山尾三省、1938年東京生まれの詩人。60年代の後半に社会変革を志すコミューン活動「部族」を開始。73年には家族と、インド、ネパールへ1年間の巡礼の旅に出かけます。帰国後、77年に屋久島の廃村に一家で移住し、田畑を耕し、詩の創作を中心とする執筆活動の日々を屋久島で送りました。2001年63歳で亡くなりました。

私が、山尾の作品を最初に読んだのは、琉球大学で五日間に渡って行われた講演を収録した「アニミズムという希望」(新泉社/新刊2750円)でした。そこから、彼の島での暮らしをテーマにした詩集を読んだのです。

今回、1987年に発表された詩集「びろう葉帽子の下で」(新泉社/新刊2860円)新装版発売記念企画として、直筆原稿、アメリカの詩人ゲーリー・スナイダー氏との対談時に写真家高野建三氏が撮影した写真などを展示します。出版社からはかつて発行された珍しい本お借りできました。(こちらは展示のみです)

また詩人の生誕90年記念出版として刊行された詩文集『火を焚きなさい』『五月の風』、そして詩集『新版 びろう葉帽子の下で』の装画を担当した画家nakabanさんの作品原画をしていますので、ぜひご覧ください。(一部販売もしています。)

「びろう葉帽子の下で」の中に「ことばー斎藤正子さんに」という詩があります。その後半をご紹介します。

「あなたはあなたで わたくしはわたくしで もろともに 本当に心から好きなことばを見つけて

そのことばを大切にし そのことばを生きてゆくのが人間であり 人間社会であると わたしは思います。

あなたはどんなことばが好きですか。」

ことばを大切に扱うことが、人間の基本だという詩人の考えが伝わる作品だと思いました。 

 

詩人・山尾三省 展は、8月5日(水)〜16日(日)13:00〜19:00 (10日・11日は定休日)