チュニジア生まれの作家ナセル・ケミルと、北京生まれの画家エムル・オルンが組んだ絵本「歌う悪霊」(小峰書店/古書600円)を読んだ感想が、このブログのタイトルです。

北アフリカサエル地方の昔話から作った物語で、貧しい男が決心して「悪霊の荒れ野」を開拓します。草を刈り、石を拾い、土を耕していると、悪霊たちが現れて「おまえは、そこで、なにをしている?」と尋ねてきます。この地を開拓すると答えると、悪霊たちが手伝ってくれます。翌日、石ころを拾っていると、今度は10人の悪霊が出てきて、手伝ってくれます。男は、日々この地に出かけて作業をすると、どこから湧いてくるのか多くの悪霊たちが手伝ってくれます。麦を蒔こうとした日には、その数なんと40人の悪霊。

とめどなく出てくる悪霊の姿が不気味です。インドかアフリカっぽい帽子をかぶった彼らの目線が怖い!もう、この時点で、子供はアウトじゃないかな。本を投げ出すでしょう…….。

さて、男は自分の息子に麦畑が鳥に襲われないように見張りに向かわせますが、これが命取りになってしまいます。悪霊に魅入られたこの男と一家の最後は悲惨です。息子は、25600人の悪霊に打たれ続け、クレープより薄くなってしまい、妻は51200人の悪霊に髪の毛を毟り取られてしまう。オカルト話なんですが、これが滅法面白い。この絵をそのまま短編アニメに仕立てあげたら、きっとゾッとする作品になるでしょう。

悪霊の「まて、てつだってやる!」という言葉が、後ろから追いかけてきそうです。知らない人の親切に注意というような教訓なのか? それにしても怖い!

★本日の京都新聞書評に、ブログで紹介した小暮夕紀子「タイガー理髪店心中」が載っています。まだ在庫はございますので、良ければどうぞ。

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