佐野洋子の私家版的な本ですが、「女の一生・1」(トムズボックス3000円/出品・徒然舎)は、セックスをして、人が生まれるという事を、かなりストレートな言葉と佐野らしいタッチのイラストでまとめた本で、限定998部という少量出版物です。佐野自身が「人類の始めから、この世に出現するには、男と女がみんなあれをしたのである。何くわぬ顔とは人類全ての顔だと思うのである。」と書き残しています。エロスと生の息遣いに満ちた小さな本です。これって、多分大手出版社からは出せなかったのでしょうね…….。

美術家の永井宏は、亡くなった後も若い世代に人気のある作家です。今回出品されている「雲ができるまで」(リブロポート1100円/出品・ba hutte)は、90年代初頭に永井が葉山にオープンさせた「サンライト・ギャラリー」を支援してくれた人たちに捧げられた本です。彼の活動を手助けした人たちが登場します。それにしても永井の文章っていいですね。こう、爽やかな風が体を吹き抜けるとでも言えばいいのでしょうか。ふと振り返った一瞬の光景を捕まえるのが、上手い。吉田篤弘のようなシニカルさはないけれども、好きになったら離れられない作家です。

 

あぁ〜、この本もこんなに安く出たか……。「村上春樹翻訳全仕事」(中央公論新社600円/出品・雨の実)。これの何が凄いって、村上が翻訳した全てのオリジナル海外版と翻訳版の書影と、その本への村上のコメントを収録しています。絵本作家オールズバーグの全作品を一堂に見ることもできます。さらに、「翻訳について語るときに僕たちの語ること」と題した柴田元幸とのロング対談が掲載されているのです。マッカラーズの「結婚式のメンバー」を翻訳したときに、「『心は孤独な狩人』がやはり最高作だと思うし、いつか翻訳したなと思っている」と書いてますが、彼の翻訳を読んでみたいと心待ちにしているのは、私だけではないと思います。

 

 

★女性店主による『冬の古本市』は2/5(水)〜2/16(日)です。月曜日定休。12:00〜20:00

最終日は18:00まで。神戸・大阪・岐阜・東京・御殿場・神奈川・京都などから女性店主の選書が集まっています。ぜひお立ち寄りください

勝手ながら2/17(月)〜2/20(木)まで連休させていただきます。