京都シネマで上映中のドキュメンタリー映画「先祖になる」をみました。

朝、「おはようございます」と黄色のメガホンで山の上の友人に大きな声をかける爺さんの姿。それに呼応する「おはようございます」の大きな返事。

メガホンですよ。

まずこの冒頭の場面に魅かれました。

 

この爺さん佐藤直志さんは、77歳。陸前高田に住む木こり。津波で家を流され、消防団をしていた長男を目の前で亡くし、想像を絶する悲しみの中、もう一度同じ場所に家を立て直す為に立ち上がります。木こりだから山から木を伐り出し、先祖から受け継いだ土地に、地元の大工の手で家を再建するんだ、という極めて当たり前のことを、淡々と実行していきます。

 

茶目っ気と色気の漂う直志さんの魅力に引き込まれます。「人間力」という言葉が頭にうかびました。きっと敗戦後もこうして人は立ち上がったのだと思いました。生きていくっていうのは、どんな悲惨な状況下でもどこか可笑しく、何度も笑い、そして力強さに感動しました。

 

池谷薫監督のコメントに「徹底して『個を』みつめることで、普遍性をもった面白い映画がつくれる」とありました。表現の真髄だと思います。いい映画を味わいました。感謝です。(女房)

 

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本日より”EUSOL MUSIC COLLECTION Vol.2”開催です。今回は、テーマがワールドミュージック。世界には、こんなに多種多様な音楽があるんだ!とワクワクの展示即売会です。

私のお気に入りを紹介します。

ハリス・アレクシーウー。ギリシア出身のシンガーです。ギリシアのみならず、ワールドワイドに活動していましたが、2008年に引退しました。エキゾチックな香りを漂わせながら、ヨーロッパ的な哀愁あふれた音楽は、多くの方に聴いていただきたいシンガーです。

次にインドへ飛んで、80年代前半、突如音楽シーンに登場したシンガー、モンスーンとシーラ・チャンドラ。西欧からインドへの憧れを、やや強引にポピュラー音楽に取り込んだサウンドです。今聞き直すと、そんなに「あこぎな」音作りではなく、部屋で流してるとリラックスできそう。

さて、今度は東ヨーロッパへ。となるとジプシー系サウンドですね。ジプシーキングスは有名ですが、日本ではほとんど知られていないバンドもあります。

そして、ブラジルは今回のメインです。ボサノヴァを中心に、多くのコレクションが揃っています。昼寝に良し。夜のお酒の伴侶にも良し。もちろん読書タイムにもぴったり。豊富に揃いましたので、あなたの一枚を探してください(試聴可)。都会的な洗練されたものなら、アントニオ・C・ジョビンのこの1枚です。70年代に「洗練」というキーワードでボサノヴァを流行させた傑作です。

なお、音楽雑誌レコードコレクターのバックナンバーを150円で販売しております。

 

★お知らせ 5月11日(土)行灯社ライブです。

 

 

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マーグリート・ポーランド作、リー・ヴォイト絵の「カマキリと月」(950円)が届きました。サブタイトルに「南アフリカの八つのお話」とあるように、カマキリ、カワウソ、ジャッカル等南アフリカの厳しい自然を生き抜く動物たちを通して、この地に住んでいたサン(以前はブッシュマンとも呼ばれていました)の世界観をお話に仕立てた児童文学です。

作者のマーグリート・ポーランドは二作目に当たる本作でパーシー・フィッツパトリック賞(英語で書かれた南アフリカ共和国の最優秀児童書の授与される賞)を受賞しています。そして、素敵な挿絵を書いたのは彼女の従姉にあたる野生動物画家のリー・ヴォイト。第二編の「小さなカワウソの冒険」に登場するシティニのすくっと立った絵が印象的です。

若いカワウソ、シティニが老カワウソ、パパンクルに、世界とは何かを教えてもらう旅の話ですが、最後はこう終わります。旅を終えたシティニは、パパンクルの前で笛を吹きます。

