これ、何の写真かわかります?映画「グレートレース」の演出で監督ブレイク・エドワーズが主演女優ナタリーウッドにパイを投げた瞬間です。左後方には、やはりパイを投げられた主演男優ジャック・レモンの顔も見えます。こんなハリウッド黄金時代のバックステージの写真ばかりを集めた写真集「ハリウッド・スペシャル」(宝島社1800円)の一場面です。女優も楽じゃないですね。

こちらは、「上流社会」撮影中に、客演のルイ・アームストロングが軽〜くペットを吹いたのを、おおいいねぇ、と見守るビング・クロスビーとグレース・ケリーを捉えたリラックスムード一杯の現場写真です。

という具合に、映画王国だったハリウッドの面白さ満載の一冊です。映画なんて知らなくても、役者のいろんな表情が見事にファインダーに捉えられていて、どれも人間臭く楽しめます。ツルツル頭がトレードマークのユル・ブリンナーが、黒髪ふさふさだった写真なんて、レアーですね。しかもその写真の横にあるキャプションが「失敗作『大海賊』出演中」というのも笑ってしまいます。

楽しいのは名だたる女優、男優が見せるリラックスした表情と、やっぱりトップクラスの役者のセンスは違うねという身のこなしはファッション誌をみているみたいです。「悲しみよこんにちわ」撮影中のこんなジーン・セバークのショットみたいに。

 

写真を撮影したボブ・ウィロビーは、ライフ、ブォーグ等の映画コーナー専門の写真家でした。ハリウッドを中心に100本以上の映画の現場に携わった人間にしか撮れないレポート集です

 

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新しいミニプレスが入荷しました。プレスの名称は「ノマドnomad」(600円)です。AKAY Youth JAPANという若者が立ち上げたNGO団体が、活動の一環として2011年に1月に創刊しました。nomad-漂流者というタイトル通り、混迷する時代を漂流する世代の生き方を模索する内容です。

その第2号の特集は「働きたくない」。卒業を控えた大学生と社会人の「働くことは生き甲斐か?」という座談会は面白いです。サラリーマンとして会社の歯車になって働いている人からみれば、何甘えた事言うとんねん!ぼけ!となりそうですが、まっ、そこは堪えて読んでみてください。案外、真実をついてます。「やりたいことをやれ、というプレッシャー」「生きがいへの問いは無意味」「会社に期待しない」。そして最後に「ムーミン」に登場するスナフキンのように「貧乏してもいいし、何してもいいから、とりあえず生きていたらいいし。それで十分」との発言が締めになっています。先ほどのサラリーマンの方なら、なにを人生甘く考えてるんや!!とお怒りになるかもしれません。でも、「甘くても」いいではありませんか。「考えて」いるんですから。絶望してなにも考えないほうがもっと恐いはずです。

スナフキンもこう言ってます。

「大切なのは、自分のしたいことを自分で知っていることだよ」

第3号の特集は「恋愛を解放せよ」です。「結婚と永遠」というテーマでお二人が語りあわれています。ただし、このお二人は男性です。戸籍上は結婚できませんが、12年間のお付き合いを経て”きちんと”結婚式を上げられました。しかも、指輪交換、ケーキカット、母親への花束贈呈というすごいベタな結婚式をされています。「セックスでときめきは計れない」「好きやから好き」から始める解放と話は進みます。男と男が、女と女が結婚したっていいんじゃないという実に全うなお話です。ちなみに、このお二人は弁護士です。

 

 

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先日、市川団十郎死去のニュースが流れました。勘三郎に続いて歌舞伎の大看板役者が去ってしまいました。何度か、団十郎の舞台を見る事ができたのは幸せな体験でした。

この人の代表演目は、「勧進帳」であることは間違いありません。豪快と言うべき舞台です。舞台の最後で「待ってました」の大向こうからの声のかかる飛六方の一連の所作は、まるで黒澤の時代劇を見ている如き重量級です。義経の安心を確認して、見逃してくれた富樫のいる方向に頭を下げて、そして観客に一礼した後、ぐっと前方を睨みつけます。その後です、この役者の大きさを見るのは。

