店長日誌でもご紹介しておりますが、ただいまレティシア書房では、絵本「想いのとどくノートブック」の原画展を開催中です。

絵本作家yossanとの出会いは、本棚からでした。

って言うのは、レティシア書房の本棚を作っていただいたクシュさんの連れ合いさんなのです。

初めてクシュさんの工房をお訪ねした折、飾ってある彼女の絵を見て、素敵だと思いました。お話していく中で、もうすぐ(昨年春の時点)本が出る、ということがわかり、開店したらきっと展覧会をしてもらえるようお願いしました。その約束がかなったわけです。

 

彼女は小さい頃、佐野洋子さんの絵本を見て、お手紙を書いたそうです。お母さんに出してもらった初めてのファンレターに、作家本人からちゃんと返事が返ってきて、「絵本って人が描いてるんだ。」という実感を持った幼い彼女は、そのときから絵本作家を目指したというのです。

 

初めての絵本を佐野さんに見て欲しかったな〜としみじみ話してくれました。

この絵本展の最終日に、ひょんなことから京都メリーゴーランド店の店長さんが、ウクレレをギャラリーで演奏してくださることになりました。メリーゴーランドといえば児童書の有名店ですが、これまた偶然にも4月末には佐野洋子さんの回顧展が開かれるとのこと。

ご子息の講演がメリーゴーランドであるので、yossanは早速申し込みました。

「なんかご縁を感じるんですよね。」とさらにしみじみ・・・・。

 

お店を始めてみて、つくづく人の縁を思います。

見えない糸でつながっているような温かい気持ちになった絵本展初日でありました。

よかったらまた覗いてみてください。もしかしたら、誰かを思い出したり、ひょっこり誰かとあえるかもしれませんよ。(女房)

 

yossanの絵本「想いのとどくノートブック」原画展は4月22日(日曜日)まで。

 

 

 

 

 

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「想いのとどくノートブック」絵本原画展始まりました。

yossanの絵と春名金魚さんの文章の絵本「想いのとどくノートブック」。これは、未完成の絵本です。最終ページに貴方の「想い」を書く真っ白のページがあります。誰か大切な人への「想い」を書いてもいいし、期間中この本が完売して、買った人が幸せになりますようにと邪な「想い」でもいいと思います、絵本は1800円、原画は55000円、ポストカード(14種類)は一枚150円、ストラップは840円(すべて税込み)で販売しています。

最終日22日(日)夕方 6時ぐらいから、この原画展の前でメリーゴーランド京都店の鈴木さんのウクレレライブがあります。ウクレレ聴きながら、絵本観てもいいし、他の本を読んで頂いても結構。本屋でミニライブ?一体どうなる事やら。お代は「お気持ち」でよろしく。

ミニプレスに新しい仲間が増えました。北海道は知床斜里町からやってきた「シリエトクノート」20ページにも満たない小冊子ですが、自然豊かな斜里の街を歩いている気分にさせてくれます。しかも。300円です!「春」号では、熊さんたちが地図片手に桜見物。熊だってお花見したいでしょう。お店には「春」「夏」「秋」「冬」の四号あります。この冊子片手にいざ、知床斜里へお出かけを。

 

今年のアカデミー賞主要部門を制覇した「アーティスト」を観た。お見事!の一言です。

映画がサイレントからトーキーへと移行する時代、その流れについて行けない役者が落ちぶれ、再度復活するまでのありふれたお話を、全編サイレント(音楽と少しの字幕のみ)で白黒スタンダード画面で作ってしまうという、まぁ〜大胆な作品です。3D映画全盛時代にこんな映画を作ってアメリカに売り込んだ(フランス映画です)プロデューサー、あんたは偉い!!

