京都に本社を置くローム(株)は、平成元年に創立30周年及び東京証券取引所一部上場を記念して、「ローム君の京都博物日記」(非売品)を発行しました。もともと「ローム君の京都博物日記」は、「京都を科学する」をテーマにして、長期間にわたり新聞に広告として掲載されてきたものです。

一冊の本としてまとめ直し、テーマごとにさらに詳しい解説を付け加え、それぞれの専門家に監修を依頼しました。「京都府の動物のはなし」、「京都府の植物のはなし」、「京都府の大地のはなし」、「京都府の産物のはなし」、「京都府の技術のはなし」、「京都府の歴史のはなし」に分かれています。各章の終わりには専門家がそれぞれの章にふさわしいエッセイを載せています。全体の監修は、今西錦司が行いました。

「日本新聞協会賞広告企画部門」優秀賞を獲得しただけあって、レイアウト、イラスト、中高生に理解しやすい文章など、見事な出来上がりになっています。「生きている化石ムカシトンボ」の項目では、そのトンボのイラストと貴船の渓流の様子がイラストで描かれています。「地下から見つかったまぼろしの『船岡連山』」では、地下鉄工事中に発見された幻の山について語られています。本当に知らないことが多いです。

大晦日の除夜の鐘ですが、妙心寺の鐘の振動数が一秒間に129回、即ち129ヘルツで余韻が長く、美しい音色だということ、皆さんご存知ですか。この寺の鐘は、唐時代の古律「黄鐘調」に似ていると言われる程、名調子だそうです。

「『徒然草』にも『鐘の音は黄鐘の調べなるべし、それ無常の調子』と書かれており、人々に無常を感じさせる良い音とされているらしい」と『広告』の中に解説が入っています。

「強い京弓 秘密は京の底冷え」

これも面白いです。と、こんな広告が次から次へと登場。さすが、地元の本!です。

企業が出した本らしくロームの佐藤研一郎社長の挨拶文が入っています。販売価格は950円です。