NHKで土曜日夜に放送している「漱石の妻」ってご存知でしょうか。今、はまっているドラマです。

このドラマで漱石の妻のことを、初めて知りました。漱石が結婚して、帝大の教授を経て、国民的作家となっていく様を描いています。漱石には「シン・ゴジラ」で獅子奮迅の活躍をしていた長谷川博己、その妻には尾野真千子。彼女は、NHKドラマで織田作之助原作の「夫婦善哉」の健気なヒロインを演じていました。

で、この芝居の上手い二人の、時にはエキセントリックな、時にはドタバタ喜劇風の、時にはペーソス溢れるやり取りが、実に見物。あくまでフィクションですが、感情の起伏の激しい漱石という作家の姿が、見事に立上がって来ます。先週は、漱石の養父役で竹中直人が登場、立派になった子供に金をせびる小心な男を、演じていましたが、これが絶品でした。ちょっと、漱石の生い立ちを調べてみたくなりました。ドラマの原案になっているのは、夏目鏡子・松岡譲著「漱石の思い出」です。

漱石といえば、「坊ちゃん」、「わが輩は猫である」以外は、何故か知識人の憂鬱と苦悩を描いた小説が目立ちます。漱石が生きた明治時代を描いた関川夏央原作、谷口ジロー漫画による「坊ちゃんの時代」(アクションコミックス全5巻2500円)は、お薦めです。

漱石を中心にして、鴎外、啄木、秋水等の多くの文学者を登場させて、明治という時代を描いた群像激です。文学だけでなく、変転してゆく社会の様と時代に翻弄される人々の姿を全5冊に描き込んでいます。明治43年、天皇暗殺を企てた容疑で、社会主義者幸徳秋水らが逮捕、処刑された「大逆事件」のことも、この本で学びました。この全集は是非とも、高校の現代史のテキストに使用していただきたいものです。

第二部「「秋の舞姫」は森鴎外と、彼を追いかけて日本に来た舞姫エリスの愛憎を中心に、日本とヨーロッパのはざまで苦悩する鴎外を、第三部「かの蒼空に」では、彗星の如く登場した歌人、石川啄木の青春。第四部「明治流星雨」では、先程の大逆事件に翻弄される秋水を描き、最終の第五部「不機嫌亭漱石」で、病に倒れた漱石と明治の終りを描いて完結します。各巻300ページあまりの力作を、じっくりとお読み下さい。

当店在庫の全5巻の中で、第2巻だけ本の帯が違っています。他は「手塚治虫文化賞受賞」と文字の入った赤い帯ですが。第2巻は初版出荷時の白い帯で「それは鴎外の青春であった。」のポップが印刷されています。

 

★★10月28日(金)『ネイチャーガイド安藤誠さんの自然トーク「安藤塾」』は、満席になりました。

尚、「安藤塾」は、10月29日(土)19時より「町家ギャラリー龍」にて開催します。こちらの方は、参加者募集中です。お問い合わせは直接 「町家ギャラリー龍」(075−555−5615)まで。

 

★カナダ在住で、ドールシープを撮影されている写真家、上村知さんの写真展を11月1日(火)〜13日(日)まで開催します。

尚、11月5日(土)の、上村さんによるスライドショー 「極北 カナダ・ユーコン&アラスカの旅と暮し」は満席になりましたので申し込みを終了いたします。ご了承ください。