が集まった展示会が、26日まで奈良県立図書情報館にて「本のヌード展」として開催されています。この展示会の内容を伝える「本のヌード集」(550円)を入荷しました。

まず、京都在住の装幀家矢萩多聞さんが装幀を担当し、2006年に春風社から出た「小出楢重と谷崎潤一郎小説『蓼喰ふ虫』の真相」が登場します。う〜む、なんとも色っぽい仕掛けです。これは、本書をじっくり見てください。

ページをめくると、書店員、作家、ライター、編集者など多くの人が、これぞ!という本を出しています、もちろん全て、カラー写真で収録されていて、出品者のコメントも読むことができます。大正十五年にアルスから出たポール・ゴオガン著「ノアノア」は恩地孝四郎の装丁で、出品者の「マヤルカ書房」さんは、「一つの美術品のような佇まいは、美術専門書の版元ならではないでしょうか。そして、味わい深い表紙はもちろん、カバーをそっとめくってあらわれる本体の箔押しにはっとしました。」とその美しさを書いています。

入荷した時には私も驚いた本を、「人生のおやつです」の坂上店長が選んでいました。サウダージブックス発行、西川勝著「『一人』のうらに、尾崎放哉の島へ」 (2200円)です。自由律俳句の俳人、尾崎放哉が晩年を過ごした小豆島が浮かぶ瀬戸内海の海原がカバーになっています。坂上店長は、タイトルの「うら」という言葉に注目しました。ここには「裏」という意味も入っているのかもしれないと気になり出し、「読んでいる途中でカバーをめくってみたら、そこにはなんと、生命力を感じさせるような、満開の花が…….!カバーの青と表紙の赤。『一人』に潜む『もう一人の自分』から繋がる『他との関わり』。これ以上なく内容を現した装丁だと思います。」とその素晴らしさについて書かれています。

当店は、田辺聖子監修の「ひまわり」復刻版(国書刊行会)を出しました。「ひまわり」全8冊+別冊1冊を豪華な箱に入れたものです。展示会終了後に本が戻ってきたら、店内に出しますのでじっくりご覧ください。

本の魅力を視点を変えて語った一冊です。この本を手にとって興味を持たれた方は、26日まで開催されていますので奈良へ出かけみてください。

 

レティシア書房は、年内28日(土)まで通常通り営業いたします。新年は1月7日(火)から営業いたします。

よろしくお願いいたします。