これ、どう見ても異常なんですが、実はセルフポートレイト写真なんですよ!

おばあさんが、可燃ゴミとして処分される自分のポートレイトを撮るか?!と思いますが、この作者の西本喜美子さんは、取材当事87歳。熊本在住で、感情認識パーソナルロボット「Pepper」(なんと、熊本弁を話すらしい)と暮らしています。写真を撮り始めたのが72歳。その10年後の2011年に初の個展を開催。この写真が老人虐待だ、と非難が出たりとかしたみたいです。彼女曰く、写真撮影に必要なのは、好奇心と行動力だ。並外れた行動力ですね。

さて、このおばあさんより、少し若いのですが、76歳の小林伸一さん。横浜にお住まいです。このおじいさんの自宅が、そのまま強烈なカラーアートで囲まれています。もちろん、描いたのは小林さん。植物、食物、富士山、鉄腕アトム等々、1階から2階に至まで、鮮やかとかいう言葉が吹っ飛ぶ色彩が迫ったきます。岡本太郎じゃないけれど、「芸術は爆発」ですね。

と、まあ、恐らく世間からは、あの人はちょっとねぇ…….と、敬遠されているかもしれないけれど、好きなように生きて何が悪いという表現者を集めたのが櫛野展正著「アウトサイドで生きている」(タバブックス1944円)です。著者は、日本唯一のアウトサイダー・キュレーターです。社会と断絶した、あるいはさせられた人たちが、再び社会との接続する時にバックアップする存在として活動を続ける一方で、こうも語っています。

この本に登場する多くの人たちが、全く孤立無援なわけではなく、それなりの生活を送っていることを踏まえて、「狂人だから制作しているのわけではない。正気を保っておくためにつくり続けているのだ。誰もがアウトサイダー・アーティストになる可能性を秘めている。そう、みんなアウトサイドで生きているのだ。」

NYの暗闇を歌い続けたルー・リードの名曲“Walk on The  Wild Side”も、アウトサイドで生きているほうは面白いよね、と歌っています。この本に登場する11人の刺激的な生き方を読んで、見て、少しだけ横にそれる楽しさを知っていただければいいかもしれません。