本屋を立ち上げるにあたって、ブログを書いたら、と勧めてくれたのは、友人のアキ教授です。

彼女のオススメにはたいてい従うことに決めています。いつも少し高めのハードルを置いてくれるので、ウントコドッコイショと越えていかねばなりませんが、怠け者の私には有り難いことです。

 

パソコンは苦手ながら『レティシア書房の女房』というタイトルで書き始めました。

開店に合わせて本屋のホームページが出来てからは、店長日誌になりました。

ちなみに店主の方は、書籍・映画・音楽など好きな分野を好き放題に、シャウトしています。

 

で、「女房のブログ」でお客様の反応が一番あるのが、マロン&べべ。我が家の犬と猫です。

 

18年前、はじめて猫を飼って、そのとき身近にこんなにたくさん猫好きがいることにビックリしましたが、ご来店のお客様から「べべちゃん可愛いね〜」とか「大丈夫!きっとマロンと子猫は仲良くなりますよ。」とか励まして頂いて、これまたビックリ。お読み頂いて感謝です。

おかげさまで、ようやくお互い同居を認めたらしい2匹は、なんとか同じ部屋でくつろぐ時間を持つにいたりました。

べべのちょっかいに、時々「エエェ〜?!」って困った顔をするマロンもまた可愛い!ってのも親バカですね。

「最近ブログの更新が遅いのは、もしかして子猫の相手ばかりしているせい?」というご指摘もありましたが、ハイ、その通りです。(女房)

 

 

 

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クラシックピアノのグレン・グールド(1932〜1982)のCD特集です。

私はあんまりクラシックは聴きません。でも、この変わり者グールドだけは、しつこく聴いています。

何故、変わり者か。先ず、演奏会というのは無意味であると断定し、64年のコンサート以降、一切のコンサートを行わず、ひたすら録音に拘った事。(当然、聴衆の前にも姿を見せなくなる)自分のスタイル、楽曲に対する解釈への信念は頑強で、そのために指揮者と衝突することが多々あったこと。そして、禁欲的に演奏するのが当然だったバッハの曲を、もう甘美で、快楽的に演奏したこと。等々、逸話には事欠きません。

グールドといえば、バッハを演奏したものが有名ですし、完成度も極めて高い作品です。しかし、モーツアルトのピアノソナタ集を、私は愛聴しています。

「ソナタ第11番」。子猫が抜き足差し足で、近寄ってくる感じに第一楽章から始まり、一つ間違えば、歌謡曲まがいの哀愁をおびた、これでもくらえ!みたいに、メロディアスな展開をしていき、その装飾過多なモーツアルトの音に遊んじゃえ!とばかりにグールドは喜々として弾いていきます。そして、第三楽章はお馴染み「トルコ行進曲」です。やはり、出だしは子猫の抜き足差し足風です。そして、行進曲というよりは、エレガントな舞踊を見ているような世界へと入っていきます。

今回、グールドのCDを十数枚用意しました。お値段も800円からです。

読書のお供にお聴きになるのもいいですね。この人の美しく、幻想的な音楽は読書の時間をさらに良質のものにをします。グールド自身、文学愛好家で、特にトーマス・マン、夏目漱石を愛読していたみたいです。漱石の「草枕」は、あるラジそしてオ番組で、小説の一部を朗読をしていたぐらいですし、死ぬ間際、枕元には、書き込みだらけの「草枕」が置いてあったそうです。また、カート・ブォネガットの奇妙な小説「スローターハウス5」の映画化に際しては、サントラの作成に参加しています。

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この夏、お店でちょっと面白いというか、へんな企画やります。

その1:7月3日(火)〜7月17(火)鉾巡行日「翁再生硝子工房展ー氷コップ展」

この工房のコンセプトは「翁再生硝子工房では主にお酒や調味料などに使われているガラス瓶を熔解して、 吹きガラス等の技術を使い、普段家庭で使える器やアクセサリーを制作しています。」です。そして、今回「夏の京都で初めての個展は、『氷コップの世界』に挑戦してみます。」との意気込みで開催です。

そして、この企画中の15日(日)〜17日(火)の三日間、西陣のドイツパン屋「はちはちinfinityCafe」が、店の一隅でパンの販売を行います。ドイツの伝統食である「ライ麦パン」の深い香りと味を提供して、多くのファンを持つ「はちはち」のパンの出張販売です。販売時間、販売商品等の詳しい事決まりましたら、またお知らせいたします。なお、16日(月)は本来定休日ですが、営業いたします。宵山に行こうかなと思っていらっしゃる方、おついでに、お立ち寄りください。

 

