最初のお断りしておく。いかなる理由でも、戦争は認めないのが私のスタンス。しかし、敬礼の出てくる映画ー即ち戦争映画は大好きなのだ。日頃はマイナーな映画ばかり追っかけているのに、DVDコレクションはその手の戦争映画ばかりなのだ。

 スピルバーグ作品「プライベートライアン」。亡き上官への深い追悼を込めた敬礼シーン近くなるともうだめ。じわ〜っと涙が(もう10回近く観てますが、毎度…)  

 あるいは「眼下の敵」。国こそ違えプロとしの力量を認め合った二人の艦長が交わす敬礼。「カッコイイ」。おそらく、その手を上げた瞬間の静かな佇まいに、少年時代からの艦長という職業への憧れと羨望がよみがえる。

 「ファイナルカウントダウン」という作品があった。アメリカ海軍の空母がタイムスリップして、真珠湾攻撃に向う日本軍と衝突する荒唐無稽なお話。そのラストで空母離陸する戦闘機のパイロットが、コックピット内からチラット地上支援員に敬礼しながら飛び立つシーンがあり、このシーンみたさに何十回も観てしまい、ビデオテープはぼろぼろになってしまった。

 と、おばかな行為を未だに飽きもせず、繰り返しているのだが、一つ教えられた事がある。それは、明らかな意志、気持ちを込めた身体行動、例えばお辞儀の所作。少なくとも、お店に来て頂いたお客様には感謝の気持ちを込めた敬礼、じゃなくお辞儀を忘れてはいけないという事を艦長や兵士から学んだこと。けだし、映画とはすごい存在ではある。(店主)

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 高校三年。今はもうない京都書院二階で一冊の本に出会った。植草甚一「映画だけしか頭になかった」まるで、映画を観ながら思いのまま書いた文章。リズムとビートが聴こえてくる、この人に導かれ海外文学、JAZZ、ROCKの魅力を浴びせてもらった。と同時に、これらの著作を出版していた犀のマークの出版社、晶文社にも魅入られるように、ここの出版社なら信用できると思い買い込んだ。レイ・ブラッドベリーもナット・ヘントフも、山下洋輔も、川本三郎も、双葉十三郎もこの出版社だった。 

 そして、大学。当時まだ学園紛争の残り火が燃えていた時代。友人たちが集会に行く中、背を向けて映画館とJAZZ喫茶に入り浸りの日々。これでいいんだろうか?  そんな時、これでいいんだ。好きなことだけに目を向けていいんだ。と思わせてくれたのも、やはり晶文社の本だった。その後、社会人になり、ひょんなことから、書店業界に足を突っ込む事になったのだが、やはり晶文社は気になる出版社だった。  もう、植草甚一の新刊は出ていなかったが、坪内祐三との出会いがあった。彼の「ストリートワイズ」を読んだ時、あのリズムとビートを思い出し、好きな事だけやってれば良いんだ的ウキウキ感が蘇ってきた。                 

来春、古本屋を開業する。願わくは、このウキウキ感のある書店を目指したい。 古本市に行くと、つい犀のマークの本に手を出てしまう。どうも、このマークは私には麻薬みたいな存在なのかもしれない。(店主)          

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1994年、秋。当時住んでいたアパートのドアの前で子猫を拾ってしまいました。寒さに耐えかねてか、帰宅した私のスニーカーの上にちょこんと載ってきた猫に「ここは動物禁止やねん。」と言っても聞きません

 

 仕方なく抱き上げて部屋に入れたのが、猫のレティシア。茶色のシマのある子猫は「トラ」か「たま」と呼ぶに相応しい面構えでしたが、映画『冒険者たち』のヒロイン、あの忘れ得ぬレティシアという美しい響きが心によみがえり、猫の名前は決まりました。

 

 連れ合いは「ほんまにこれをレティシアと呼ぶのか?」と笑っていましたが、2年前15才で天国に旅立った猫は私達にとって宝物でした。子猫を拾った当時、彼は長い間やってきたレコード屋から、慣れない本屋の店長に移動したばかりでした。もともと星野道夫や宮沢賢治に傾倒していたのが、動物(小さな猫1匹とはいえ)と共に暮すことをきっかけに、犬や猫の本が充実していき、お客様も増えたそうです。そして念願かなって来年開店することになった店はとうとう「レティシア書房」になりました。(女房)

 

 

 

 

 

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「レティシア」と聞いて、フランス映画を思い起こしたあなた、そうです。レティシアとはロベール・アンリコ監督の『冒険者たち』(1967年)のヒロインの名前です。この映画は男二人、女一人の三角関係を軸に、彼らが夢を追いかける甘く切ない青春映画です。

それまで、イケメンのアラン・ドロンの切り抜きを空き缶にためていた中学生は、この映画から男は顔とちゃう!と、リノ・ヴァンチェラの魅力にはまりました。私にとっては、現在に至るまで40年以上映画を見続けるきっかけになった作品です。目を閉じれば、テーマ音楽の口笛が聞こえてきます。

そして、そして、あの時のジョアンナ・シムカスの可愛かったこと。素敵なジョアンナ・シムカスが演じたレティシアという名前は、それから長い間忘れることはできませんでした。

ジョアンナ・シムカスは『冒険者たち』や『オー』など4〜5作品に出演した後、輝いている真っ最中に、黒人俳優シドニー・ポワティエと共演したのをきっかけに同棲。さっさとスクリーンから去りました。私が高校生くらいのことだったと記憶しております。

数年前、アカデミー賞の授賞式で、シドニー・ポワティエが名誉賞かなんかをとった時、スピーチで、「美しい妻と子供達に感謝する」と言うと、カメラがその妻ジョアンナ・シムカスを捉えました。わ、まだ二人は一緒やったん!と画面に向って叫んだものです。(女房)

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「レティシア書房の女房」ブログ、やっと開店です。来年3月6日までの間のドタバタを公開しますんで、お笑いください。