大手出版社の規模には負けますが、愚直に素敵な本を送り出してくれる出版社を応援します

「夏葉社」

会社のすべてを1人でやっておられる島田さん、忙しいのに二回も営業に来て頂きました。「星を撒いた街」、「昔日の客」、「さよならのあとで」、「近代日本の文学史」と文学好き青年が一途に、精魂こめて送り出した本の数々。帯の文句も秀逸です。「星を〜」は「30年後も読み返したい  美しい私小説」(この空白部分が美しいレイアウトです)。「昔日〜」は「古本と文学を愛するすべての人へ」。「さよなら〜」は「いちばんおおきなかなしみに」。「近代〜」は一言「必携」。簡素にして、その本のすべてを物語っています。もうすぐ、「星を〜」の上林暁のエッセイ集が入荷(写真参)しますが、それも楽しみです。どの本も手触り良く、猫を撫でるみたいに、撫でていると不思議と落ち着いた、そして豊かな気分にさせてくれるものばかりです。

「ECRIT/エクリ」

先日、代表の須山さんがご来店されました。ここが出版する本はどれも美しい。繊細な感覚で、丁寧に作り出した本とでも言うべきでしょう。ロシアの映画作家タルコフスキーのお父様の詩集「白い、白い日」、ロベール・クートラスニ作品集「僕の夜」、長田弘の詩画集「空と樹と」、アンドレ・ブルトン&ポール・エリュアール+宇野亜喜良「恋愛」そして。私がこの出版社を知るきっかけになった本、「樹と言葉」。西行、宮沢賢治、串田孫一、松浦弥太郎、いしいしんじ、そして細野晴臣までズラリ並んだ作家達が興味深い一冊です。この出版社のイメージは真っ白、それも高貴なまでの白さです。

 

「ミシマ社」

ここを、小さいと言っては失礼かもしれません。京都にも営業所があって、専属の営業マンがいますからね。でも、通常の新刊書店の出版社〜取次ぎ(問屋です)〜書店のぬる〜い関係を打破し、熱心に売ってくれる店を開拓し、そして読者の知的興味をそそる本を連発する、極めて小回りのきく出版社です。最新刊は、私も大好きな内田樹教授の「街場の文体論」です。教授生活最後の半年の講義。「クリエィティブ・ライティング」14講義をまとめたものです。 著者曰く、文学と言語に関しての最後の一冊とか。平易で、ユーモアたっぷりの導入から、一気に高度な論へと読者を誘う内田節の魅力一杯の一冊です。この出版社の本を長きにわたり平台で展開する書店には、間違いなく熱心な、本好きな書店員がいる店です。

 

 

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7月31日よりARK写真展「犬生、猫生、人生」が始まります。

ARKは、イギリス人女性エリザベス・オリバーさんが数十年前に、様々な理由で捨てられたり、或は暴力を受けたり、飼育放棄された犬、猫を助け出し、その傷を癒して、新しい飼い主を見つけるために設立されたNPO法人です。大阪豊能郡のARKには、数多くの犬、猫たちが新しい飼い主を待っています。

私とARKとのお付き合いは、もうかなり前からになります。ARKには、住居の事情で犬や猫を飼えない人のための、スポンサー制度があります。これは、自分がスポンサーになりたい犬、猫の飼育に必要な経費の一部を出資することで、親代わりをする制度です。まぁ、足長おじさん的制度ですね。この制度を利用して、何頭かの犬のサポートをしました。もちろん、会いに行きたくなったら、いつでも会えます。サポートしていた犬が死んだら、次の犬を見つけて、毎月お金を送金するということを、もう何年もした後、私も犬飼える環境が整い、我が家に初めての犬マロンがやってきました。

オリバーさんの本を読んでいると、神戸の大震災の時にヘリコプターを飛ばして、路頭に迷う犬、猫たちを救助した話が出てきました。当時、人間のための救助も覚束ないのに、動物を優先するなんてという批判もあったみたいです。しかし、オリバーさんは、命に順列はないという考えで、この作業を敢行しました。そして、福島の震災後、やはりARKの機動部隊が震災の地に入り、レスキュー活動を展開しました。人間の命も、動物の命も重さは一緒。人を救う人間、動物を救う人間、どちらがいてもいい。この考え方には、全く異論はありません。写真集のタイトルは「犬生、猫生、人生」です。つまり、どの種にとっても「生」は等しく尊重されなければならないということです。