ずずっ〜と大きく息を吸い込むのですが、その場の空気だけでなく、観客の気まですべて飲み込むぐらいの凄まじさです。まるで、劇場に大きな空気の流れが出来て、すべて団十郎の口に吸い込まれてゆく感じなのです。他の役者の同じ舞台ではこんな事は起こりません。団十郎だけではないでしょうか。あの一瞬、団十郎に吸い込まれたいために、二度も彼の「勧進帳」を見ました。昔から言われていましたが、あんまり口跡の美しい役者ではありません。しかし、この会場全体すべてを飲みほす大きさはこの人だけです。まぁ、こんなに口って広がるのか!目ってむけるのか!! もうあの瞬間に立ち会えないのは寂しい限りです。

ところで、演劇評論家の渡辺保が「勧進帳ー日本人論の現像」(筑摩新書300円)という面白い本を出しています。物語の成立と背景に始まり、九代目団十郎がお家の芸として発展させた話、そして「勧進帳」全十九段の詳細な分析。さらには黒澤明が監督した「勧進帳」をベースにした「虎の尾を踏む男たち」まで論じています。弁慶を「一匹狼の自営業者」、富樫を「官僚」、義経を「落日のサラリーマン」に置き換えてこう書く。

「弁慶、富樫、義経の三人の違ったタイプの男の生き方は、今もかわらぬ日本人の生き方の典型である。半世紀をへだててもその典型の意味はほとんどかわらない。それが日本人の生き方の根本にかかわっているからである。」

歌舞伎「勧進帳」、その原型の能「安宅」なんて知らなくても、十分スリリングですし、読まれてから舞台ご覧いただければ、成る程ねと、お楽しみも増える一冊にはなるはずです。

 

 

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76年4月「本の雑誌」創刊。椎名誠が編集長を務めた丸ごと一冊、本の紹介や書評に徹した雑誌です。椎名はこの雑誌創刊から関わった人達との熱い時代を描いた小説のような、そうでないような著書「本の雑誌血風録」で、70年代の始まりを「つくづくやかましい時代」だと感じ、こう書いている。

「テレビやラジオからひっきりなしに三波春夫の陽気な歌声が流れていた。万博音頭とでもいうべき『世界の国からこんにちわ』である。」

日本の繁栄はこれからだと多くの人達は信じて仕事に邁進していた時代に「本の雑誌社」のような小さな出版社を立ち上げて、どこまで売れるのかわからない本好きの人達のための「本の雑誌」を置いてくれる本屋を探して奔走する日々。この本の帯にはこう書かれている。

「自伝的大河青春小説」

その通りの一冊です。面白いことをやっている連中のところには、やはり、さらにおもしろい連中が出入りする。その過剰な熱気の中で生み出される「本の雑誌」は、他のどんな雑誌にもマネの出来ない面白さに満ちていました。真面目なような、不真面目なような絶妙のバランス感覚で毎月、毎月新鮮な特集が組まれていました。作り手も読み手も、興奮していた時代。まさに「やかましい時代」だったのでしょう。

一方、この時代を自分の青春と照らし合わせた坪内祐三の「1972」は、また違う側面を見せます。それは、日活ロマンポルノが警察に摘発され性をめぐる表現の論争の時代であり、浅間山荘に立てこもった連合赤軍と機動隊が衝突し、成田空港反対闘争も激化した時代でした。しかし、一方札幌冬期オリンピックの70m級ジャンプで1位から3位まで日本が独占し、いわゆる「日の丸飛行隊」に国中が興奮したり、「ぴあ」が創刊されて情報誌全盛の時代のスタートをきり、多くの海外ロックバンドの来日が始まりロックショー化してゆく時代でもあり、TVでは「太陽にほえろ」の放映も開始され大人気となりました。明るい時代なのか、暗澹たる時代の幕開けなのかわからない不安定な時だったのではないでしょうか。

小説として捉えた一冊と、ノンフィクションとして捉えた一冊。アプローチの方法は違えども、ぐんぐん読ませることは間違いありません。70年代に青春を送った方々には、昨日のことみたいに見えてくるかもしれません。

「本の雑誌血風録」(朝日新聞社)は400円、「1972」(文藝春秋)は1000円で販売中です。

 

 

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現在上映中の「007  スカイフォール」見てきました。007シリーズを映画館で見るのは、初代ボンドのショーン・コネリーの「ダイアモンドは永遠に」以来ですから、実に30数年ぶり。東ドイツがなくなり、東欧共産圏そしてロシアが崩壊し、ネットで情報が入手できるこの時代に、ごそごそ動き回って情報を入手するアナログな007なんて活躍する場所などないと思っていました。しかし、こういう手があるんですね。

