「友人と12時に恵比寿駅の恵比寿さんの前で待ち合わせ。おしゃれな本を作ってくれるところがあるので、そこを紹介したいと言ってくれたので、行くことにした。奥さんと一緒に恵比寿をぶらぶら、途中道端に矢車草が咲いていたのでそこでパシャ。矢車草大好き!」

誰の日記の一節かわかりますか?

実は、人形作家四谷シモンの日記です。よくある、町歩き雑誌のライターの文章と思われたか、それともシモンらしいなぁ〜と納得されたでしょうか。「四谷シモン人形日記」(平凡社/古書1200円)の中からの抜粋です。本を開けると、エロチックで、感情があるようなないような人形作品が並んでいます。「機械仕掛けの人形1」というシモンらしい作品の次から、彼の日記が始まります。

「昨日浅草で、どじょう鍋を食べてドロドロになっちゃうかと思ったら、二次会もなく、皆さっさと帰ってしまったので、ドロドロ状態から逃げ出すことになったので、今日はスッキリ」

など、どうということのない文章が続きます。これが、退屈するどころか、何故か気持ちよくなってくるから不思議です。

かと思うと、目玉握りしめて制作に励む姿が登場します。

「ほれ〜天の恵み雨が降っている。今日はこの雨のおかげで、一日幸福な気持ちでいられる。」なんて文章に出会うと、彼の作り出す少女や少年の、どこか彼方を見つめているフワーッとした表情につながります。この本には、付録として描き下ろしポストカードが付いています。

ところで、「四谷シモン全編」(学研/古書1400円)という本の中に、「今年からNHKの大河ドラマに出演しています」という。えっ〜ほんまかいなぁ?という文章にぶつかりました。そういえば、四谷シモンは、唐十郎の赤テントで役者でしたね。