その精神に乗っ取り、我が家ではマロンも、べべも、この猛暑を乗り切るクールな敷物を共有しています。

とろで、このたびオリバーさんが、かのエリザベス女王から、その動物福祉と市民社会への啓蒙活動に対して、大英帝国勲章MBEを授与されることになりました。設立から今日までの孤軍奮闘お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

 

これ、宮沢賢治の生前唯一発表された詩集「春と修羅」に入っている長編詩の題名です。とにかく、長い。手元にある筑摩書房版「宮沢賢治集2巻」では、ページ数にして16ページ全9章。しかし、とんでもなく面白い詩です。

「わたしはずいぶんはやく汽車からおりた」で詩は始まります。農場へ行く道すがらのことがスケッチ風に語られてゆきます。「夏みかんの明るいにほひ」、「透明な群青のうぐひす」等に心奪われながら、徐々に酩酊し、トランス状態へと向かって行きます。空を飛ぶひばりを見て「そらのひかりを吞見込んでいる/光波のために溺れている」と感じ、そして農場に近づいていきます。

もうこの辺りの描写から、農場の風景なのか、それともトリップ状態の詩人の心象風景なのか判別不能になってきます。季節は春、咲き乱れる桜を目前にして、「なんといふきまぐれなさくらだろう/みんなさくらの幽霊だ」とケラケラ笑い出し(と想像します)、狂喜に満ちた詩人は、恐ろしい速度で言葉を紡ぎます。

「すべて水いろの哀愁を焚き/さびしい反照の偏向を戯れ」て、やがて「たよりない光波のふるひ/すきとおるものが一列わたくしのあとからくる」幻想に襲われ、「すあしのこどもらだ」と、その姿を表現する。やがて、「みちがぐんぐんうしろから湧き、過ぎて来た方へたたんで行く」と、映画「インセプション」に登場する脳内風景が広がっていきます。

いつの間にか雨の降り出した畑で、作業する農夫に次の盛岡行きの列車の時刻を尋ねる。「ずいぶん悲しい顔のひとだ/博物館の能面にも出ているし/どこかに鷹のきもちもある」というわけのわからん評価をしながら、会話のような、そうでないような独り言みたいな描写が続きます。もうこの辺から、ついていけません。でも、言葉の魔力で、こちらも酩酊してきそうで、ずるずる、ぐずぐずと最終章へと向かいます。私も、この辺は理解不能なんで飛ばします。

最終章で、恋愛と性欲についての意見が突然飛び出します。まぁ〜歩いている時ってのは瞑想しやすいですからね。そして、締めくくりはこうです

「すべてさびしさとかなしさを焚いて/ひとは透明な軌道をすすむ/ラリックス ラリックス いよいよ青く/雲はますます縮れてひかり/かっきりみちは東へまがる」

次元を飛び越え、天と地と交信し、己の心象風景に恐れたり、戯れたりしながら、錯綜する魂の拠り所を求める宮沢賢治らしさ満開の詩です。退屈と思うか、ラリって心地よくなるかお試しを(全集なんで店頭にが出てませんが、この全集は各500円です)

 

 

 

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目下、レティシア書房では妖しい世界が広がっております。

 

「Kyo Nakamura Print Works 2009〜2012」

 

舞踏家TAIZOさんをモデルにした作品は、時間が止まり音が消えて、赤い血が流れているこの世の者とは思えない。あるいは、マネキンの透明感のある顔を捉えた作品。今にもふと動き出しそうです。そしてまた、琵琶湖の畔の風景写真は、ヨーロッパ映画の1シーンのよう。

 

中村さんの世界は、今生活しているところから微妙にずれた異界を思わせる独特のものです。なんといっても写真自体がとても美しい。

 

