木版画で、北海道の厳しい自然の中を生き抜く動物たちを描いてきた手島圭三郎。その作品すべてを収録し、さらに手島の絵本が出来るまでの過程を追いかけた記録と、手島が自作の絵本と北国の自然について書き記したものを収録した「手島圭三郎全仕事」(絵本塾出版/新刊2970円)を入荷しました。

手島は北海道紋別出身の木版画絵本作家です。父親が鉄道員で転勤が多く、彼も転校を余儀なくされました。オホーツク海沿いの農漁村を転々として育ちましたが、その時、彼が見ていたオホーツク海の荒々しい風景や、そこに生きる動物たちの生態が、作家としての原点となっていきます。北大卒業後、中学校で教壇に立ち、その後に木版画家として独立しました。

81年日本版画協会展に出展したシマフクロウの版画が出版社の編集者の目にとまり、絵本作家としてデビュー。シマフクロウ、キタキツネ、ヒグマなど北海道の動物を題材とした作品を発表し、アイヌ文化研究の第一人者藤村久和と組んでアイヌに伝わる叙事詩ユカラを絵本化しました

「しまふくろうのみずうみ」で日本絵本大賞、「きたきつねのゆめ」でイタリア・ボローニヤ国際児童図書館グラフィック賞、「おおはくちょうのそら」で、ニューヨークタイムズ選世界のベストテンに選ばれています。

私が初めて手島の本を手にしたのは、82年に発表された「しまふくろうのみずうみ」でした。翼を広げた、しまふくろうのダイナミックな姿に圧倒されました。その次に出会ったのは85年に発売された「きたきつねのゆめ」でした。飛び跳ね、疾走するきたきつねの姿に目を奪われた記憶があリます。

残念ながら、これらの本は古本で値段が上がっていて、なかなか店で揃えることができない状況でした。また、見つけても本の状態が良くなくて、販売には向かないものがありました。この全仕事集は、印刷も良く、手島の版画作家としての技量を充分味わうことができます。このボリュームで、2970円はお買い得だと思います。絵本好きだけでなく、大自然を愛する人、ネイチャーフォトを趣味にしている人にもご覧いただきたい一冊です。

 

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