例年より早い梅雨明け。歩いていると日射しが体に痛いような猛暑です。ギャラリーは、蒸し暑さを和らげるような爽やかなデッサンが並びました。

1980年、大阪・神戸に続き京都でも朝日カルチャーセンターの講座が開かれました。歴史・文学・美術・書道・手芸など多種多様な講座に通って、趣味を深めた人たちは多かったと思います。そんな講座の一つが、齋藤博(当時関西行動美術)デッサン教室でした。土曜日の夕方の開講とあって、学生や仕事帰りの人が多かったようです。

「土筆会」というのは、そのデッサン教室有志が、1985年〜2014年にかけて30回、毎年夏に教室で描いたデッサンの展覧会を開いたときのグループ名です。多い時には40人以上の受講生がモデルを囲み、約2時間のデッサンを楽しんでいました。今春、このデッサン教室を含め、河原町三条の朝日会館での講座は終了しました。

2022年3月の終了時、たくさんいたデッサン教室の受講生は5人でした。「土筆会」もメンバーが徐々に減ってきて8年前から開催していませんでしたが、教室が終わると聞いた時に、最後の5人でもう一度だけ「土筆会」をしようということになりました。

2時間ただひたすらモデルや静物に向かい、絵を描くことは5人にとってとても貴重な豊かな時間であったに違いありません。プロのデザイナーもいれば、中学校以来大人になるまで絵を描くことと無縁の人もいましたが、それぞれの思うまま素直に描くことは想像以上に楽しかったようです。生き生きとしたデッサンにその気持ちがあふれていています。

なお、5人はこれを機に、また集まって一緒に絵を描こうという話になりました。区切りをつけたことが、新たな出発になるなんて素敵なことですよね。(女房)

『最後の土筆会』デッサン展は、6月29日(水)〜7月10日(日) 月・火定休日

13:00〜19:00(最終日は18:00まで)