ご本人は元ロッカーの面影を残した(?)穏やかなオジサンです。

かれこれ30年の長いおつきあいになります。

昔、撮影現場のお手伝いをしたこともありました。そうそう人手不足で急遽モデルになったこともありました!私、血色いいし、異界の人にはみえないですし、もちろん顔は隠しておりましたが。

 

中村さんは作品を並べながら「前から一度本屋で個展したかったんだ。」って言ってくれました。

一緒にお手伝いしながら、すっごく嬉しかったです。

 

暑い夏、本屋の壁に並んだ非日常の世界を覗きにおこしください。(女房)

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というアクション映画を観るのは、不可能になりつつあります。絶滅危惧種と言うべきですね。

映画パンフレット整理して、お客様と映画談義なんかしていると、そう思いますね。昨日はマックの「ブリット」が売れました。カーチェイスシーンの古典的作品ですが、今時のそれとは違って、うるさくありません。グォー〜ン、ブォ〜ンの高速回転するエンジン音に、ズドズド、ギュ〜ィ〜ンのうるさい音楽。「ブリット」は追っかける方も、追われる方もひたすら黙っています。もちろん、音楽なんてありません。クールな美学に貫かれた傑作です。そういう映画はタイトルバックも超クールです。

ケネディ大統領暗殺の黒幕を描いた「ダラスの熱い日」とか、ウォーターゲート事件の顛末を描いた「大統領の陰謀」の如き良質の政治サスペンス映画も、なかなかお目にかかりません。あるいは、フランスドゴール大統領暗殺未遂を描く「ジャッカルの日」。追っかける側と追う側の頭脳戦。この三本に共通しているのは、脚本がしっかりしていること。キャスティングが見事なこと。音楽が映画を邪魔しないこと。そして、キャメラワークが、脚本をきっちりと映像化していること。「大統領の陰謀」で新聞記者二人が、社内を突っ切り、編集主幹を追いかけるシーンをワンカットで捉えたシーンなんか、もう何度観ても感動ですね。このシーンは日本映画「クライマーズ・ハイ」の監督が作品へのリスペクトとして再現していましたので、やはり感動させていただきました。

もちろん、大作や、話題作もやはり面白い時代でした。「イージーライダー」みたいな超お手軽映画も、「ゴッドファーザー」みたいなアメリカ版大河ドラマも、映画の没落と同時にアメリカの衰退を描いた、暗〜く、惨めな「ラストショー」でさえ明るく輝いていました。

下手くそな脚本に、過大なCGをどっぷりかけて、ギャーギャー言うだけの音楽をまぶして、ノウテンキな映画を大量生産するハリウッドに、ウェルメイドな映画が出来っこありません。もちろん、映画職人としてがんばっている人もいます。そんなアルチザン達を応援してあげるのが、映画を愛して来た者の務めですね。

「ブリット」が売れてしまったので、今在庫しているパンフで、このブログのタイトルにぴったしのものは、フランス映画「仁義」です。イブ・モンタンのカッコいい事。崩れ落ちる男の最後の美学とでも言うんでしょうね。この映画に出て来るフランス野郎はどちら様も、大人な魅力一杯です。

 

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本日より「Kyo Nakamura Print Works2009−2012」開始です。

ゴシックロマンの香り溢れる個展です。これらの写真群を言葉で説明すると、雑誌「ユリイカ」調になってしまって、この猛暑でただでさえ頭が回らないのに、余計な負荷をおかけする事になるので、先ずは観てください。

 

 

 

 

 

 

DMを手に持たれた方の反応は、コワイ、とか気持悪いとか、はたまた絶句とか、しかし、逆にかっこいいいっす!という意見まで千差万別。ギャラリー始まって以来の様々な反応が起こっていて、とても面白い個展になりそうですね。DMの写真だけだと、恐怖心を感じる気持ちわからなくはありませんが。レジ横の壁にズラリ並んだ作品を観ていると、ある種の静寂感に包まれて、案外落ち着くものですね。

ゴスロリ系少女の皆さんにもぜひ、ご来場賜りたいものです。そして、作品と共に展示してある幻想小説をご覧ください。今回、通常価格よりディスカウントです。値下げ幅は、ぜひご相談を。暑さで脳天いかれた店長がとんでもない値段を口にする可能性は高いです。