もう笑ってしまうばかりの奇想天外、ど派手なアクションはオープニングの10分間ぐらい。かつてのシリーズなら、本編とは無関係の小ねたで観客にサービスしていましたが、それもなし。本編に繋がっていきます。あまり表に登場してこない007の上司Mが今回は大きな比重を占めています。演じるは、イギリスを代表する名女優、ジュディ・ディンチ。完成度の高いスパイ小説に登場する非情な上司を演じてくれます。そうでなくっちゃ!と、それだけで安心して見ていられます。長い台詞こそないものの、鋭利な刃物で相手を突き刺すような台詞回しと、クールな表情は、どか〜ん、ぼっか〜んの爆破シーンだけの空疎なハリウッドアクション大作に比べてよっぽど見応えがあります。

 後半、舞台は007の生まれ故郷スコットランドの荒涼たる原野に取り残された彼の生家に場所を移します。冷たい風が吹き付ける荒野で展開されるアクションは、良質のサスペンス小説を読んでいる気分です。また、ごつごつした、極めてストイックなアクションに、当代の007役ダニエル・クレイグはぴったりとハマります。ストイックと言えば、ショーンコネリー時代から、ボンドガールとのお約束の”ねっとりした”ベッドシーンはほとんど排除。ひたすら走る、拳を突き出す、撃つの三拍子です。英国伝統のスパイもの「寒い国から帰ったスパイ」に代表される凍り付くような寒さを感じさせる作品です。

本作を監督したのはサム・メンデス。舞台監督から転身、「アメリカン・ビューティ」「レボリューショナリー・ロード」でアメリカの都市生活者の幻滅を描き出し、一方渋いギャング映画「ロード・トゥー・パーテーション」を演出した、今かなり信頼出来る監督。007も過去の作品に捕われることなく、俺なら007はこうだと直球勝負。いや、お見事でした。

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先日、長岡天神の古本市に行きました。小沼丹とか深沢七郎とかゲットして、さあ帰ろうと思ったら、おっちゃんが中古レコードとCDを売っているブースがありました。CD均一台に、お〜!素敵にいかがわしい匂いのするCDを見つけました。

「セルジオ・ジョージプレゼンツ サルサ・ピーナッツ」(400円)。サルサ・ピーナッツという二人組女性がご存知のヒット曲を歌います。先ずは歌謡番組の先駆的な「ヒットパレード」のテーマ曲に始まる94年ヒットメドレアー。ザ・ピーナッツの「恋のフーガ」から「ウナ・セラ・ディ東京」そして「恋のバカンス」まで6曲を歌います。ザ・ピーナッツと言えば私にとってはまず東宝特撮映画「モスラ」のテーマ曲「モスラの歌」ですが、それも収録されています。「月影のナポリ」はなんと、スペイン語バージョンまで収録の大サーヴィスのCDです。もちろん、全曲サルサ風にアレンジされていて、ちょっと踊れます。(「月影のナポリ」は、シングルカットされて、フジテレビ系番組「さんまのまんま」オープニングテーマとして流されていました。)

CDの宣伝文句に曰く、「モダンにレトロ。想い出のピーナッツメロディーが、憧れのニューヨークサルサと絶妙合体、これぞ究極の無国籍トロピカル・サウンド」発売は1994年です。この当時のキャッチコピーって、こんなんだったんですね。

でも、セルジオ・ジョージって誰?サルサ・ピーナッツって?ジャケットを見る限り、場末のクラブで歌ってましたという感じで、とって付けた企画丸わかりです。しかし、案外こういうCDが楽しい。真面目に聴くようなCDではありませんが、流しておくとお仕事がはかどるかも。レンタルレコードの出現、海外資本の大手ショップの進出、そして音楽のダウンロード化で、今やCD業界は瀕死の状態ですが、こんなCD発売しても、売れていた時代があったのですね。店でのお値段は400円です。

