昨年「付箋だらけになってしまった」というタイトルで、ブログに載せた「彼岸の図書館」(夕書房/2200円)は、本当に心に残る本でした。本が好きな人や、住むこと・働くこと・食べることなどこれからの生き方に関心のある方々にお薦めしているうち、当店ではロングセラーになっています。

帯に、内田樹が「『ひとり出版社』が出した『ふたり図書館』の話です。書物は商品ではなく、人が生きるための糧であるという古くて新しい知見が語られています。」と、ズバリ言い当てた文章を書いています。

この本の著者でもあり、ルチャ・リブロ図書館を運営する青木真兵さんが、京都に用事があったとかで、先日ひょっこり来店されました。色々とお話をしているうち、この図書館に来られた方が、そこで読んだ本のレビューを出しておられることを知りました。それがが「りぶろ・れびゅう」(825円)です。

「この冊子は、ルチャ・リブロにある本と、ルチャ・リブロにゆかりのある方々を同時に紹介ししてしまおう!という趣旨で編まれています。ルチャ・ルブロには『人文系』以外の本もありますし、さまざまな理由、ご縁、直感に惹かれてご来館くださっています。ぜひ、この冊子をきっかけにルチャ・リブロを知っていただければうれしいですし、なによりルチャ・リブロとみなさんという『一対一』だったこれまでの関係が、本冊子を通じて『予期せぬ方に』ずんずん散らばっていって欲しい。」と、発行の趣旨を青木さんが書かれています。

確かに、様々なジャンルの本が登場します。中井久夫「世に棲む患者」、山崎雅弘「歴史戦と思想戦」といういかにも人文系があるかと思えば、富士正晴や久坂葉子といった文学系もあるし、当店でも販売している「アウト・オブ・民藝」(誠光社)も論じられています。意外だったのが、コミックも何点かそのレビュー対象になっています。私も愛読している、ますむらひろしの「ヨネザアド幻想」が載っていました。書かれた菅原健一さんは、「隠れ家のようなこの図書館で、また新しい世界(ほん)との出会いもあるだろう。」と期待を抱かれ、そこで見つけたのが「ヨネザアド幻想」でした。

ご承知のように、この本に登場するのは、人間の言葉を語るヒデヨシという名の大猫です。ロクでもない奴なんですが、なぜか邪険にされない不思議な猫です。菅原さんは、予備知識なしに読み始めその圧倒的な開放感に驚かされます。全文をご紹介することは出来ないのが残念ですが、ぜひお読みください。本の世界が広がっていきますよ。

「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」は、奈良県東吉野村にあります。ぜひ訪ねたい場所です。