マイク=セイラー作/ロバートグロスマン絵、翻訳を今江祥智が担当した「ぼちぼちいこか」(偕成社/古書700円)。主人公のカバは関西弁です。原作者が関西弁で書いた可能性はないので、大阪出身の今江が、地元言葉で翻訳したのでしょうが、これがドンピシャ。いろんな職業にトライしてもダメなカバ君。まあちょっと一休みということで、ハンモックで寝てしまいます。「ま、ぼちぼちいこかーと、いうことや」。脱力系絵本と言うか、肩の力が自然と抜けてゆく絵本です。こういう時に出てくる関西弁って強力で魅力的。

 

まつむらまさこ絵と文「うまのおいのり」(至光社/古書

1200円)は、新しい飼い主になった少年へ、馬が送った手紙。馬だけでなく、犬でも、猫でも、およそ命あるものを飼う時にはどう付き合ってゆくか、こうあって欲しい作家の祈りが込められています。

「わたしの いちばんの おねがいは さいごまで あなたの ともだちで いることです」という馬の言葉が胸に染み入ります。パステル画の優しいタッチに癒されます。

 

 

 

谷内六郎を叔父に持つ谷内こうたの作品が二作入りました。一つは、「にちようび」(至光社/古書900円)。「にちようび よく はれた あさです」から始まり、そのあとは温かな色の美しい絵だけで、平和で穏やかな室内を描いています。

敷物の上で眠る猫。そのそばをトコトコ過ぎ行く木製の列車。取り立てて何も用事のないのんびりした日曜日の朝の嬉しさが漂っています。

もう一点は、谷内が翻訳したエリック・バトゥー作「めぐる月日に」(講談社/古書1400円)です。「1月、まっている…….」から、「12月、わたしは、ゆめをみる……」まで、一年を通して、人の暮らしのすぐそばにある自然の中で生きるものたちを優しく見つめた作品です。日本語の上には、オリジナルのフランス語も載っています。

最後にもう一冊、絵本ではありませんが、別冊太陽の「初山滋 線と色彩の詩人」(古書/1100円)もおすすめです。きっと誰もがどこかで目にしたことのある作品をたくさん世に送り出してきた、初山滋の特集です。武井武雄らと日本童画家協会を設立し、童画の普及に務めた第一人者です。彼が装丁した童話本や、小学校の国語の教科書の表紙絵も掲載されていて、貴重な作品の書影を見ることができます。