ザ・ピーナッツが歌い出演した「モスラ」の少し前に産声をあげた「ゴジラ」(昭和29年)や、テレビで大人気の冒険活劇ドラマ「月光仮面」(昭和33年)が誕生する時代を樋口尚文が二冊の本にまとめています。「グッドモーニング、ゴジラ」(筑摩書房1500円)と「月光仮面を創った男たち」(平凡社新書350円)です。後者では、月光仮面を演じ、昭和37年から放映開始された「隠密剣士」で、やはりヒーローを演じた大瀬康一氏へのインタビューまで収録されています。

映画「Always三丁目の夕日」で、この時代を知った方にもお薦めの一冊です。

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本屋さん(新刊屋も古本屋も含めて)好みの出版社というのがあります。筑摩書房、晶文社、平凡社、河出書房新社、白水社、早川書房あたりはその代表格ですね。最近気になっている出版社があります。それは幻戯書房です。

幻戯書房(げんきしょぼう)は2002年、歌人で作家の辺見じゅんが設立した出版社です。社名は、辺見の父で角川書店の創業者である角川源義が自宅を、自分の名前の音読み「げんぎ」から「幻戯三房」と呼んでいたことに由来します。文芸書、人文書主体の専門出版社です。

この出版社が気になりだしたのは、小林信彦「四重奏」からでした。へぇ〜こんな本出るんだと感心していたら、今度は上林暁の「ツェッペリン飛行船と黙想」が出版されました。貴重な全集未収録作品125編を、初めて一冊にして刊行されました。と思えば、映画監督の篠田正浩が「路上の義経」という本を出しています。これは、何故この国に「判官びいき」という思考が伝播されていったかを論述したもので、篠田は他にもこの出版社からもう一冊出していました。

さらに渋いところでは後藤明生「この人を見よ」という未完長編まで出ています。先日亡くなられた常盤新平の「明日の友を数えれば」もこの出版社です。私が新刊書店員だったなら、きっと幻戯書房コーナーなんて作って全作品仕入れて悦に入っていることでしょう。ハードカバー文芸書の売りにくい時代に、よく頑張っていると思います。装丁も引っ括めて、極めて質の高い本を出している会社です。レティシア書房は古本屋なので、この出版社の本を探していますが、店頭に揃えられたのは、数冊です。

上林暁の「ツェッペリン飛行船と黙想」(2300円)小林信彦「四重奏」(1200円) 坪内祐三「東京タワーならこう言うぜ」 荒川洋治「昭和の読書」 喜多條忠「女房ニゲレバ猫マデモ」

の5冊。しかも坪内祐三以下の本は売り切れです。古書市では、最初に上げた出版社の本は要チェックしていますが、幻戯書房も付け加える必要がありそうです。でも、大きな書店であんまり見かけないんですが、どこに売っているんだろう?

 

 

 

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当店で人気のミニプレス「本のある部屋」から、「恋愛に関する作品」を一週間で、少しづつ読むというコンセプトで編集された小さな本「一週間の恋」を送られてきました。収録作品はこんな感じです

月曜日 太宰治「恥」 火曜日 小酒井不木「恋愛曲線」 水曜日 大手拓次「蛇の花嫁」 木曜日 夏目漱石「一夜」 金曜日 夢野久作「瓶詰地獄」 土曜日 牧野信一「好色夢」 日曜日 渡辺温「恋」

なんとも渋いラインナップです。装丁も凝っていて、フランス装に穴空きカバーがつけてあります。もちろん、印刷、製本、カバー加工などすべて自家製です。判型は13cm×9.5cmというミニサイズで、価格は1200円で4部入荷しました。本のセレクトはブックカフェ・アラビクさん。小酒井不木、大手拓次という作家は初めて知りました。

小酒井は1890年生まれで、翻訳家、随筆家、探偵作家の他に、SFの先駆者とも言われ、かつ東北帝国大学教授であり、医学博士でもありました。大手は1887年生まれの詩人で、生前にはほとんど詩集は発行されていませんでした。こういう作家の作品を読めるところがアンソロジーのいいところですね。

ところで、アンソロジーと言えば筑摩書房が出している「ちくまぶんがくの森」はお得です(内容も価格も)テーマが設定されていて、「変身ものがたり」というテーマでは、坂口安吾の「風博士」、江戸川乱歩の「人間椅子」、萩原朔太郎「猫町」、ゴーゴリ「鼻」等21編が収録されています。お値段は300円。全15巻ですが、店には3巻のみの在庫です。筑摩書房は同じようなシリーズで「ちくま哲学の森」というのもあります。全8巻+別巻という構成。第一巻のテーマは「恋のうた」。その中に森鴎外の「じいさんばあさん」が収録されています。これって、歌舞伎化されていて、私は何故かこの演目にご縁があって二回も観ています。別にどうってことない出し物なんですが、二回とも坂東玉三郎でした。