その2:8月14日(火)〜17(金)「善行堂がやってくる」

銀閣寺近くの古書店、ご存知「善行堂」の出張販売展を開催いたします。さて、どんな本を出品してもらえるか、今から楽しみですね。折しも、下鴨で古本市(11日〜16日まで)が開催中です。その帰りにでもご来店頂ければ幸いです。

その3:8月21日(火)〜9月2(日)「写真展Bred」(仮題)+「一箱古本市」

7月にパンの販売をされる「はちはち」スタッフによる「パンの写真展」と、同時に、ギャラリースペースを解放して、一箱古本市を開催します。(参加者募集中です。メールでお問い合わせください。)

 

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火曜日夜9時。堺雅人主演のドラマ「リーガルハイ」が断然面白い。

金のためにしか動かない弁護士が主演のドラマ。でも、よくあるパターンで、実は正義感を秘めていたとか、逆のパターンで悪の道の深みで喘ぐ男の孤独を描くとか、そういう二流センスは皆無のドラマです。

速射砲の如く飛び出す主人公の毒舌が先ず面白い。火曜の夜9時ってゴールデンタイム。その時間帯に、こんなに良識とか、社会正義をあざ笑うドラマをやるなんて!100人いれば、100人の正義があって、100人いれば、100人の悪があるのが当たり前。みんなが一緒の正義なんて、ちゃんちゃらおかしいよね〜と笑い飛ばす。もう、コミックの主人公ばりの奇妙なヘアスタイルとオーバーアクションで一気に加速する堺雅人が快調です。

しかも、この番組。制作はフジテレビ。フジといえば、日本は豊かな社会だという幻想を、数々のトレンディドラマでブラウン管につくりだした大御所ですね。女子アナを商品化して、マーケットに売り込んだ手法は見事でした。ドラマが提供するトレンディー追っかけてたら、きっと幸せになれますというテレビ局で、「ケッ、ケッ、ケッ」とその大嘘を笑い飛ばすドラマをやるとは、太っ腹というべきか。

ま、脚本を書いている古沢良太は、映画なら「キサラギ」(見事観客を騙します)、「探偵はBARにいる」(早く観たい!しかしいつも貸し出し中)。テレビは「ゴンゾウ伝説の刑事」(向田邦子賞受賞)、「外事警察」(見応え十分のNHKドラマ)そして、「相棒」を担当。なるほどね、そら上手いわなぁ〜と感心します。

この「ケッ、ケッ、ケッ」という感じは、西原理恵子様の「できるかな」(2003年扶桑社500円)シリーズで、税務署と大バトルするやり取りに似ていますと「がんばろう日本」みたいな、一直線にダーッと同じ方向に向くのが社会正義の風潮に、馴染めないお方には、きっと心安らかに??してくれる一冊です。

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『チャワンが飯を食べる食器なのに茶の碗とされるのは、チャワンが陶器の代名詞として使用されたからである。』フムフム

 

『なぜヨーロッパの人はそんなにコショウを求めたのだろう。それは肉の保存に関係をもつ事柄である。』そら、そうやろな。

 

『むしろ辛党ということばは、現実の味よりも「あまい」に対する「からい」に関係をもつのではなかろうか。』

『「すいもあまいもかみわけて」ということばからわかるように「すい」と「あまい」も対立概念になっている。』ははぁ〜。

 

以上すべて、古本に鉛筆で線が引かれていた箇所。いわゆる「痕跡」というやつです。

持ち込まれた石毛直道著「食卓の文化誌」という本を開いてみたら、たくさん線が引かれてました。痕跡を消しゴムで消しながら、自分からはきっと開くことはなかった本を、こうやって読めるのもちょっとした楽しみになりつつあります。

自分の守備範囲など、きわめて狭い私には、面白い作業です。

店主と交代しながらの店番、今週はエビスタさんの風景画展が好評で、通りがかりの方もちょっと覗いてくださっています。

そんな中、『Leaf』という雑誌にレティシア書房が掲載されました。

取材の折りに、我が家の犬マロンが寝そべっていたらしく、写真を撮ってもらいました。

写真横に「看板犬マロンが出迎える云々・・・」と書かれていたので、お客様に「犬は?」と聞かれてびっくりしました。

暑い日でマロンは裏の通路で爆睡だったもんで。

すみません。夏は看板犬、時々お休みしています。(女房)

 

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京都新聞夕刊連載の「現代のことば」5月25日にお馴染み善行堂の山本善行さんが「街歩きの記憶」とのタイトルで書かれています。

これが、ゆったりしたリズムの文章で、とても心地良いのです。ヘミングウェイの「移動祝祭日」の事から始まり、自分の住む街の事へと移り、若き日、ユニークな上映作品企画で有名だった京一会館のこと、しあんくれーる、BigBoyといったジャズ喫茶のこと、そして山本さんがよく通われた古本屋のことへと筆は進む。