私たちはなぜ映画館にいるのか。それは想像力を広げ、映画と遊ぶためにいる、といっても過言ではない。この映画では、サイレント仕立てであるため、登場人物の台詞は大半が聞こえて来ない。でも、理解できるんです。きっと、こんな会話してるんだろうなと想像しながら観るのも楽しいもんです。映画への愛に溢れた映画らしい映画。そして、ラストシーンで初めて音が聴こえてきます。このラスト言いたいけど言えない、でも言いたい。あっ〜もどかしい!!で、今日はこんなCDをお薦めします。ネタバレになるかも。

 

 

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半年間、東福寺の坂道を毎朝歩いていたマロンの散歩は、御所に変わりました。

と言っても、昨年の8月以前はここを縄張りにしていたのですから、フフンってな具合に、鼻歌を歌いながらの返り咲きです。

 

御所は今しだれ桜が満開です。今年の開花は少し遅めですが、これからいろんな種類の桜が連休あたりまで咲き続けてくれます。ソメイヨシノ一色ではないところが、嬉しい。

 

 

桜はもちろん美しいのですが、私は御所の梅林や桃林も大好きです。

桃林で、肌寒いのも忘れて可愛いな〜とみとれていました。

マロンはもちろん「花より団子」、また拾い喰いをして(彼女の悪い癖)、飼い主(私)に頭を小突かれましたが、懲りません。

 

彼女は11歳になりますが、6年前にわが家に来るまでは飼育放棄されていて、保護団体に救われた犬なので、もしかしたら、拾い喰いなどしてしのいできたのではないか、と思うと不憫で泣きそうになります。

 

それはそうと、ムーレックさんというカフェのブログにマロン登場!先日来て頂いた折、撮影してくださったのですが、まあ、外面のイイことイイこと。これまでで一番可愛く笑っています。

 

ムーレックはまったりしたいい雰囲気のカフェ(しかし前回紹介した「ハチハチ」と同様、これまた説明しにくい場所なのでHPで確認してください。)で、スペシャルコーヒーイベント中。希少価値とされるジャコウネココーヒーが飲めるのだそうです。数に限りがあるようなので、実は私もあせっています。きっとまいります。残しておいてね〜(女房)

 

 

 

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先日、春田太一「天才 勝新太郎」(文春新書)を買われたお客様が、「マスター、こらぁオモロい」と来られました。そんなに、勝新には興味なかったけど、「座頭市」見直そうとレンタルショップへ行かれたそうです。

先日、大阪の古本市で格安コーナーで、またこの本を見つけました。まぁ、失敗してもこの値段ならいいや、と思い帰りの阪急で読み出しました。ほんま、面白い。タイトル通り天才ですね、彼は。TV版「座頭市」には台本がなく、臨機応変に、現場で勝の頭の中にあるイメージがシナリオ化されていくという事実に先ずびっくり。TVで昼間再放送していたのを観ましたが、なるほどね、あのスピーディな展開はここから来ていたのか!しかも、勝は自ら編集までしていた。制作、主演、編集とほぼ独裁的立場で飽くなき作品の質を高めようとしていた。

勝が大映入社時、彼の前には市川雷蔵という大きな存在がおり、常に意識し、追いつき追い越そうとして挫折する。雷蔵が溝口健二、市川崑らの巨匠と素晴らしい仕事をしていたため、彼も挑戦するもどれも失敗。それでも、エキサイティングな映画目指して奮闘努力する姿は、小説を読む楽しさです。やがて、安部公房の「砂の女」で高い評価を得た勅使河原宏と組み、やはり安部公房原作の「燃え尽きた地図」に主演する。映画は失敗するも、映画制作者への欲望に火が付き、初監督作品「顔役」への道を一直線に進む。

濃い、とても濃いお話ですが、人生一直線、しゃにむに突っ走れ!で爽快です。阪急電車が烏丸駅に着くのが惜しい!!読み終わったら店に出します。300円です。最初に買われたお客様が、帰り際に「こんな本あったら。置いといて」と言われた。えっ、こんな本ってどんな本? ギラギラして、猪突猛進で、しかも爽やかな人なんていませんよ。

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お店はオープンして一ヶ月が過ぎました。

少しづつですが、ご贔屓にしてくださるお客様もおられます。と、同時にいろんな本、雑誌が集まってきました。まだ、買取できる程の精神的余裕?がないので、委託でお預かりしたり、もう捨てるからご自由にと置いていかれた本が面白い空気を作り出しています。

