お正月休みに「ヴィヴィアン・ウェストウッド最強のエレガンス」というドキュメンタリー映画を観ました。

ファッション・デザイナーであり、環境問題活動家であり、パンク誕生の立役者であり、世界的ブランドの創始者であるヴィヴィアンは1941年英国に生まれ、現在78歳。権力に楯突いてきた人生といっても過言ではありません。

1971年ロンドンのアンダーグラウンドから飛び出したロックバンド、セックス・ピストルズをプロデュース。彼らが着ていたヴィヴィアンのデザインしたTシャツは、パンクスタイルを定着させます。体を奇妙に揺らせながら「アナキー・イン・ザ・UK」を歌う彼らは、当時の英国の支配階級を大いにイラつかせました。映画は、過激に突っ走る若き日の彼女の姿を巧みに織り込みながら、現在の彼女を映し出していきます。

スタイルを変えながら新しい感覚のファッションを生み出し続け、ファッションデザイナーとして50年のキャリアをキープし、現在も大企業の傘下に入ることなく、世界数十カ国、100店舗以上を展開する独立ブランドのトップにして現役のデザイナーという立場にいます。頑固でアグレッシブなこんな上司では、正直周囲は大変だよな、と思います。その一方で、年令などおかまいなしに派手な衣装に身を包んで、ヒョイと自転車に乗って駆け抜けていく姿は、とてもチャーミングです。

厳然たる階級社会がベースにあったイギリスの閉塞感を打ち破った、パンクファションの中心にいたパワフルな彼女と出会い、別れていった男たちを絡めながら映画は進んでいきます。

幸せな幼少期を経て、幼い子どもふたりと若いミュージシャンのマルコムと暮らしながら服づくりに励み、やがて、世界的成功をおさめるまでの70年間。様々な現代アートに刺激を受けながら、彼女は自分の世界を作りあげていきます。猪突猛進というのは、この人を指し示すものなのかもしれません。2015年、水圧破砕法によるシェールガス採掘に反対し、当時のキャメロン首相に対して、戦車をくり出し抗議デモを実行しました。そのシーンも映画には登場しますが、老いてますます元気、強烈な女性の半生です。

 

 

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