「シャルルノディエ選集」全5巻とか、「アーサー・マッケン作品集成」全6巻といった全集ものから、「ブラックウッド傑作集」、「死んだ教区」といった単品ものまで、幻想小説ファンは見逃せません。(セール/展示会共29日まで)

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祇園祭りクライマックス鉾巡行です。

TVで中継していたので、見ていたら不思議な気分になりました。

それは、四条河原町で、鉾が辻回しのため停止していました。カメラはいつもなら多くの人や車が行き交っているのに、全く人も車もいない河原町の交差点を捉えます。まるで、天から鉾がこの世界に降り立ったような感じ。ちょっとSFっぽい静謐な空間がそこにありました。そして、堂々たる鉾は、もうセコくて、あきれかえる程アホな人間をせせら笑うように佇んでいます。

お前、そこの某電力のお前、公聴会で「放射能で人は死にません、未来も」と発言したあんたの事やで。よくも、まぁあんな発言を??我が家の愛犬、愛猫の方が余程、状況を読みます。鉾に笑われながら車輪の下敷きになればよろしい。

会社からのお駄賃でへれへら発言したんでしょうが、沖縄のガールズバンド、ネーネーズも「黄金の花」でこう言ってます。

「黄金の花はいつか散る」って

 

ところで、コンコンチキチンのお囃子ですが、四条烏丸から出発して、河原町経由で鉾町へ戻る時、戻り囃子となってスピードアップします。そのピッチの変化が、カッコいいです。前にも書きましたが、その国に根付いている固有のリズムは、どれもこれも愛しく、涙が出てきそうな哀愁を感じさせるもの、踊りだしたら、もう止まらないものと様々ですが、一致しているのは、リズムこそ、人を良きものに変えてしまうという魔力です。鼓童のCD「「モンドヘッド」。伝説的ロックバンド「グレイトフルデッド」のミッキー・ハートのプロデュースで、もう各国の土着のリズムが乱れる怒濤のサウンド。

暑い国のサウンドが、トランス状態一歩手前の狂乱になる時、能舞台でお囃子とお謡が、独特のサウンドで眠たくなる寸前の気持ち良さに誘う時、人は幸せになります。音楽で人は救えるほど、甘くはないと思います。しかし、自由に音楽が楽しめる平和を、音楽は求めています。さっきの貴方、たまには音楽を聴こうよ。少しは成長するかも。

 

 

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パンフレットが到着しました。

量が多いので、一度にご紹介できませんが、折りにふれアップしていきます。

17世紀フランスの詩人、作家のシャルル・ベローの傑作童話「ロバの皮」を、カトリーヌ・ドヌーブが主演した「ロバと王女」、そして、ディズニーの長編アニメ「眠れる森の美女」。こちらは、正方形に近い変型パンフレットです。中を開けると、1971年10月1日オープンのウォルト ・ディズニー・ワールドの紹介が載っています。つまり、それぐらい古いパンフレットですが、昨今のディズニーには見られない繊細な芸術性溢れた画面を楽しめます。

大体、パンフの中のエッセイは映画評論家が書いていますが、おっ、あんな作家がこんな所でというのを見つけることもあります。例えば、ピエール・ノール原作のスパイもの「エスピオナージ」では虫明亜呂無が「研ぎ澄まされた映像のエッセンス」と題した評論を書いています。また、福永武彦原作の「廃市」を丸ごと一冊研究した「アートシアター154」では、映画作品の研究と同時に、小説についても研究がされている。少しながら、福永貞子さんの手記も載っています。

一方、ファッション雑誌顔負けのレイアウトや、構成で魅力的なものもあります。我がレティシア書房のレティシアというヒロインを「冒険者」で演じたジョアナ・シムカスの出演した「オー」のセンスのいいミニスカート姿や、渋い魅力一杯の二人の男の着こなしがかっこいい「列車に乗った男」、黒のタートルネックかくありきのS・マックィーンの「ブリット」等々。

もちろん、貴方や貴女の青春時代を飾った「グリニッチビレッジの青春」、「ペーパームーン」、「ラストショー」など、あ〜若かったわね、あの頃は、と感傷に浸れる作品も一杯です。

