本日より一週間「やんちゃ挿絵原画展」始まりました。

「やんちゃ」は45年前に発行を開始した児童文学専門の同人誌です。今回、120号発行を記念して、使用された挿絵原画を展示いたします。児童文学誌とはいえ、大人が読んでも、その内容の濃さと文章の完成度に驚かされます。120号に載っている「ひとりじゃない」は、40ページ程のボリュームで今を生きる少年達の闇を見つめた小説です。閉塞感で圧迫される少年達。ラストの「そう、だれもひとりなんかない」という独白、少年も読者も解放されます。

或は、詩「春を嫌う」の最期はこんな感じです。

「絶望をしれっと覆い隠す 沼の色した春の空 どこ吹く風の 空のいきものたち 春なんか大嫌いだ」

初めて読みましたが、どれも面白そうな内容です。バックナンバーも販売しています。一部300円です

 

先日、三重県津市でミニプレス「kalas」を発行されている西屋さんご夫妻が、新刊を持って三重からご来店。聞けば、姫路で開催される西日本のミニプレスの編集者達の集まりに参加される途中に寄ってくださったとか。ありがたいことです。

「kalas」は先ず、表紙の写真がいい。すべて物語を感じます。今回の特集は「続けかたの創りかた」「続ける」ということを巡る四つの物語。秒単位で変化してゆく世の中で、一つの事を続ける困難さと、楽しさ。それは、小さな古書店を営む私にも、大きく関係することです。「創りかた」の漢字が「作り」ではなく、「創り」になっていることにヒントがありそうです。西屋さんご夫妻の郷土への愛に溢れた優れたミニプレスです。バックナンバーも置いています。このボリュームで400円!!

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一箱古本市、本日最終となりました。

8月14日、「善行堂大蔵ざらえ」でスタート。丁度、下鴨の古本市の最中だったので、その帰りのお客様や、店で販売しているミニプレス「BOOK 5」を発行されているトマソン社の方がご来店されたりと賑やかな四日間でした。

そして、三日程お休みをいただき、初めての一箱古本市の商品を店一杯に広げました。フツーならここには並ばないような商品が多く、もう宝箱を引っくり返しているみたいにワクワクする準備でした。

二週間の長丁場の古本市がスタート。

初日、早くからお越し頂いたお客様、ありがとうございました。途中で息切れするかな?と不安に思っておりましたが、商品の補充もしていただいて、どうにかゴールまでたどり着きました。同時にCDセールもスタート。こちらも、本と一緒に買っていただき、本好きな人は、やはり音楽好きな方が多いみたいでした。このCDなら、と思って仕入れたものが、ドンピシャで売れてゆくと、やはり気分いいものです。

高額の画集から、もう昔々のチラシの如きものまで手に取っていただきながら、お客様と会話を楽しめるのは古本屋の醍醐味でしょう。また、出品された方に販売控えを見せると、エ〜これを買ってもらえるんや!と驚きと喜びが混じった表情をされるのも楽しみでした。

同時開催の「はちはちパンのキロクとぱんのキオク」にも多くの方に来て頂き、またパンの販売日には、ご予約まで頂くようになり大盛況でした。パン目的の方や、本を捜す方で、賑やかな店内でした。

出店された方も、ご購入の方も、場所を提供した私たちも、それなりに楽しい時間を共有することができたと思っております。次回もやりますので、またご参加ください。

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「結」は難しい、といっても「結ぶ」ことではありません。小鼓の打ち方のことです。

二年程、小鼓のお稽古して、それなりに課題曲をこなしてきました。平家物語でお馴染み「屋島」なんて、打っていると気持ちが高揚してきました。しかし、今やっている「花筺」は前に進みません。最初にお稽古した時は、打ち方はばらばら、呼吸は乱れて、発声も遅れるし、もうお弟子さんの前で恥をかきました。

世阿弥作の「花筺」はこんなお話です

越前国味真野におられた男大迹皇子(応神天皇の五世の孫)は、皇位を継承されることとなったのを機に、召し使っていた照日の前にお暇を出された。その際、照日の前に御文と御花筐(花摘みに用いる籠)を賜ったので、照日の前はそれを抱いて故郷に帰った。

その後のある日、継體天皇となられた皇子が行幸されるのを知った照日の前は、お慕いした余りに心が乱れて侍女とともに都へ向かった。その途中で行幸に行き逢い、御文と御花筐を持ってその前に進む。

