漫画家大島弓子が描いた絵本「森のなかの1羽と3匹」(白泉社1200円)。1羽とはカッコーのことで、3匹とは、トンボ、蝉、蛙です。もちろんキャラは大島らしい可愛らしい少女のかたちをとっています。そして、どの話もあっけない生と死を描いていて、切なくなってきます。

ふ化したトンボはこう呟きます。

「誰かが飛び立った わたしも行って 山裾の秋の中で 結婚して産卵して 一生を終えなければならない」

そして、最後の瞬間に、思います。

「わたしは羽をたたみ目をとじて思う。良い人生だったと そして永い眠りにつく」

地上に出るまで7年間、じっと地下に生きる蝉もまた、生の短さを語ります。「7年地中で暮らした後8年目にわたしは羽化して成虫になり、交尾相手を見つけて産卵し、数日間の命を終わる」と。

そして、地上に出てからふと、こんな考えが去来します。

「またあの地中の生活に戻りたいと 木の根のジュースとクッションと昼寝 イマジネーションと頭上の贈りもの 誰かが水を汲む動力の音 長く美しい休暇の時に」

ストイックな彼女たちの佇まいは、やがて果ててゆく命に抗うことなく、受け入れる姿があり凛として清々しい。この本、すでに絶版になっています。

もう一点、彼女の「キャットニップ」(小学館1100円)という大島らしいコミックも入りました。これ傑作「グーグーだって猫である」の続編としてスタートします。グーグー亡き後の大島家と十数匹の猫達のドタバタをコミック化してあるのですが、猫達も短い生を楽しんで、天国へ旅だっていきます。その一部始終をコミカルに、しかし、ここでも一直線に死を見つめます。作者自身が、病を得て死と向かい合ったせいかもしれません。

「おしっこも出すんだよ うんちもね それが生きるってことだから」と語りかけながら、小さな動物に様々なことを教えられてゆく、大島の可愛らしいキャラが楽しめる本です。一匹の猫とでさえ、動物と暮すと、ホント教えられることが多いと実感しています。