数年前、川端御池近くのギャラリー「nowaki」で、不思議な作品展に出会いました。

身の回りにある紙(新聞紙や広告紙など)を使って、動物、虫、絶滅した恐竜などをかたち作り、セロテープでグルグル巻いて、完成させるというもの。制作していたのは、植田楽(うえだ・ひらく)さんでした。あまりの面白さにその時「トナカイ」を購入して、店に飾っています。

今回、彼の作品を一同に集めた作品集「ずかんをひらく」(1080円)が入荷しました。タイトル通りに図鑑風に作られています。ページを開けると、恐竜編がスタートします。”暴君トカゲ”ティラノサウルスが登場。映画でもよく見かけるいかにも悪役づらしたあいつですが、すっくと立って、なかなかの男前。植田さんのコメントで「強そうな歯が特徴なので、一本一本、強度や曲がり具合もリアルに表現しました」というコメントが書かれています。

恐竜達に続いて、古代に絶滅した動物達が登場します。ダチョウのような「ジャイアントモア」。ユーモラスなスタイルが特徴的です。どの作品にも、図鑑のような解説が付いているところがミソですね。

そして、現代の動物。「忠誠心が強く、古くからチベットの牧畜民が牧羊犬や番犬として飼育してきた」チベタンマスティフという大型犬は、実物そっくりです。作者曰く「タテガミのフサフサ感を黒色で出すのに、苦労しました。ティッシュを丸めてふわふわ感を出しました」とコメントされています

植田さんが、紙とセロテープで作品を作り始めたのが6、7歳ごろ。最初に作ったのがボールとバット。私もボールなら作った経験がありますが、ここから先がアーティストとの違いです。10歳のころから動物の制作を開始し、市販されているフィギュアにないような無名の動物達の作品作りへと向かいます。彼は、新しい作品を制作する時、図案を描かずに、いきなり作り始めるというのが驚きです。設計図なんてなくても、きちんと立っています。

本の出版に合わせて、何点か作品を販売しています。お気に入りがあれば、ぜひ。(写真の作品はすべて販売中。7000円〜)