「聞いているうちに、老カワウソの心の中には、シラクルの木の葉がそよぐ音や、アシをわたる風の音や、水鳥たちがかん高く鳴きかわす声がよみがえってきました。それは、人間たちがダムをつくる前の遠いむかしの歌でした。ゆったりと平和に、何ものにもみだされず、ゆうゆうと流れていたころの、古い歌だったのです」

何処からお読みいただいてもきっと、登場する動物達が心の中に住みつきます。私は「雨の牡牛」が好きです。

蛇足ながら、この本を翻訳したさくまゆみこさんは、堺町画廊で開催されていたナイジェリアのバティック(ろう染め)の展覧会で、反アパルトヘイト活動の方に原書を見せてもらい、この翻訳に関わったとのことです。

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「日々」、今回の特集は「籠が好き」です。大体こういう特集の巻頭を飾るのは、ちょっと可愛らしい女の子が、いかにも手づくりの籠を持ったポートレイトですが、さすが「日々」です。なんと、「かご男子」の特集からスタートです。それぞれ素敵な男子ですが、おっ!と思ったのは「食堂アンチへブリンガン」オーナーシェフの大久保さん。自転車に乗って籠をぶら下げて築地へお買い物。行った事がないけどお店の雰囲気まで見えてきそうです。気に入ったのはお店の名前。小津安二郎の映画「秋日和」に登場する架空の薬の名前で、このクスリを巡って楽しいやりとりが映画で観る事ができます。

籠を巡る楽しい記事は続きます。伊藤まさ子さんや、飛田和緒さんがお気に入りの籠を持たれている写真や、日本の籠、外国の籠といろんなジャンルに分けた写真、素材別の籠、さらには籠の多種多様な使い方の写真まで、籠の魅力に満ちた号です。945円です。

 

一方、津発の「kalas」19号のコンセプトは「幸せな孤立」。地方から発信しているつもりが、いつの間にやら画一的な言葉でモノ、ヒト、マチを語っている自分に気付いた時、その画一化の危険に対峙しつつ、いかに新しい発想で見つめるかをコンセプトにした特集です。この雑誌の優れた点は、先ずコンセプトを決めて、それに沿って津の町に生きる人達を探し求めることです。精肉屋さん、タオル屋さん、大工仕事の傍ら、版木製作に打ち込む職人、そして詩人と、この町で、それぞれの言葉で、それぞれの方法で生きている人達が紹介されています。

津発の雑誌ですが、津に拘ることなく、ほんとカラスみたいに方々へ飛んで行きます。岐阜へ、尾道へと「わが町」に生きる魅力的な人、場所を求めて移動します。岐阜で開催の「ハロー!やながせ」にも注目。メインイベントの「一箱古本市」のスタッフでもある愛すべき古書店「徒然舎」の廣瀬さんの写真も載っていました。可愛らしいカラスの栞付きで600円です

ところで、農文協が発行している雑誌「うかたま」で「津的なモノ巡り」という特集でkalas×うかたまのコラボ記事が読めます。

特報!!

公共施設をめぐるミニプレス「しのそのへ」の最新号は、ついに京都です。巡る場所は、京都市動物園そして、後二箇所。これが、オ〜〜〜〜と、京都人でもあんまり行かない場所でした。さて、それは??発売まで、もう少しお待ち下さい。

 

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今年のアカデミー作品賞「アルゴ」、やっと観ることができました。監督、主演ベン・アフレック。監督作品としては3作目です。アメリカでは、監督、主演できるという意味でC・イーストウッドの後継者として評価されていますが、作風は全然違います。しかし、完璧な脚本、そして違和感のない役者を揃えて、CGに頼らない製作手法は似ています。前作の監督、主演作品「ザ・タウン」(2010)は犯罪ドラマとして秀逸でした。犯罪に走る鬱屈した下町の青年の感情の描き方は見事でしたが、イーストウッドなら笑ってしまいそうな詰めの甘いエンディングでした。しかし、今回の「アルゴ」は、お見事!でした。

70年代、イランで起こったアメリカ大使館占拠事件。その渦中で大使館から脱出した6人の職員を無事に国外に脱出させるを描いたサスペンス映画です。架空の映画製作をでっち上げて、イランにロケハンに来ていたカナダ人に化けさせて出国させるという荒唐無稽な計画を実行したCIA工作員の話がベースになっています。