この件で、BigBoyで300円のコーヒー飲みながら、★一つの岩波文庫(安い)を読んでいた大学時代を思い出しました。

内容がセンセーショナルでもないし、奇をてらった文章でもない。誰しも、あぁ〜こんなだった、と思い出す事ばかりです。しかし、ゆったりと進む文章が、まるで彼と一緒に街中を散歩している気分(小津映画に流れるリズムにとても近い)にさせてくれます。おそらく、このリズムを紡ぎだすまでに、何度も何度の推敲されたはず。こういう文章にであうと、ブログ更新のためにバタバタと文章を書いている自分が恥ずかしくなってきます。最近では、このバタバタ、尻切れとんぼ感が、私のリズムだと開き直っていますが、かないません。

(山本さんの記事は店に置いておりますので。読みたい方はお申し出ください)

梨木香歩の「からくりからくさ」(新潮社99年700円)

古い民家に住む四人の女性達の静かに過ぎてゆく時間を見事に描写した長編小説。この家で、ゆっくりと育って行く植物と、同じような時間軸で彼女たちも人生の様々な局面を乗り越えていきます。ラストシーンは、この作家のファンタジー小説家としての質の高さを示しています。400ページ弱の小説ですが、毎日すこすづつ、時間をかけて丁寧に読んでもらいたい一冊です。

小説に登場する家と同じように、この店もゆっくり育っていき、最後に朽ち果てて、残るは主人の白骨だけになればいいですね。

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ちょっと面白いドキュメンタリーDVDが入荷しました。

「真実のマレーネ・ディートリッヒ」(1500円)

ドイツの誇る名女優マレーネの孫に当たるデヴィット・ライヴァ監督が追っかけたマレーネの生涯。彼女って、ジャン・ギャバンの愛人だったんですね。波瀾万丈と言うべきか、ベールの向こう側に見える彼女の真実を描く1時間45分。彼女のドキュメントであるとともに、戦中、戦後のドイツの変遷まで見せてくれます。戦後のドイツでの彼女の評価が、ウ〜ン、そうかと思わせます。

「ベジャール、バレエ、リュミエール」」(1800円)

現代屈指の振付家モーリス・ベジャール。2001年ベジャールバレエ団の新作「リュミエール」の準備からカメラは密着する。アクシデントにつぐアクシデント。苦悩、苛立ち、そして本公演当日、幕が上がる。このチビで、小太り(すいません)のおっさんの強靭な精神が、こんな舞台を生むんだ!と感嘆します。(映像特典も大盤振る舞い)

「ソウル・オブ・マン」(1600円)

「ベルリン天使の歌」でお馴染みヴィム・ベンダースが捉えた伝説的ブスルースシンガー、ブラインド・ウィリー・ジョンソンとその苦難の時代。ジョンソンらのブルースシンガーの曲を歌う現代のロックシンガーの姿と、ふわぁ〜と漂う彼らしい映像と共に、アメリカンルーツミュージックが楽しめます。(もちろん、30分程の映像特典あります)

「ドキュメンタリー・オブ・エンニオ・モリコーネ」(1900円)

いろんなドキュメンタリーありますが、映画音楽家のドキュメントは殆どありません。「ニューシネマパラダイス」のトルナトーレ監督とのミックスダウン現場や、オーケストラを指揮する姿等を通して、巨匠と言わしめるモリコーネ像に迫ります。モリコーネはめったに人前に出ないという人なので、このインタビューは貴重ですね。

 

 

昨日、先週末の大阪で催された一箱古本市に出品していた本が戻ってきた。

初めての出品。ドキドキで箱を開けました。一冊も売れてなけりゃ、どうしよう。結果は30冊持ち込んで、10冊の売れでした。まぁ、初めての体験にしては上出来かな。主催されたスタッフの皆様お疲れさまでした。

で、戻って来た商品ですが、棚には新しく入荷した商品で一杯です。困った。しばらく考えて、ギャラリーの棚の下の平台が空いているのを発見。80冊程並べられるので、ここをセール商品置き場に模様替え。かえってきた商品やら、新たに追加した商品を並べて、「200円〜500円コーナー」に生まれ変わりました。池澤夏樹「タマリンドの森」200円、坂本龍一「音楽は自由にする」500円、辺見庸「屈せざる者たち」300円、「上方芸能の魅惑」400円、ユリイカ増刊「宮崎俊の世界」200円、ユリイカ「押井守特集号」200円、小林信彦「道化師のためのレッスン」400円と多種多様な本が並んでいます。掘り出し物探してもらえればと思います。

実は、8月後半にギャラリー部分を解放して、一箱古本市+ドイツパンの写真展&パン販売という展示会を計画しています。まだ、企画段階なので未決定な部分がありますが、やってみたい!と思う人はお店までどうぞ。

