奈良県東吉野村で、私設人文系図書館「ルチャ・リブロ」を経営する青木真兵・海青子夫妻の「山學ノオト2」(H.A.B/新刊2200円)を入荷しました。

この本は2020年1月1日から12月末までの日記に書き下ろしエッセイをまとめた物です。その中で、ちらりと当店も登場します。

「2月5日 『SAVVY』三月号の特集『京都さんぽ』内で、日曜書店ふるふる舎さんとレティシア書房さんが『彼岸の図書館』を『今年最初に読んで欲しい本』に挙げてくださった。うれし。」

「彼岸の図書館」は二人の初の共著で、関東から移住して奈良の山奥の村に自宅を構え、そこを図書館として開放するに至った軌跡と彼らの思いを綴った本でした。コロナ感染拡大の前に出されましたが、コロナ禍で急変する仕事への取組みや生き方を模索するに相応しい一冊です。

その後「山學ノオト」を出版、そして今回2号が発行されたのです。

「10月11日 今日は京都へ。誠光社さん、レティシア書房さんへ。レティシア書房さんでは大いに『彼岸の図書館』『山學ノオト』をプッシュいただいていた。福井さとこさんの個展も見ることができた」

日記に書かれている通り、青木さんの本は新刊も含めて平台に積んでいます。多くの人に読んでもらいたいからです。

(ちなみに、この日記に書かれた福井さとこさんの新作絵本の原画展がまた来週10月6日から始まります。)

真兵さんは2020年1月1日の日記にこう書いています。「他者からの社会的な評価ではなく、『自分が一番自由に感じられる瞬間』をいかに持てるか。『これから』を生き続けるためには、ここにこだわろう」

彼の多様な活動の原点はここにあります。方々で講義をしたり、トークショーを重ねたり、本を紹介したりしながら、これから求められる生き方を模索しています。

「5/17日 『定職を持つ人間といつまでもフラフラしている人間という、二項対立で語られてきた戦後社会。どちらかを選ばざるを得ないのではなく、どちらも自己の中に持てる社会が生きやすいのではないか。二つの世界を『行ったり来たり』するという意味で、字義通りの『渡世人』が求められている。」

で、渡世人の理想の姿が、彼にとってはフーテンの寅さんなのです。今年2月に当店で開催した「ルチャ・リブロ展」の際、夕飯を食べながら寅さん談義をしたのを思い出します。

お二人が、ルチャ・リブロが、どんな展開を見せてゆくのか、見守っていたいと思います。