雑誌では「噂の真相」が10円で登場。スキャンダル雑誌ながら、お上に楯突き、皇室をパロディ化し続け、編集者は殴られ、刺されと満身創痍。一流国「日本」の仮面をこれでもか、これでもかと引っ剥がし続けた姿勢は立派です。連載執筆者は筒井康隆、アラーキー、田中康夫、佐高信、ナンシー関、中森明夫、斉藤美奈子と辛口がズラリ。手元にある2001年6月号の特集記事には「皇太子妃懐妊の知られざる真実」など危ない記事勢揃い。今となっては、資料としても貴重です。今も出版していれば「誰にも言えない東京電力」なんて記事が読めたのに。すべて10円です。

「噂の真相」と前後して入ってきたのが牧神社、創土社が出版していた幻想文学の貴重な初版本が数十冊。アーサー・マッケン作品集成全6巻は古本マーケットでもかなり高額で販売されています、(因みにわが店は15000円)大学時代、牧神社が出していた雑誌でメルヴィルの「白鯨」をやっていて、買いました。それ以来、数十年ぶりに牧神社の本を手にするとはなぁ〜。

幻想文学は、あんまり知りません。でも、日本の幻想文学の第一人者だった渋沢龍彦の妻だった矢川澄子さんの本は好きでした。この人の翻訳もの、特に児童文学ものはいいですね。文庫なら「わたしのメルヘン散歩」(筑摩文庫87年刊行初版400円)を手に取ってはいかがですか。

 

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レティシア書房の棚で、小さなガラスの生き物が生息しております。

井本真紀さんの「kumonoko」です。

羊毛から、にょっと足が出て、トコトコ歩いていきそうでしょ。

3月に京都府文化博物館で開催された「羊パレット」に出展された作品ですが、そのまま帰省せずに、うちの店に居着いています。

羊毛とガラスがくっついたこの不思議な子たちは、まるで古本屋に棲んでいる妖精みたいに可愛い。

ただ、本屋の棚になじみすぎて、作品だと気づかない方もいらっしゃるので、かえって作家さんには申し訳ないことです。

 

羊毛とガラス。異質なものがくっついて、今にも動き出しそうなこの作品が、羊毛がガラスを取り込んだり、ガラスが羊を飲み込んだりして、さらに発展して行けば、おもしろいことになるかもしれません。

 

お暇があれば、妖精達に会いにきてください。(女房)

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本を読んでいると、何故か優しい気持ちにしてくれる本に出会うことがある。内容ではなく、文章が人を優しくしてくれる。最初の経験は坪内祐三の文章だった。書名は忘れましたが、神田の街角を歩いている情景を描いているところで、まるで春の風がふわっと吹き抜けてゆく錯覚を味わった。その後、この人の本はなるべく読むようにしている。本を読みながらステップする幸せ。

森絵都の「風に舞い上がるビニールシート」に収録されている「ジェネレーションX」。野球をめぐるお話ですが、ラスト主人公が車のアクセルを強く踏み込む。来ました、来ました心地よい風が。彼女は大好きな作家です。以前勤務していた書店で色々あった時、彼女の小説にはどれだけ助けられたか!登場人物達のキャラが輝く作家ですが、ちょっとした文章に、人を優しくする力があります。蛇足ながら「風に舞い上がるビニールシート」305ページで号泣する恐れがありますので、公衆の面前ではお読みにならないように。「風に舞い上がるビニールシート」はハードカバーで900円です。

 

最近、関口良雄の「昔日の客」を読んでいます。東京の古書店「山王書房」の店主と文学者たちの交流を描いた一冊。文学を愛する気持ちがどのページにも溢れています。税務署に行った帰り、お硬い税務署の文章を読むのに疲れた時、すぐ近くの喫茶店「月と六ペンス」の一番端の席(好みの席です)で、読み始めました。飾らない、でもとても美しい文章がジワリとしみ込みます。この本を復刊させたのが、夏葉社。良い名前ですね。夏の葉か。キラキラ輝いていて、涼しい風が通り抜ける感じです。これは、古本ではありません、新刊です。大切に、大事に売っていきたい一冊です。