 

開店して、二ヶ月。誰〜も来ないという恐怖の日も、もっと安せんかい!という如き、来て欲しくないお客様もなく無事に通過しました。みなさん、ありがとうございます。これも、一重に私の人間性によるものと自負しております。地球にも、人にも優しくない私のごとき人間が、ご批判も受けずに、それなりに皆様のお相手をさせてもらえるのは、本棚に並んでいる本が出す、こんなお言葉

「ちゃんとやりやぁ〜 わたしらの晴れの舞台作ってやぁ〜」です。

自分で仕入れた本には、最後まできちんとしていたい、という思いです。

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まぁ、威勢のいい台詞です黒川博行「麻雀放蕩記」(双葉社97年300円)からの抜粋です。

大阪府警の凸凹コンビの活躍を描いた一連の刑事小説の、テンポ、特に二人のポンポン飛び出すお上品とはほど遠い大阪弁が楽しくて、すべて読破しました。(店にはありません。ブックオフには沢山あると思います)

横柄なやくざとチンピラが活躍する「疫病神シリーズ」では、なんと北朝鮮まで出っ張って、大騒動を起こし、「パンチパーマのど阿呆」とあの独裁者をこき下ろすという愉快な小説もありました。で、この「麻雀放蕩記」。タイトル通り麻雀小説です。そして、大阪弁。もう麻雀される方はぜひお買い上げを!

でも、この作家は都立芸術大学美術学部彫刻科卒という経歴で、確か、京都市立芸大でも美学の教鞭をとっていたはず。奥様も日本画家。また、2011年11月に「週刊現代」の連載記事でグリコ森永事件の真犯人として扱われたとして、名誉毀損とプライバシー侵害を理由に、出版元の講談社と週刊現代編集長、および筆者のジャーナリストに損害賠償などを求め、裁判所に提訴と、お騒がしい。

快調な大阪弁の小説といえば、大沢在昌の「走らなあかん、夜明けまで」でしょう。やくざ相手にとんでもない事件に巻き込まれた若者が、大阪の街を疾駆する様を描いたノンストップアクション小説。一気に読んで、こちらも走り回った気分で心臓に悪い小説でした。

最近では、以前にもご紹介した森絵都「この女」(筑摩書房900円)。震災前夜の大阪と神戸を舞台に繰り広げられる大活劇。

「そや 負けたらあかん。ばくばく食うたれ」

このラストは「そや、そや」と関西人なら拍手喝采です。高〜い塔登って、きゃあきゃあ言ってるだけの”お江戸の人”には、ほんま、このエネルギーわかってもらえまへんなぁ〜。

 

 

昨日、私もご多分にもれずに、金環日食を楽しみました。

丁度朝の犬の散歩でした。なかなか神秘的な体験でした。御池通りの日ざしも、いつもと違い少〜し暗めで、これまた毎日観る風景とは異質なものを見ているような気分でした。今は、科学的に説明もされていて、一つの科学現象として楽しめるものに過ぎませんが、過去、情報のない時代だったら、きっと不吉で禍々しい現象に見えたと思います。

ところで、こういう自然科学の大スペクタクルに立ち会うと。いつもの人が作った時間の流れとは違う、もっと大きな時間の流れを感じます。1分60秒、1時間60分、1日24時間という極めて規則的に経過してゆく時間とは違うものが存在する。この地球を取り巻く大自然もその時間に沿って動いてます。だからこの自然は人間の事なんか歯牙にもかけていません。自然は優しい、はぁ? 自然保護。はぁ?保護されるべきは人間ですね。地震はあって当たり前、山は崩れ、竜巻で家屋は舞い上がる。雷は人を焼き、高波は人をさらって行く。まぁ、地球の邪魔にならないように、隅っこで細々と暮らすのが肝要かと。

慾はなく 決して怒らず いつも静かに笑っている 一日に玄米四合と 味噌と少しの野菜を食べ あらゆることを

自分を勘定に入れずに よく見聞きし分かり そして忘れず 野原の松の林の陰の 小さな萱ぶきの小屋にいて」

宮沢賢治の詩「雨にも負けず」の一節は、そいうことが当たり前と言っています。

ところで、時間の流れと言えば、光瀬龍原作、萩尾望都画による「百億の昼と千億の夜」を思い出します。

「二千億年の昔、原初の時点から時は流れ始め、二千億年後のかなたで止む」

世界の終わりとして存在する永劫の門での弥勒と阿修羅との時間と宇宙生成をめぐる論戦は何度読んでもスリリングで、何度読んでもさっぱりわからない「面白さ」に満ちた傑作です。(秋田書店SFコミックス上下300円)

 

 

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