イラストレーター、シルクスクリーン作家の森温さんのイラスト集「# JYP31」(2750円)。このミニプレスは著者のよると「新型コロナウィルスが日本でも広がり始めた2020年3月4日から描き始めました。世間に不穏な空気が流れている中、それに飲み込まれてしまってメンタルや仕事にバッドな影響が出てはいけない。ってことで、自分のご機嫌をほどほどに保つプランを、思いつくままに1ヶ月分ぐらいは描いてみよう!と考えたのがきっかけです。」

日々の暮らしのあれこれを、文章とイラストで伝えるタイプのものは山ほどあります。でも、彼女のは最初に観た時から、なんか違うと感じたのです。

タイトルの「JYP31」は「自分を(J)喜ばせる(Y)プラン(P)」ということ。ちょっと心を楽しくしてくれる31の作品です。「本屋さんに行く」というページには、アルフベットを巧みに使ったシャレたイラスト。「ダンスする」では、めちゃポップな色使いでウキウキします。一番気に入ったのは、ベン・シャーン風の落ち着いた色合いでペンを持つ手と、ノートを描いた「日記を書く」でした。全体を通して色彩が豊かで、実に巧い。ステイホームの今、プレゼントにもグッドな一冊です。(150部限定です)

 

2018年に個展をしていただいた沖縄在住の紅型染めの作家ほんまわかさんから、可愛らしい「ネコとハコ」(770円)が届きました。箱を見つけると、猫は必ず入ってしまいます。そんな猫と箱の楽しい姿を、紅型染めの作品と文で小さな絵本仕立てにした一冊です。紅型は琉球染物、沖縄を代表する伝統的な染色技法の一つで、その起源は13世紀ごろと言われています。ほんまさんは、現在猫10匹と同居中。猫たちの可愛い仕草が、独特の色使いでシンプルに描かれています。

もう一点ご紹介します。当店では人気の「murren vol.26 」(715円)です。今回の特集は「模様」です。アフガニスタンのキリムの模様、アイルランドのアランセーター、タイのナーガの織物、ギリシアのクレタ刺繍、そして日本の津軽こぎんと世界中の衣に関わる模様が集められています。巻末に載っている模様に関する書籍案内も見逃せません。ここに紹介されている「日本の装飾と文様」( PIEINTER/新刊2750円)は美術評論家の海野弘がフルカラーの図版を駆使して、多種多様な観点から日本の伝統的デザインに迫った傑作です。