照日の前は、それが君の御花筐であることを告げ、恋慕の情を述べる。帝は花筐によって女が照日の前であることを知り、一緒に伴って還幸される。

で、今お稽古しているのは、その最期の部分。ここに出てくる打ち方に「結」があります。ポン、ポン、ポポ〜ンという小鼓独特の、打ち手も聞き手も気持ちいい打ち方の変型です。ポン〜、ポン〜ポン、と書いてしまえば簡単ですが、「〜」が難しい。この三回打つ直前に、握り方を微妙に変化させて、二回打ちます。この変化の後にこれです。しかも、勝手に打てばいいものではありません。謡の言葉の定められた位置に、きちんと納まり、しかも打ち手の「よっ〜っ」、「ほぉ〜」の発声もバランスよく出さなければなりません。ここを、クリヤーすると、さらに次は、息をためて、『よ〜おっ」『ほ〜っ」の長い発声が待ち構えています。

それでも、前のめりにならず、ゆっくりと、謡の言葉の後に寄り添う感じで音が出ると、打ち手は気持ちいいものです。シンプルな構造の楽器だけに微妙な音の変化の出し方に苦労しますが、そこが面白いのかもわかりません。秋には師匠の打たれる名作「安宅」(歌舞伎の「勧進帳」です)の公演もあります。ますます、能の面白さにハマる秋になりそうです。

ところで、演劇評論家の渡辺保さんが「勧進帳」という」新書を書かれています。サブタイトルに「日本人論の原像」とあるように、このドラマに登場する三人の男たちは、ある種、男の理想像であることを、ドラマの展開に沿って解説されいます。歌舞伎に興味なくても、面白い一冊です。(300円)

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児童文学誌「やんちゃ」は今号で120号になります。

児童文学には疎いのですが、実は編集責任者がレティシア書房のお隣さんなので、時々読ませて頂いています。

 

今回、ムラタさん(お隣さんです)の作品は長編で、大人の世界を覗いてしまった少年達の戸惑いと、大人たちの深刻な悩みが細やかに描かれています。

認知症の母親を手にかけてしまう息子の話が軸になり、一方で近所の仲良しの小学生3人の心情が綴られています。児童文学をたくさん読んで来たわけではないので、よくは知らないのですが、こんな複雑な深刻なことを取り込みながら、子ども達を生き生きと描くなどという事は、きっととても高度な技だと思います。すごく読み応えがありました。

 

こういう作家さんが、ごく近くに居られるのもご縁です。

というわけで、9月4日(火)〜9月9日(日)児童文学誌「やんちゃ」のさし絵原画展を開催します。(12時〜20時、最終日は18時まで)

まだまだ暑い時期ですが、お越し頂ければ幸いです。

そして、120号も続いている「やんちゃ」を手に取ってみてください。(女房)

 

 

 

http://yanchakyoto.blog116.fc2.com/page-2.html

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「ぼくは二十歳だった。それが人の一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせない」

30年代のコミュニスト知識人にして、サルトルの親友だったポール・ニザンの代表作であり、24才の処女作「アデン・アラビア」の巻頭を飾る一文です。この文章を、覚えておられる方もおられると思います。私も何度か、いろんな方のエッセイに出て来たのを知っています。かっこいい文章だとは、思いますが、まぁね、という感じです。

これが世に出てから40数年後、こんな文章に出会う。

「素敵な女の子がみんな、カリフォルニア・ガールならね………」

ご存知、村上春樹の「風の歌を聴け」の一節です。「かっこいい!」と思いました。

「あらゆるものは通りすぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕達はそんな風にして生きている」

そんな風って、どんな風だ?なんて考えることなく、キャンパスの中を無意味に徘徊していました。私のいた大学は、山が迫っていて、森の中に学舎が点在するところだったので、この本片手に、ブラブラするには最適の環境でした。春樹の小説は、その後、私には全く興味がなくなり、ジャズのエッセイ以外は読んでいませんが、この本だけは、再読しても、やはり「かっこいい!」です。

2002年、梨木香歩の「春になったら苺を摘みに」で、今度はこんな文章に出会う。イスラム人の生活、文化の理解に苦しむイギリス人の老婦人。しかし、

「自分が彼らを分からないことは分かっていた。好きではなかったがその存在は受け入れた。 理解はできないが受け入れる、ということを。観念上だけのものにしない、ということ。」