一歩間違えば、愛国的な映画になりそうな題材を絶妙のバランスで、極上のサスペンスに仕上げている手腕はなかなかです。「何もせず、威張り散らす奴ばかり、それがハリウッドだ」という台詞にあるとおり、ハリウッドへの皮肉と諧謔を交えながら、全編、当時の状況を再現し、細部まで一切の手抜きをやらずに(おそらく、ハリウッドの資本家との金銭をめぐるバトルも相当あったでしょう)作品をまとめた能力は、一級の職人技です。ラスト、30分の出国までの演出は、まれにみる緊張感でした。これ、劇場で観た人は冷や汗ものだったでしょう。

扱いにくいテーマを、あざとくならずに一本の、さらに言えば何度観ても楽しめる娯楽作品に仕上げるアメリカ映画の良き伝統を継承している監督です。次回作はスティーブン・キング原作の「ザ・スタンド」を演出するとか。大体、キング原作の映画化は、ほぼ失敗してきましたが、さて今回はどうでしょうか?期待しましょう。

★最近の映画本のお薦め

「ローマの休日ワイラーとヘプバーン」吉村英夫(朝日新聞社600円)  名作の裏に隠されたドラマ。赤狩りの渦中で悪戦苦闘する監督W・ワイラーを描いています。

「エデンの門 イーサン・コーエン短編集」(河出書房700円)コーエン兄弟の映画製作チームで脚本、製作担当のイーサンの小説集

「シネマ裏通り」川本三郎。昭和54年に発行された映画評論集(冬樹社950円)

 

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方々から面白そうな文庫が入いりました。

ちくま文庫では、店でも人気の野尻抱影「星座のはなし」カバー装画は、たにむらしげる。解説はこれまた人気の天文学者、石田五郎という布陣です。そして森茉莉の「マリアのうぬぼれ鏡」は再々入荷です。

文楽の本としては、劇場に行く時のお供に、広谷鏡子「恋する文楽」。文楽用語一覧も付いています。絵がなんとも可愛い、平野恵里子「きもの、大好き」も再入荷しました。

明治時代の反骨ジャーナリスト宮武外骨の一代を描く”学術小説”赤瀬川原平「外骨という人がいた」は、抱腹絶倒の一冊です。原平さんの本は、同文庫の「老人力 老人力全一冊」とか、ねじめ正一、南伸坊との共著「こいつらが日本語をダメにした」、文春文庫「新解さんの謎」も一緒に入荷しました。どれも笑えます。同じく、笑って脱力みうらじゅん「カリフォルニアの青いバカ」もお薦めです。欲望におぼれる、そこの貴方のために書かれた、しかし、何の役にもたたない名著?です。

ちょっと珍しいところでは、高橋暎一の「愛しのマレーネ・ディートリッヒ」(社会思想社現代教養文庫)。よくもまぁ、こんなに写真集めたな〜と感心します。巻末には出演作品一覧に加え、彼女が出したレコードまで資料として掲載されていて、よく編集された一冊です。

趣味系セレクションがメインのエイ文庫の、家具の魅力満載の二冊「美しい椅子2」と「とことんイームズ」。カメラファンならご存知の「ハッセルブラッドの時間」は、名器で撮影された様々な作品を見る楽しみ溢れる文庫です。

そして、新入学された方へは「チェゲバラ日記」をオススメ。カストロ首相のゲバラへのこんな文章があります。

「それはとりもなおさず、チェが現代世界を性格づけ、明日の世界をますます強く彩るであろう国際的精神を、もっとも純粋な形で、もっとも無私な形で体現しているということである」

過去の妄執に捕われず、明日の世界を見つめていたチェの伝記こそ、Gパンのポケットに相応しい一冊だと思うのですが、新入生諸君。

 

 

 

 

 

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1972年1月、日本で1枚のレコードが出ました。その直後から音楽シーンとくに、jazzの世界では大騒ぎになりました、これは、jazzにあらず、いや新しいjazzだ!と論争まで起こりました。

