「『棲む』ところを少しでも快適に自分らしく素敵にしたいと思っているあなたに。よりよく暮らすための、よりよく生きるための『衣、食、住』の提案をしてゆきます」

というコンセプトで、2009年秋創刊された「棲」(すみか)が、15号を持って廃刊します。10年間で15冊を発行し、自分にとって本当に価値のある暮らしって何?を、様々な角度から追い求めてきた雑誌でした。今でこそ、大きな書店の女性誌のコーナーに行けば、異口同音の”素敵な暮らし”の本が並んでいます。そのほとんどが、おしゃれであっても商品の羅列に終わっているもののような気がします。どこからも住んでいる人の匂いが漂ってこない雑誌が多いようです。

しかし、「棲」には、そこで暮らす人々の思いが溢れています。最終15号の特集は「リノベーションからはじまる。」です。「還暦リノベーション」という興味深いタイトルの記事を見つけました。賃貸でありながら、リノベーションができるマンションに引っ越した主人のリノベ顛末記です。マンションの住人たちと協力しながら、新居が出来上がりました。

「ここが『終の棲家』になるかどうかは、まだわからない。でも、母を実家で看取った経験から、たとえば終末期をここで迎えたとしても、いろんな人の手を借りながら住み続けられるような気がしている。大きな介護用ベットだって悠々置けるし、車いすを乗り回せる余裕もある。寝たきりになったとしても、南の窓近くに置いたベッドから空が見える。まあ、先のことはともかく、料理をつくったり、掃除をしたり、ベッドを整えたり、花を飾ったり、そんな毎日のことが今は楽しい。」

この雑誌には、TVや女性誌で紹介されるグレードの高いおしゃれな住まいこそ最高、という考えはありません。日々、どうやって機嫌よく暮らしてゆくか、そのためにどう暮らすべきかという思想が(もちろん、難しくなく)、毎号、毎号語られていきます。

当店でこの雑誌を扱い始めたのは、比較的最近でしたが、毎号全て完売でした。14号「家をつくる、という冒険」で登場する、馬と暮らす女性のことはブログでご紹介しました。改めて創刊号から揃えてみると、どの号もご紹介したくなます。創刊号から、9号までは515円、それ以降は972円という買いやすい価格です。すでに9号「本があるから」は、売れています。

そして、毎号連載されている「こんなとき、こんな音楽」で取り上げられる音楽は、パーフェクトに素晴らしい。うちのCD仕入れをお願いしたい!と思うほどです。マニアックな音楽の紹介ではなく、あくまでこの本の「日々好日」的ラインナップです。岐阜のカフェ「ミル」店主のセレクトですが、このカフェにも行ってみたくなります。脱帽のCD紹介ですよ。

 

レティシア書房はゴールデンウイーク中も通常営業しております。(4月29日は定休日)

 5月6日(月)〜8日(水)は連休いたします。

 

名古屋発のミニプレス「棲(すみか)」は、タイトル通り「住む」という事に特化した雑誌です。最新14号の特集は「家をつくる、という冒険」(972円)。この特集の中に、愛知県にあった自宅から、岐阜県に自分の理想の家を建てるために、5年間せっせと通って、自力で家を建てた女性が紹介されています。

40代後半。自分だけの場を作ろうと思い立ち、方々探し50歳の時、この地を見つけて、雑木をチェーンソーで伐採することから始まりました。もちろん、いくら何でも一人で家なんて建てられません。基礎部分は、岐阜の工務店にたのみました。それから5年。井戸を掘ってもらったり、建具屋さんに玄関ドアを依頼したりと多くの人に助けてもらいながら、花や野菜を植え、愛犬の囲いを作り、家を整備していきました。

彼女は独身ではありません。既婚者で、別に離婚の危機があるわけではありませんが、一番大変だったのは「家を出ると夫に告げた時だった」そうです。

「なにもかもなくす覚悟を決め、自分本来の生き方を始めたら、人も知恵も集まってきた」

という彼女の言葉はとても重いと思います。

もう一人、極めて潔い生き方をしているすぎのまきこさんが登場します。馬二頭と犬一匹と暮らしているのですが、その暮らしはまるで遊牧民です。夏は京都北部の山間部にある村で暮らし、冬は琵琶湖西岸、高原市のゲルで暮らしています。定収もなければ、未来もどうなるかわからない。けれども、彼女の生き方は決まっています。

「私はジプシーのように生きたい。意味も残さず結果を残さず、この世から消えてゆきたい」

そんな彼女のもとには、多くの人達がその魅力に引かれてやってきます。こんな自分流の生き方は、なかなかできないけれども、余計なものをそぎ落とすことの素晴らしさにはあこがれます。

 

 

 

ミシマ社さんの「京都本屋さんマップ」ついに、昨日完成しました!その労力と根性に拍手です!!「ミシマ社と京都の本屋さん展」は、本日5時過ぎまで。ぜひ、このマップを見に来て下さい。全部作った長谷川さん、お疲れ様でした!!