彼女の、世界にどう対峙してゆくのかストレートに理解できる文章。やはり「かっこいい!」

その翌年。沢木耕太郎の旅のエッセイ「一号線を北上せよ」で、こんな文章に出会う。

「たぶん『北上』すべき『一号線』はどこにもある。ここにもあるし、あそこにもある。この国にもあれば、あそこの国にもある。私にもあれば、そう、あなたにもある。」

北に向かうことに、どこか求道者のニュアンスを含ませた沢木の文章の力強さも、又「かっこいい!」

 

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高倉健さんの新作「あなたへ」が話題みたいですね。舞台挨拶なんか見ていると、今の俳優にはない存在感があって、他を寄せ付けない雰囲気がありました。でも、映画は観に行きません。

もちろん、「死んでもらうぜ。」の決め台詞の「唐獅子暮牡丹」シリーズ時代には、お世話になりました、でも、私には、倉本聰が脚本を書いた「冬の華」で、見事、ヤクザ映画とそのイメージを背負っていた健さんを愛情を込めて葬り去った時に、お別れをしました。

健さんの映画は、一本も所有していません。菅原文太の「仁義なき戦い」(深作欣二作品)シリーズは、すべて所有して、何十回と観ています。何故でしょう?

「仁義なき」=暴力映画と捉えられていますが、そうではありません。観て頂くとわかりますが。文太さん以下、皆さん真面目です。不義理はせず、筋の通らない事には、なんとか筋が通る方法を模索し、冠婚葬祭には必ず出席し、恩を仇で返すようなことをせず、揉め事があらば、対話を重ねるという、裏社会にいながら、余程昨今の政治家、官僚より汗をかいてます。しかし、見事それを、片っ端からぶち壊してゆく山守と打本の二人の卑屈で猥雑な親分。真面目にやろうとしている人間と、平気で踏みつぶして行く人間。その対比が、面白い人間ドラマです。昨今、平気で人の道を踏みつぶす御仁が多いので、山守さんだらけで笑えない状況ではありますが。

男らしい男というイメージで神格化され続けている健さんが、哀れに思ってしまいます。(好きですけど)それよりも、「この、腐れ外道が!」と咆哮しつつも、なんとか筋道のたつ方向を模索し続けた文太さんの「真っ当な」生き方がいいですね、裏社会ですが。だから、健さんの映画は観に行きません、これからも。

 

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映画監督デヴィット・フィンチャーは、金の亡者の跋扈する没落ハリウッドの少なくなった作家性に満ちた人だ。

映画デヴューは「エイリアン3」。ヒット作の三作目でありながら、最もアート性の高かった作品。(興行的には大失敗。主演のシガニー・ウイバーと険悪な関係になり、このエイリアン野郎と罵倒される)男たちだけの囚人の惑星に不時着したヒロイン、リプリー達のおぞましい顛末。暗い。そして、さらに暗い。

そして、キリスト教の「七つの大罪」をモチーフにした連続猟奇殺人事件をベースにした「セブン」。これまた、暗く、おぞましい。湿気の充満するする部屋、雨、水。じとじと。暗い。

その後、「ベンジャミンバトン」、「ソーシャルネットワーク」でまともな映画?も作った後に、挑戦したのが、スウェーデンの作家、ステーィブ・ラーソンの大ヒット推理小説「ミレニアム」シリーズ第一作「ドラゴンタトゥーの女」。フィンチャー的アートのお遊び一杯の面白い映画でした。

彼の映画の一番の楽しさはクレジットです。彼のクレジット集があれば絶対買います。この映画のクレジットも懲り過ぎで、ここまでやるか。さすがMTV出身だけあって映像のまとめ方は見事。どっかの現代美術館で特集してほしいものです。映画は、これまたおぞましい連続猟期殺人のお話。で、後半重要なモチーフになる一軒の家のデザインに懲りまくります。最先端の建築デザインのリビングルーム。しかし、人の温もりに全くない、無機質な部屋。その無機質感を、見事にアートにまで昇華していきます。そいう言えば、「エイリアン3」も無機質感の冷え冷えとした感じが、もう美しかった映画でした。あ〜オシャレな部屋なんて、うっとりしているとカーターナイフの刃がすーっと肌をすべってゆく恐怖にさらされます。

でも、この作家は絶対に、その辺の二流のオカルト映画作家と違って、血しぶきは飛びません。恐怖という概念を美しく見せることが、お好きなようです。「エイリアン3」、「セブン」そして「ドラゴンタトゥーの女」三本連続でご覧になることをお薦めします。蒸し暑い夏なんて、一気にぶ吹っ飛び、心身硬直、天国への道まっしぐらです。