チック・コリア五重奏団演じる「リターン・トゥ・フォーエバー」というアルバムです。日本語に訳せば「永遠への回帰」となにやら仏教的なタイトルです。とにかく、孤独感に満ちた音楽でした。全曲エレクトリックピアノで演奏しているからでしょうか、音があっちへゆらゆら、こっちへゆらゆらと漂白してゆくのは、魂が漂白しつつ、その行き先を探しているみたいです。ラストの”La Fiesta”の陽気で明るい曲で解放されてゆくという宗教的な?アルバムでした。ジャケットのカモメは、漂白していた魂が今まさに飛翔する瞬間を捉えています。因みにこのアルバムを製作したのは西ドイツに本拠を置くECMレコード。ドイツ盤LPの写真は、ジャケ写真というジャンルを超えて、立派なアートです。(LP/CDともに在庫あり)

このアルバムを、薄暗いジャズ喫茶で初めて聴いた時、ぶっ飛びました。この私の、暗く鬱屈した時代(そんな時もあったんです)に光を投げかけてくれた音楽です。若かった日、このアルバムを愚弄する評論家はその資格なし!と本を放り投げていました。

そして、その7年後、元ジャズ喫茶のオヤジ村上春樹の「風の歌を聴け」(講談社900円)、そしてビートたけしがバイトしていたジャズ喫茶の常連だった中上健次の「破壊せよ、とアイラーは言った」(河出書房/初版700円)の二冊の本が脳天直撃、木っ端微塵となりました。中上の本の中に、矢沢永吉のことを「しなやかな獣、ピユーマだと思った」と表現し、こう締めくくってあります。

「才能がギラつくのは、刃が光るのとよく似ている。ありあまるほど見てきた貧乏の悲惨は、人に昏い深い瞳をつくるが、ひとたび笑うと、天に抜けるような明るさになる。」

その後、一時彼の著作、例えば「十八歳、海へ」を夢中になって、穴蔵みたいなジャズ喫茶で読みふけりました。今や、陰翳も、暗い情念もどっかに霧散霧消してしまい、紙切れ同様のヘラヘラ頭の私には、もう読めない作家かもしれませんが、「破壊せよ」という台詞を聴くと、やっぱり疼きます。

一方の村上はその後距離を置くようになり、「1984」でマスコミが大騒ぎした時も、何も感じませんでした。でも、彼の音楽評論の本、例えば「意味がなければスイングしない」(新潮社700円)などは何度も読み返し、音楽を聴きたくなる優れた一冊だと思います。

 

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誰か読む人あれば、ということご提供いただいた彌生書房から発行されていた日本、海外の詩集が約100冊程入りました。昭和40年前半に出されてたもので、さすがに外函が汚れていますが、中は大丈夫。一冊200円です。

詩集はちょっと、と思われる方は、例えばその詩集の編集者を見て購入されてはいかがですか。「金子光晴詩集」は茨城のり子、「尾崎喜八詩集」は串田孫一、「三好達治詩集」は谷川俊太郎、「中原中也詩集」は大岡昇平、「堀辰雄詩集」は福永武彦となかなかの面子です。

その中で初めて知った名前、山村暮鳥を調べてみました。1884年生まれで、宣教師。詩人、人見東明から「静かな山村の夕暮れの空に飛んでいく鳥」という意味をこめて「山村暮鳥」の筆名をもらいました。一神教のキリスト教宣教師にも関わらず、自然のあらゆるものに神の存在を認める彼は異端として激しく追求されたみたいです。

「老漁夫の詩」という詩の中程にこんな詩句が出てきます。

此の鉄のやうな骨節をみろ 此の赤銅のやうな胴体をみろ 額の下でひかる目をみろ ああ此の憂鬱な額

深くふかく喰ひこんだその太い力強い皺線をよくみろ

自分はほんとの人間をみた

と力強い言葉が続きます。しかし、彼自身は40歳でこの世を去ってしまいます。

詩集を買うというよりも、素敵な言葉を買うという感覚でお探しいただければいいかもわかりません。

「宮沢賢治詩集」に収録されている「稲作挿話」の最後にこんな詩句があります

……..雲からも風からも 透明な力が そのこどもに うつれ......

