牧舎の前で、それぞれ牛を連れた男3人を描いた絵に惹かれて仕入れたCD。
アーテイストはハリー・マンクス/Harry Manx。タイトルは”Faith Lift”(US盤1700円)。アメリカの大地を吹き抜ける風が感じられるような音楽だろうと予想して、スタートボタンを押すと……。
えっ、えっ、なんだこの男??
いや、想像以上に心の中に染み込んでくるのです。生い立ちを調べてみると、これまた驚きでした。英国のマン島で生まれ、カナダに移住して育ち、70年代後半にヨーロッパに戻り、膝の上にギターを横にしてギターを弾くスタイルのシンガー&ソングライターとして活動を始めます。その後、日本に移って10年以上暮らし、インドの音楽家 ヴィシュワ・モハン・バットの演奏を聞いて、インドに渡って彼に師事し、5年間在住。インド楽器を習得し、2000年にカナダに戻り、ソルトスプリング島を拠点に活動を開始、という世界を渡り歩いて自分の音楽を作ってきた人です。CDジャケの内側の写真を見ると、50代のおっちゃんです。この手のシンガーにしては、CDがまた変化球的編成で、バイオリン、チェロ、ビオラというクラシック音楽風アンサンブルです。
彼のボーカルは、最初の印象通り「アメリカの大地を吹き抜ける風を感じさせる音楽」。
コマーシャル的なことに背を向けて、ひたすら自分の音楽を追求しています。色々な音楽を聴いていると、たまに風が吹いている気分にさせてくれるアルバムに出会うのですが、これもまたそんな一枚です。ガーシュインの名曲「サマータイム」。こんなアレンジもあるんだと感激です。
インドの弦楽器MohanVeenaも彼が弾いていて、時たまオリエンタルな世界が広がるのも面白いところです。彼のデヴューアルバム”Dog my Cat”(US盤2400円)も入荷しました。こちらはアメリカのルーツ音楽の味わい十分な一枚です。旅先で聴いたら、気分最高ですね。
さて、もう一人ご紹介します。こちらは女性のブルース系シンガーです。名前はダニーワイルド/Dani Wilde。1985年、英国生まれ。父の影響を受けて、幼い頃からシカゴ・ブルースや60年代のモータウンなどのソウル系レコードを聴いて育ち、地元で聞いたブルースフェスに魅了されて、シンガーへの道を歩み出します。今回入荷したのは”Live at Brighton Road”(US盤1900円)でCDとDVD(スタジオライブ)の二枚組です。
個人的に、アメリカの姉御肌のソウル&ブルース系シンガーが大好きで、このジャケを見た途端、姉御!と言いたくなりました。(でもまだ30代前半です)。ゴスペルフィーリング溢れるフォーク的な曲と、ブルースロックな飛ばしまくる曲で構成されたスタジオライブ盤です。こういう女性達ってみんなカッコいいいですね。ホッとさせてくれたり、元気出さんかい!と気合いを入れてくれます。
★連休のお知らせ 1/20(月) 1/21(火)連休いたします
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★2/5(水)〜2/16(日) 恒例となりました女性店主による『冬の古本市』を開催します。今年も神戸・大阪・岐阜・東京・御殿場・京都などの女性店主の選書です。ぜひお立ち寄りください。