古本市には、本屋さん関連の面白い本が、何点か必ず出ます。

沖縄の商店街にある「市場の古本屋 ウララ」の店主宇田智子が、お店を始める決心から、開店そして店頭での日々を綴った「那覇の市場で古本屋」(ボーダーインク600円)。店の隣りは漬物屋さんと洋服屋さん、前は鰹節屋さんで、店の大きさは畳三畳という、日本でも狭さではトップではないかと思える小さな店です。メインに扱っているのは沖縄関連の本。元々、大手書店の人文書担当の彼女が、自ら望んだ転勤で沖縄に来たことが発端です。力まず、ナチュラルに生きてゆく姿が眩しい一冊ですね。沖縄に行ったらぜひ訪ねてみたいお店です!

次は、我が国の多くの島々に点在する本屋さんを訪ね歩いた朴順梨の「離島の本屋」(ころから900円)。笠原諸島、伊豆大島、礼文島、奄美大島等、全部で22島の本屋が紹介されていきます。本屋さん紹介の本というよりは、島と本屋さんの日々を見つめる旅行記と言った方がいいかもしれません。旅行気分を誘ってくれます。凄いなぁ、と唸ったのは奄美大島にある「本処あまみ庵」。なんと奄美沖縄の本専門店で。イカ釣りの本から、島尾敏雄、昭和初期の軍事雑誌「日本週報」まで、店主が集めた本が並んでいます。本屋を目指して、22の島を回ってみるのもいい旅になりそうです。

一時、話題になった「痕跡本のすすめ」(太田出版850円)は、愛知県で古書「五っ葉文庫」を営む古沢和宏が集めた痕跡本を巡る本です。古書業界では、本に線を引いたり、何か書き込んだりした本は価値が下がります。しかし彼は、価値がないとされたそんな本に目を向け、想像力と妄想力で、本の持ち主が、なぜこんな書き込みをしたのかを語ります。この本を読んでから、痕跡本に出会うと、思わず見入ってしまう癖がついてしまいました。ここでは、多くの痕跡本が写真で紹介されていますが、まるでアートみたいなものさえあるのが面白いですね。

最後にもう一点。これは小説です。紀田順一郎著「古本屋探偵の事件簿」(創元推理文庫400円)。神保町にある古本屋「書肆・蔵書一代」主人が出した「本の探偵ー何でも見つけます」という広告に惹きつけられてやってくる、奇妙な依頼人達の姿を描いたもので、三つの中編と一つの長編が収録されています。推理小説好き、本探し好きの興味をそそるお話ばかり。本屋をめぐる内容ではありませんが、古書業界の事が色々登場してくるので、是非ご一読を。

 

★8月9日(水)〜20日(日)「レティシア書房 夏の古本市」開催。個性的な28店のよりすぐりの古本が大集合です!(14日は休み)

暑い日が続きますが、お立ちよりください。

8月21日(月)〜25日(金)は、夏期休業いたします。よろしくお願いします。