詩人の放った言葉が、「透明な力」となって心の中に入ることができれば、200円はお買い得です。

一緒に田山花袋の「温泉めぐり」(大正8年博文館)、「水郷めぐり」(大正9年博文館)も入荷しました。

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レコードプレイヤーを持っていないのに、レコードを買われるお客様がおられます。店内には500円〜数千円までのジャズ、ロックをメインに百枚程あります。で、そのお客様は1000円までのLPをお買い上げです。

プレイヤーもないのにお買い上げいただく理由をお聴きしたところ、500円ぐらいででこんなセンスのいいデザインの作品が買えるので、インテリアとして飾っているとのお話でした。成る程、ちょっといい写真や、素敵なアート作品を買おうとすると、数千円かかることを考えれば、安いものです。そして、サイズが正方形というのが何故か収まりがいいところですね。本の横に置いても最適です。

例えば、こんなジャケット。デザインはデビット・ストーン・マーチン。業界では有名で、作品集まで発行されています。

あるいは、こんなエスニック調もあります。南米のボリビア辺りのカラフルな衣装を思わせます。

書店としては、読書のすぐそばに、こんなLPを飾っていいただければウレシイです。

さて、下の写真。初夏の草原、涼しい風と夏草の香りが充満する場所で、読書に疲れた女性が寝転んでいる瞬間を捉えた1枚です。さて、この女性の読んでいる本は何か?ま、この表紙だけではわかりませんが、フォークナー辺りの小説ではないでしょうか?清楚なお色気のあるジャケットです。昨今ジャズのCDにやたらと肌見せのものが叛乱していますfが、品のなさ丸出しで、アートデザイナーの趣味の悪さにヘキヘキします。

因みにこちらは、アメリカで発売された盤がヨーロッパへ渡り発売された盤で、発売元はあのVOUGEです。こちらは貴重なLPで5000円です。

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映画雑誌キネマ旬報増刊「戦後キネマ旬報ベストテン全史」(昭和59年発行/900円)入荷しました。

さて、自分の生まれた年にどんな映画がベスト10に入っていたか。私は昭和29年生まれ。早速、その年の頁を開ける。1位は木下恵介「二十四の瞳」、2位も同監督「女の園」。そして3位が黒澤明「七人の侍」でした。白黒日本映画の黄金時代の幕開きですね。その後も傑作が続きますが、純文学の映画化が大半を占めています。近松門左衛門作、溝口健二監督「近松物語」、森鴎外作、溝口監督「山椒大夫」、川端康成作、成瀬巳喜男監督「山の音」、林芙美子作、成瀬監督「晩菊」と原作もののオンパレードです。海外もしかり。ゾラ原作の「嘆きのテレーズ」が1位、3位には「ロミオとジュリエット」です。

続いて昭和30年、林芙美子作「浮雲」、織田作之助作「夫婦善哉」、海外ではスタインベック「エデンの東」が堂々1位でした。風格のある原作があり、それをしっかり脚色できるシナリオライターがいて、映像化できる監督がいて、演出の意図を理解して演じる役者が、今以上に多く活躍していた時代だったことが解ります。

昭和37年、1位は松田道雄原作、市川崑監督「私は二歳」。私はこの映画を小学校の講堂で見た記憶があります。あれは、映画教室だったのかもしれません。と、こうして自分の体験とその年ごとのベスト10を見てゆくのも一興です。ベスト10最後は昭和57年。1位は、つかこうへい作、深作欣二監督の「蒲田行進曲」。10本のうち、原作があるのは、この映画と松本清張原作の「疑惑」のみでした。因みに、海外の1位は「ET」。もちろん、原作はありません。

平成生まれの方には、お呼びでない本かもしれませんが、映画が娯楽の王道だった時代から、TVに主導権を奪われた時代を過ごした方には、いろいろと”遊べる”一冊です。

 

 

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