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版画家の山本容子さん。店では人気の作家です。画集、エッセイどれもすぐに売り切れます。

ちょっと、集めてみようと方々捜しました。ネットでも、安くて一冊見つけました。タイトルは『YOKO DOG SELLCTION」。彼女には「ルーカス・クラナッハ」という犬の本がシリーズで出ていますので、その関係かなと思って購入しました。

しかし、何か違う。犬のイラストなんですが、????な感じです。で、最期のページの著者略歴を見てびっくり。同姓同名の画家でした。しかも、キャリアのある方で、アメリカンドッグアソシエーションの特別賞も受賞されています。犬を擬人化した作風ですが、漫画でもないし、写実画でもない、クスっと笑えそうな一冊でした。失敗は失敗ですが、こういうこともあるんだということですね。もう一点注文した「山本容子の美術旅行ルナ+ルナ」は、きちんと入荷しました。

面白い本見つけました。裏千家のお茶の雑誌「淡交」に掲載されものをまとめた「千利休 淡交精華」。執筆者は今東光、生島遼一、海音寺潮五郎、脚本家の依田義賢、歌舞伎役者の坂東三津五郎等ズラリ並んでいます。サブタイトルに「利休居士四百年遠忌記念」と書かれていて、それぞれ利休に関する文章を寄せておられます。おそらく、お茶関係の方々に配布された本だとおもうのですが、この執筆陣を見ると、中身を見たくなります。

 

 

 

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お客様に、ゼストの地下街のH書店はいいよ、と教えていただいた。

えっ、あの閑古鳥が、群れで巣を作ってるような、あの商店街の書店が?? 疑問符だらけですが、行ってきました。

「文学」というインデックスが差し込まれた辺りで、オ〜ッ!と思いました。「三月書房」並に編集工房ノアの渋い本がずらり。現代詩や、海外文芸、書評の本、エッセィのラインアップの品の良いこと!一見すると、何の脈絡もない本が並んでいるようですが、担当者の書物への愛着が感じられます。善行堂さんが書いておられた雑誌「アイデア」の美しい本特集号もちゃんとありました。そこで、幻戯書房発行の小林信彦「四重奏」を見つけ、しかも平台に積んであったので、迷わずゲット。魚雷さんや、ハルミンさんの書評関係も積んでありました。新刊書店にいたから分かりますが、これらの本の大半は基本的に買取のはず。売れなかった時の危険を考えると、フツーは棄権します。おそらく、どうしても売りたいという熱意が、こういうコーナーを作らせたのでしょう。私も作りました。そして、残った時、散々拝み倒して返品取ってもらったり、自分で買ったりと昔を思い出しました。いい本屋さんです。しかし、唯一残念なことは、商売やったことないノータリン役人が作ったこの商店街に、客が来ないということです。ほんま、責任者出てこい!です。

先日、ご来店の若い女性。楽しそうに本のことお話していただきました。聞けば、どうしても書店で働きたくって、故郷を出て、京都駅前のS書店で働きは始められたとか。お休みの日は、自転車で古本屋巡り。その熱心さには、頭が下がります。お店では児童書の棚のお仕事も担当されいるとか。がんばって欲しいものです。

10月末には、大阪でちょっと面白い古本市も開催されます。(レティシア書房も参加予定です)これを企画した女性は、小さな古書店をされています。新刊書店も、古書店も若い方が、今までにない発想で面白い事を企画して、本好きの人を増やしてもらいたいものです。

 

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チェコ絵本60冊程入荷してます。安くはありません、でも人気です。

いつの頃からですか?チェコを筆頭に東欧諸国の絵本が人気になったのは?

チェコとくれば、カレル・チャペック。チャペックといえば、犬のダーシェンカです。6種類程入荷しましたが、やはり一番人気です。電話での問い合わせもありました。早々に売れて行きました。ダーシェンカの写真の可愛らしさもさることながら、イラストを含めた全体のデザインの愛らしさが受けているみたいです。

チャペック以外では、「サーカスのミーシャクリチカ」シリーズもキャラクターの小熊の愛らしさと、サーカスを描いたイラストの色合いが面白いシリーズです。

私のお薦めは、アンナ・ジョールフィの”mosa masa mosodaja”。カラフルで楽しい一冊です。ま、チェコ絵本は、だらだらと下手くそな文章で書くより、写真で見て下さい。