200円から、ちょっと高いものまで色々あります。お宝もありますよ。

 

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7月13日堺町画廊で開催された脱原発のTシャツを作るワークショップに参加しました。

 

2~3日前、堺町画廊のオーナーのフシハラさんに出会い、ワークショップのチラシをもらったのです。

一目で「面白そう!」と思いました。(でも時間あるかな〜参加できるかな〜)

 

夕方、仕事の合間にコピーに走って貼り合わせた原画を作って、汗かきかき雨の中を画廊まで走り込むと、7〜8人の参加者がワイワイ楽しそうに机を囲んでいます。こういう制作現場の熱気は久しぶり。

作ってきた原画をスキャナで取り込み特殊な紙に反転写。

反転写されたデザインの縁ギリギリのラインをデザインカッターで切り取り、Tシャツの上に置き、特別なアイロンでプリント。

原画はパステルでも、絵の具でもモノクロでもカラーでもなんでもあり。

みなそれぞれ個性的な図柄で、楽しいTシャツが次々出来上がります。

デザインカッターで切り取るのがけっこう大変な作業ですが、ここを他人任せにすると達成感はありません。

私は仕組みがよくわかっていなかったので、複雑なエッジになりましたが、昔、デザイン事務所で働いたときの経験が生きました。

いやぁ〜人生何をやってもいつかどこかで役に立つもんですな。

 

大急ぎのわりにはなかなか良い出来!と自画自賛。

レティシア書房というロゴが入っていたので、それを見て「あ、レティシアさんですか?」などと声をかけて下さった方もいて、またご縁が広がりました。

企画された堺町画廊さんに感謝です。そして、プリントのワークショップを指導して下さったニシウチさん、ありがとうございました。

 

脱原発をテーマにうちでもこのワークショップやりたい!!

 

Tシャツっていうのが、とっつきやすく、アート心をくすぐりますね。(女房)

 

 

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香港映画「男たちの挽歌」のお話ではありません。

でも、「男たちの挽歌」って映画は面白いですね。特にPART-2なんか、もう何十回も観ています。突っ込み所満載のハードボイルド。高校生でも、もうちょっとマシな脚本書くよ、というぐらいのご都合主義的お話。撃たれて瀕死状態にも関わらず、電話でぺらぺらしゃべり続けるヒーロー。6連発の拳銃にも関わらず、無尽蔵に弾丸が飛び出す、ドラえもんも真っ青の不思議な拳銃。撃って下さいとばかりに銃口の前をうろちょろ走る悪者達。聴いている方が恥ずかしくなって、赤面しそうな歌。みなさん、ここで泣きましょうの制作者の涙ぐましい努力は分かるんですが・・・・。

そんな映画、なんで何回も観るんだ、という突っ込み返しを受けそうですが、この幼児性、いい加減さの中から生まれる「男たちのかっこいいごっこ」への憧憬こそ、男子の本懐であり、そこに踏みとどまり、未来へと向かわない、次の時代にはそぐわない生き物「男」のタイトル通り「挽歌」なのです。

で、今日のテーマは、先日も気合い十分のブログで反響を巻き起こした(と思っている)、青幻舎の「アティテュード 男たちの肖像」の事です。この本こそ、「男たちの挽歌」というタイトルに相応しい、と思います。えっ〜、この男達が好い加減で、後ろ向きだって!と本をお買い上げいただいた方はお怒りになられるかもしれませんが、まぁまぁ落ち着いて。

己に対する美意識、自己愛、我がまま、自己批判、、第一線に踏みとどまっている陶酔感、と同時に落ちて行く恐怖で、日々がんじがらめになって、今日を生きる。まっ、「俺たちに明日はない」みたいな格好良さごっこへの、どうしようもない憧憬を、冷静に未来志向できる女性の写真家があぶり出しています。ナルシストであろうとする自分と、それを破壊しようとするもう一人の自分の相克のドラマとも言えるものが、この本には色濃く出ています。

本日5部再入荷しました。おっちゃん、おにいちゃんを問わず男たちに観てもらい、こいつは俺だと、一人ニンマリする楽しみに浸ってもらいたいものです。

 

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