ベットサイドにでも置いて、毎日眺めていたい素敵な写真集を2冊入荷しました。

一冊は、先日ブログで「極北のひかり」を紹介した松本紀生の「原野行」(Crevus/古書1700円)です。アラスカを訪ねて20年。この極北の大地で巡り合った、本人曰く「一番きれいな写真を撮りたかった」写真を集めたものです。アラスカの写真といえば、ご承知のように、先駆者として星野道夫がいます。彼が撮ったアラスカの大地、そこに生きる動物たちを捉えた写真を超えてゆくのは、中々困難です。

 

でも、この写真集は、星野的世界を踏襲しつつも独自の世界観を出そうとしています。特に、ザトウグジラのブリーチング(海面に飛び出す動作)を捉えた作品は美しく、何者にも負けない強さを見せてくれます。また、川を遡上してきた紅鮭をがっちり銜えたヒグマの目。死に物狂いで、この地を生き抜こうとする生命の強靭さが伝わってきます。就寝前にパラパラめくれば、いい夢が見れそう。私のお気に入りは、ジャコウウシを正面から捉えた作品。こんな澄んだ目線をしてたんですね。機会?があれば、お会いしたいものです。

もう一冊は、荒木経惟の「東京人生」(basilico/古書1300円)です。こちらは、1962年から2006年まで、彼が撮りためた東京を一冊にまとめたものです。

愛妻陽子さんや、愛猫チロちゃんも登場しますが、なんといっても大都市東京の移ろいゆく姿が見所です。街角で遊ぶ子供たちの生き生きとした姿、東京の下町、高層ビル群、地下鉄、銀座等々を行き交う人々の多様な表情を見ていると、この人たちの人生に思いを馳せます。なにげない日常という意味では、お風呂に入ってホッとしている王貞治とか、やんちゃ少年丸出しで、自分のヨットに乗る石原慎太郎、ちょっと大人っぽくキメタ19歳の赤塚不二夫なども、街並みの写真の間に同じような重さでレイアウトされています。来日した女優シャーロット・ランプリングのくつろいだ微笑みが印象に残りました。

ところで、この写真集の最後は、久世光彦の葬儀に参加した樹木希林の合掌する手先を捉えた一枚です。この人も天国へ旅立ちましたね……..。

 

 

 

★イベントのお知らせ

6月5日(水)より「世界ひとめぐり旅路録」展をされる小幡明さんが、14日(金)19時半より、FMひらかたパーソナリティー久保有美さんと一緒に「小幡明の旅の話アレコレ」と題したトークショーを当店にて開催します。(参加費1000円/要予約)