 

 

 

沖縄出身のアイドルバンドSPEEDは、デビューから興味深く観ていました。

何となく仲悪そうで、なんとなくクールで、でも踊りは抜群に上手い!しばらくして解散。やっぱ中悪かったん〜?と思っていたら、一人がcoco d’orとしてソロデビュー。あっという間に2枚のソロCDを送り出す。

これが、いいんです。ほぼ、全曲カバー。しかもジャズやら、ソウル、R&Bの名曲ばかりです。お〜やるなぁ。H.メリルでお馴染みの「帰ってきてくれたら嬉しいね」まで歌ってます。でも、バラードは全曲下手。歌詞をなぞれば良いんじゃないんですよ。もうちょっと、男と刃傷沙汰起こすとか、金を持ち逃げされるとか、ちょっと地獄みてから歌ったらどうなん、と言いたくなるぐらいです。

でも、私がこの二枚のアルバム好きなのは、あたしこの歌歌いたいねん、という気合いと下手と思うなら、聴かんといてという開き直りの姿勢から生まれる、まぁ、やけっぱちのパワーの魅力が伝わるからです。ディスコブーム時代、一度は踊ったG.ゲイナーの”I will Survive”のドライブ感なんて、本家よりかっこいい。鼻息だけで突っ走る小娘をおじさんは応援していました。

昨今、多くのべっぴんさんの日本人ジャズシンガーが登場しています。皆さん、歌もお上手で、表現力も兼ね備えておられる。ただ、一つ欠けているものは、この歌を歌いたいという欲望が見えない事ですね。思いの込もった感情が聴こえてこない。だから聴いていると、いつまでグダグダ言うとんねん、酌でもせんかえと下品ないらつきが起こります。その点、coco d’orにはそれがない。歌いたい歌を歌うんや!という我がままな気分満杯で爽快です。がんばれ!と応援していたらSPEED再結成。ショックですね。まぁ、みんなで足の引っ張り合いしてください。

 

NHK大河ドラマは、多彩な登場人物が魅力のドラマです。実はコミックにもこれに匹敵、いや勝るとも劣らない作品があります。

先ずは、関川夏央=谷口ジローコンビの全五巻「坊ちゃんの時代」。夏目漱石39歳、時は明治38年。多くの文人、政治家がキラ星の如く登場し、明治という「多忙」な時代を描いていきます。第四巻では大逆事件を経て暗い方へ曲がってゆく時代を描写と、がんばって記事書いている最中、これくださいとのお客様。で、このシリーズの事掲載できなくなりました。

う〜ん、困ったと思った途端、来ました第二弾。手塚治原作、浦沢直樹画の「プルートウ」全8巻。しかも、限定版で出版された付録付きです。この付録が「鉄腕アトム」で育った世代の心を微妙にくすぐるものばかり。例えば2巻には昭和39年子供たちに人気の「明治マーブルチョコレート」復刻版ケースが付いています。(マーブルチョコレート知らない世代は、買わなくてよろしい)

ポストアトムのロボット社会の矛盾と悲劇を見事に描き出す。さすが「20世紀少年」を世に送った浦沢です。お値段は全8巻で10000円(開封されていないので新品同様)

そして、もう一点藤原カムイ「雷火」。舞台は女王卑弥呼が老い、その後継者を巡って熾烈な権力闘争の幕が上がった倭の国。裏切り、陰謀渦巻く政治の世界に飛びこんでいったライカという名の少年のクロニクル。忍者漫画の最高傑作は「伊賀の影丸」と「カムイ伝」というのは周知の事ですが、「雷火」もそれらの作品に匹敵する忍者漫画であり、「風の谷のナウシカ」と同じようなスケールの大きい世界観を持った作品です。89年スコラ社から単行本として世に送り出されます。しかし、スコラ社倒産のため、一時は読めなくなりましたが、復刊しました。全15巻で3000円。ハリウッドのバカ大作やら、グタグタやってるテレビドラマ観てる暇あったら、これをど〜んと机の上において読むべし。