昨日に続き、8月9日(水)からスタートする恒例「レティシア書房・夏の古本市」に出品される本の紹介です。

先ずは、老人の写真集を2冊。

ダンサー田中泯が、インドネシアの各地で行ったパフォーマンスを中心にして撮影された「ウミヒコヤマヒコマイヒコ」(デザイニングジム1100円)。村々で、ひたすら自己の舞踏を繰り広げる田中と、なんか変なおっさんやなと遠巻きに見ている人達との、境目がふっと消滅する瞬間が捉えられています。

もう一冊は、古賀絵里子「浅草善哉」(青幻舎2000円)。明治45年生の平田はなさんと、大正10年生の中村義郎さんという老夫婦の写真集です。二人は昭和32年結婚。それからの長い人生が、一枚一枚の写真に刻み込まれています。表紙がかっこいいですね。残念ながら、義郎さんは2008年に87歳で、はなさんは2010年に98歳でこの世を去られました。

さて、文庫にもこれはゲット!と思われるものがあります。例えば、映画監督の今村昌平企画による「村岡伊平治自伝」(講談社文庫1200円)。誰?村岡伊平って?? これが、とんでもない怪物です。明治中期に海外で一旗揚げようとシンガポールに渡り、女郎屋を開業。その後、東南アジア各地に進出。お国のために女を売るのだと、国内から数多くの娘を連れ出すは、本人は多くの現地妻を持つという、今なら犯罪的な人物です。さらに、日露戦争勃発と共に、各地に愛国婦人会を組織するという明治ナショナリズムを具現化したような男です。時代が作り出した怪物を読む一冊です。

画家、香月泰男の「海拉爾通信」(新潮社/初版/函1200円)が、昭和18年春から20年の終戦まで満州、ソ連で兵役に付いていた時、日本の妻に送った書簡をまとめた本です。書簡と共に、彼が書いた絵葉書も数点挿入されています。香月ファンなら、持っていたい一冊です。

私もいつか買おうと思っていた「佐藤泰志作品集」(クレイン2200円)がありました。名作「海炭市斜景」に始まり、芥川賞候補「きみの鳥はうたえる」、映画化もされた「そこのみにて光輝く」等の代表作から、詩、エッセイまで収録した分厚い一冊です。「佐藤泰志作品集に寄せて」という小冊子には岡崎武志さんが『「海炭市斜景」について』という小論を書いています。

こんな本も出ますよ。「名古屋モーニング図鑑」(LD&KBOOKS400円)。名古屋独特の食文化とも呼べる、モーニングの粋を集めたガイド本です。名古屋に行かれる時にお持ち下さい。「うどんモーニング」なんてのもありますよ。

 

 

 

 

 

 

★8月9日(水)〜20日(日)「レティシア書房 夏の古本市」を店内で開催します。個性的な28店のよりすぐりの古本が大集合です!(14日は休み)

暑い日が続きますが、お立ちよりください。

★休業のお知らせ 8月7日(月)8日(火)は古本市の準備のため連休します。 

8月21日(月)〜25日(金)は、夏期休業いたします。よろしくお願いします。