「ミナ・ペルホネン」を主宰するデザイナー皆川明と谷川俊太郎が組んだ絵本が到着しました。題して「はいくないきもの」(クレヨンハウス/新刊1650円)です。

「あかちゃんに贈るはじめての俳句?はじめてのファンタジー」と表紙に書かれています。これどうやって赤ちゃんに読むの?と思いたくなりますが、いい絵本です。

例えばこんな感じです。

「れたたすて たすたしころろ ふりむいた」

谷川のリズミカルな五・七・五の俳句(?)に皆川の不思議な絵が付いています。同じように

「おいはねほ ねはねへはねほ ふんわりと」

意味を考える前に、これ、音読するとすごく心地よくなってくるのです。皆川の描く不思議な生き物「はいく」は、日本独特の五七五調の言葉から生まれ、日本人の遺伝子に刷り込まれている五七五調の気持ち良さが、谷川の言葉とともにきっと楽しく赤ちゃんに伝わると思います。

それにしても、皆川の絵は面白い。表紙になっているのは、まるで歌舞伎役者の隈取りが顔になっている像のような、サイのような生き物。これに付いている「はいく」は

「んぱぶさな けしきひろびろ あっぺくも」

何回か読んでいると、この生き物から発せられたような感じになり、大きな隈取りの顔をこちらに向けて鳴いているみたいです。

皆川らしい美しい色彩の洗練された蝶々や、花ではなく、謎の珍獣のオンパレードというのも面白い。実験的と言ってもいいような二人のコラボによる絵本です。

皆川明著「生きるはたらくつくる」(つるとはな/新刊1540円)は、魚市場でアルバイトして資金を集めて、たった一人でブランドを立ち上げた彼の人生と仕事を描いた一冊です。2000年10月、雨模様の日にオープンした直営店第一号を、不安定な天候同様のスタートから、今日の「ミナ・ペルホネン」へと大きくしてゆく姿を知ることができます。