 

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これ、川本三郎の著書のタイトルです。雑誌「新潮」に連載されていたものを一冊の文庫本にまとめて岩波書店から出版されました。先日、府立図書館で借りてきました。新潮社版は近日店に入荷予定です。

序にこう書かれてあります

「東京の郊外住宅地とは『ノンちゃん雲に乗る』に描かれたように『小市民のささやかな幸福』が夢見られ、生まれ、壊され、そして新たに夢見られと、夢の死と再生が繰返されていった場所なのである。」

そして、著者は各地域別に、その地域に縁のある文学作品をテキストにして論じてゆく。私が好きだったのは「郊外に想いあり 庄野潤三」論でした。庄野は96年に出した「貝がらと海の音」を皮切りに一連の小説で郊外に住む老夫婦の家庭を描きます。「小市民的」「プチブル的」と否定的な言葉が飛んできそうな時代に、「家庭の幸せ」だけを描き続けます。正月に家族が集まり、誕生日を祝い、孫の運動会を見て、墓参り。こうした「行事」の反芻で、家庭の幸せは確乎たるものになる。しかし、一方そんな幸せは永遠に続かないから、淋しさが漂い、無常観が生じる。

これ、誰かに似てませんか?そう、戦後の小津安二郎の映画です。庄野の作品は一つ、二つしか読んでなかったのでこれから精力的に読んでみようかと思います。ところで、先日のブログでご紹介した小津の「東京物語」をベースにした「東京家族」に妻夫木聡が出ていましたが、彼は川本作品のベスト1(と私は思っています)の「マイバックページ」でも主演をやっていました。「東京家族」でも「マイバックページ」でも、見事な泣き顔を見せます。嗚咽する瞬間が上手いというのか、こちらも思わず泣かされます。

「マイバックページ」のラストの大泣きは、原作には存在しません。見事、映画が原作を超えて、映画オリジナルの世界を作りました。監督は山下敦弘。芥川賞受賞作の西村健太「苦役列車」、くらもちふさこの漫画「天然コケッコー」も映画化してます。原作ものを、巧みに料理して自分のものにする監督です。

 

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本に関するミニプレス「BOOK5」(500円)最新号が入荷いたしました。特集は「名画座」です。岡崎武志さんが自分のブログで紹介されていましたが、いやぁ〜面白かったです。

若い女性4人の「若草会座談会」は、名画座に邦画を追っかけているマイナーな女性達の放談会ですが、「黒澤明なんて見てない」なんて笑ってしまいます。かと思えば朝から晩まで鶴田浩二の映画見まくっている女性は、多分アナタだけですよ。(鶴田が出ている「大奥絵巻」ってどんな映画だ?)

その後も名画座通いの楽しい記事が続きます。別に映画のこと知らなくても十分楽しめます。例えば、左岸洋子さんの「映写の仕方、おしえます」。本屋さんか、映画館で働けたらいいなぁ〜と軽いノリで上京した洋子さんは名画座での仕事をゲット。しかし、事務のお仕事ではなく、映写のお手伝いでした。スパルタで映写技師から業務を教わり、一人でやることに。寺山修司の「書を捨てよ町へでよう」の上映中、フィルムが燃え出した話や、誰も入場者のない時、自分で映写して観るという貸切映画館の話など、まるで「ニュー・シネマ・パラダイス」を彷彿させます。

もちろん映画の話だけでなく、本の話題も満載です。今回より始まった「せどりしょうZ!」で、小山清の「日々の麺麭」(講談社学芸文庫)が高値で取引されていることが書かれていましたが、レティシア書房にもありました。さすがに目の高い常連さんが見つけられて、お〜(安い!!)という価格でお売りしました。

「BOOK5」はバックナンバーも常備しています。

 

 

◉「女子の古本市」に多くのお客様にご来店いただきありがとうございます。追加納品も決まりました。後半にかけてまた新しい本が入荷します。ご期待ください!

◉明日は「はちはち」のパンの日です。4時過ぎから販売します。

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